ZEPP in Ipswich '71


Venue : St.Matthew's Bath, Ipswich, England Date : 11/14/71 Source : Mono-Audience Generation : (A) Master>DAT / (B) Unknown Gen.>DAT>Cas>DAT Total Time : (A) 104min (Incomplete) / (B) 100min (Incomplete) Tape Speed : Normal Quality : Very Good
SONG LIST 1. Immigrant Song 2. Heartbreaker 3. Black Dog 4. Since I've Been Loving You 5. Rock and Roll 6. Stairway to Heaven 7. Going to California 8. That's the Way 9. Tangerine 10. Dazed and Confused 11. What is and What Should Never Be 12. Celebration Day 13. Whole Lotta Love - Let That Boy Boogie - Hello Mary Lou - Mess O' Blues - Honey Bee - Going Down Slow

COMMENT
 5th UK Tour (11/11/71-12/15)の前半の公演です。
 このTourはなぜか音源が少なく、15公演のうち、Wembley/Manchester/Bournmouthの3公演のみ
 存在を知られていました。そんな中、1997年に入ってトレーダー間に忽然と出回り始めたという
 久々の「発掘音源」です。
 Luis Ray氏のLIVE本Final Editionには紹介されておらず、Dave Lewis氏のThe Concert File
 のみに掲載されています。

 トレーダー筋には、(1)Master>DAT、(2)Unknown Gen.>DAT、(3)Unknown Gen.>DAT>Cas>DATと
 いう3種類の音源が出回っています。

 (2)はテープ速度が早く、(3)は(2)をCassetteにいったんダビングし、速度補正を施したもの
 だそうです。私は(1)と(3)の音源を保有しています。

 どちらも良好なAudience録音であり、(3)の方が若干音が太くヒスノイズが多目です。
 ただし非常に似かよった音であり、入手時から「同じMasterでは?」という疑問を抱いていま
 した。はたして、真実は如何に?

