東大講師時代
平成1年に医局長の辞表を出し、医局も去るつもりだったのに、引き止めていただき、
平成2年には
都共済青山病院の医長に。
大変ありがたいことで、定年までいるつもりでした。
なのに平成6年、教授が交代すると、講師として大学に帰ってこないか、とのオファーを頂きました。
また研究と学会報告がメインの仕事となる職場に復帰したわけです。
が、もう超音波研究グループは解散しており、やった研究といえば、
前立腺の体積を正確に測定する方法と
終日尿流測定。
すでに41歳になった医者が、動物実験や試験管振りのような仕事(分子生物学)を習い始める事はできませんでしたから。
前立腺の体積を正確に測定することは、
PSAの高値の原因が前立腺肥大症によるものかどうかの判定に大事です。
終日尿流測定の方は、前立腺肥大症症状スコアとの比較という仕事をさせてもらいました。
生命に影響しない病気では、患者さんの症状でしか治療効果を判定できません。
前立腺肥大症の治療効果判定目的に
国際前立腺症状スコアというのがアメリカで提案されたころで、
これがいかにいいかげんなものであるかを、終日尿流測定という入院患者さんの毎回の排尿の尿流率を記録できる装置のデータと比較し、
排尿に関する研究会で発表したりしました。
それ以外には、1970年からの20年間に東大で治療した
前立腺癌の治療成績を集計しました。
多変量解析(比例ハザードモデル)で、生存率に影響する因子を解析しました。
疫学教室にも出入りして、比例ハザードモデルなどの統計手法も勉強させてもらいました。
Exelのような表計算ソフトが出始めたころで、それから程なく、多変量解析は誰でも簡単にできるようになりましたが。
2年間、東大講師を勤めさせていただきましたが、結局大した研究はできず、
某地方医科大学の
教授選に立候補させていただきましたが、敗退。
平成8年、
東京共済病院泌尿器科部長に赴任しました。
前立腺の体積を正確に測定する仕事は東京共済病院でも続け、
アイスランドや
フィレンツェで発表。
「PSAと前立腺体積から前立腺癌の確率を計算する」ページへと発展しましたし、
読売新聞でも取り上げてもらえました。
青山病院にずっといたほうが良かったのか、というと、
青山病院は私が60歳になる前に
廃院になりましたから、(結果論ですが)東大に呼び返してもらって私は良かったわけです。
でも東大泌尿器科医局のactivityからすれば、1度ドロップアウトした人間を呼び戻すのはどうだったんでしょう。
教授が短期間の任期で交代するのはあまりいいことではないと思います。
では、どの教授時代が長く続けば良かったかな、なんて何年経っても客観的には評価できませんね。
今期の大河ドラマ「天地人」では、石田三成は正義、徳川家康は悪、なんでしょうね。
私は淀君よりねねが好きなので、石田三成は好きではありませんが、小栗旬を見ていれば好きになるでしょうか?
昨日は
生田でテニスしただけ。ブログネタがないので、経歴シリーズの、
東芝病院
三井記念病院
都立駒込病院
青山病院
の続編でした。
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