 以下に、(1)と(3)の音源を比較しつつ、この日の内容をチェックしてみましょう。

 文中の「音切れ」とは瞬間的な無音状態を指し、「cut」とは音が時間的に飛んでしまっている
 状態を指しています。


REVIEW 1. Immigrant Song    Robertの声に伸びが無く、高いところでヨレた歌いかたをしています。    (1)の音源は観客の拍手で始まり、RobertのMCが入ってからおもむろに演奏が始まって    います。序盤は音が少しふらつき、1コーラス目の終わりに短い音切れがあります。    (3)の方はいきなり演奏の頭からの収録になっています。 2. Heartbreaker    (1)ではIntroの最後の方で音切れがあります。    (3)の方は、無伴奏soloの終わりに一瞬レベルが下がり、「ボコッ」というノイズが入っ    ています。 3. Out on the Tiles/Black Dog    お馴染みOut on the TilesのIntroから入るパターンですが、Jimmyは最初の1拍の入り    を抜かしてしまっています。Robertも1箇所、ブレークからの入りが早いところがあり    ます。声が随所でひっくり返っており、調子が今イチのようです。    (1)は最後のJimmyのSoloの頭で左のチャンネル落ちが一瞬ありますが、それ以外は安定    した良い音です。    (3)は最後のJimmyのSoloあたりで音の定位が定まらず、センターがフラフラしています。 4. Since I've Been Loving You    Robertが曲を紹介し、観客は拍手をしますが、なぜか曲が始まりません。Robertは何やら    喋ってひとりでアハハと笑っています。ようやくJimmyがIntroのフレーズを弾きかけます    が、これがなぜか中断。Robertがすかさず突っ込み、観客の苦笑を誘います。    さらに重い沈黙が数秒間流れ、やっと曲がスタートしました。    ここでもRobertは苦しそうで、高い部分を避けながら無難に歌っている印象です。    間奏の間中、Robertは歌い続けています。    (1)は最初のMCの途中とエンディング直後に数秒cutがあります。    (3)は特筆事項は無し。非常に安定しています。 5. Rock and Roll    このTourならではの曲順です。    IntroでちょっとGuitarの遊びを入れています。    ここでのRobertは、うって変わって力強いVocalを聴かせてくれます。    (1)は、間奏の序盤でレベルがふらつく部分があります。さらにエンディング近くでばっさ    りcutとなり、That's the Wayの頭につながっています。    (3)の方は特筆事項無し。完璧な収録です。 6. Stairway to Heaven    JimmyのSoloは前半は単調ですが、中盤から盛り上がりをみせています。    Rock SectionでのRobertのシャウトは非常に力強いものがあります。    (1)には未収録の曲です。The Concert Fileにはこの曲の記述はありませんので、著者の    Dave Lewis氏は(2)か(3)の音源を元にReviewを書かれたと思われます。    前曲からMCはつながっています。全般的に定位がふらつきを感じます。   7. Going to California    これも(1)には未収録、かつThe Concert Fileに記述のない曲です。    曲前のMCはSTHとつながっています。セッティング中に盛大にハウリングが起こり、Robert    が客と一緒に苦笑しています。    曲中で2度の音切れがあり、最後のコーラスのところで大きくcutしてエンディングにつな    がっています。 8. That's the Way    (1)ではIntroの途中から始まっています。    (3)では曲前のMCでバサッとcutが入り、数秒の空白後、曲の途中から始まっています。 9. Tangerine    曲前のTuning中、JimmyがBlack Country WomanのIntroのストロークを弾いています。    6/12/72のSeattleでフル演奏してましたが、この時点で既にリフとしては存在していた事    がわかります。    (1)では前曲からMCがつながっています。    (3)では前曲終了の拍手でcutし、Introの途中から始まっています。    ここで、発見!    (3)の間奏で女性観客の笑い声がはっきり聞こえるのですが、(1)ではそれが聞こえません。    この2つの音源、やはり別ソースでした。 10. Dazed and Confused    直前のJapan TourまではLIVEの序盤に演奏されていた曲ですが、このTourでは中盤のアコ    ースティックセット以降に演奏されています。    (1)は前曲からMCがつながっています。中盤のVocal/Guitarの掛け合いの部分で短いcutが    あります。音は比較的安定しています。    (3)は前曲の拍手の後でcut outし、MCの途中にcut inしています。弓弾きの手前で音切れが    2回あり、さらに弓叩き他で若干音のヨレが目立ちます。 11. What is and What Should Never Be    (1)は前曲から歓声がつながっています。前曲の終わりにRobertは「ワンダホー!」と叫ん    でおり、Jimmyが軽くTuningをしてからこの曲が始まっています。    (3)では前曲の拍手の後でcut outし、曲の途中にcut inしてます。若干音が遠目で、観客の    話声が聞こえます。 12. Celebration Day    1971年前半のTourではSTHの後が定位置でしたが、このTourでは試行錯誤していたようです。    (少なくとも、出回ってるTour音源で同じ位置に演奏された日はありません)    (1)は全曲終了の拍手の後でcut outし、この曲のMCにcut inしています。    (3)は前曲からMCがつながっています。 13. Whole Lotta Love - Let That Boy Boogie - Hello Mary Lou - Mess O' Brues - Honey Bee - Going Down Slow    Jimmyは数回Introのリフを弾きかけてはやめています。    メドレーは比較的おなじみの曲ですが、Going Down Slowは弾きまくりの大迫力です。    (1)は前曲からMCがつながっています。Theremin後に1回、Going Down Slowの途中で1回    cutがあります。Going Down Slowの終盤、Robertが「Jimmy Page!」と紹介した直後に    cut outで終わってしまいます。    (3)も前曲からMCがつながっていますが、1コーラス目の途中であえなくcut outして終わっ    てしまいます。  どちらの音源にもアンコールは未収録です。  時期から判断すると、Thank You/Communication Breakdownあたりだったのではないでしょうか?  全体的に演奏は散漫な印象で、"Magic Night"という訳ではなかったようです。  71年までの技巧的な演奏と72年以降のラフな演奏の端境期にあたるという意味で、貴重な音源と  言えましょう。

−音源収録部分比較表−

 以上、各曲ごとに説明しましたが、「なんだかわかんない」という方のために、収録部分を視覚  的に表してみました。音源のcutにこだわる趣味はないのですが、2つの音源の違いを確認する  助けになれば幸いです。   *:音源(1) Master>DAT   +:音源(3) Unknown Gen.>DAT>Cas>DAT IS mc HB mc BD mc SIBLY mc RR mc STH mc GTC mc TTW mc TAN mc DC mc WHAT mc CD mc WLL =|==|==|==|==|==|==|=====|==|==|==|===|==|===|==|===|==|===|==|====|==|====|==|==|==|===| ** ***** *********** *** ****** **************** ********** ********* * ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ ++ +++ +++++ ++ +++ ++++++++++++++  こうして見てみますと、曲順については「ほぼ」これで間違いがないと思われます。  ただし、Going to CaliforniaとThat's The Wayの間のMCのみ完全につながっていませんので、  この間にBron Yr Aur Stomp等が演奏された可能性もゼロではないでしょう。
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