感光基板のアートワーク用 インクジェットフィルムをつかってみたゾ |
サンハヤトから出ている、「感光基板のアートワーク用インクジェットフィルム」をつかってみました。結論を先にいってしまうと、フィルムを作るならコレ!というくらい気に入ってしまいました。難点といえば、印刷後のフィルムの保存性(これはプリンタのインクによるところが大きいと思いますが)と値段でしょうか。でも失敗のおそれなく、そこそこ細いラインまで使えそうであることと、同じ基板を1ヶ月後にまた作るということはほとんどないので、これら難点はそれほど目立ちません。ここでは、このフィルムをつかった体験記を記述することにします。いずれは基板作成のコンテンツとしてまとめるつもりですが、とりあえず体験記としてざっとかいてみます。ざっとですから、どの程度のレベルの方を対象にしているかまでは考えていません(^^;
・サンハヤトのインクジェットフィルム 大きさはA4で、5枚入りと3枚入りがあります。5枚入りともなると結構な値段になりますから、今回は3枚入りを\1360で購入しました。袋を開封してフィルムをとりだして見てみると、OHP用紙に似ております。ですが、感光基板用というからには、OHP用紙よりも詳細に印刷でき、遮光性も優れていると思われます。この用紙、表裏があり、用紙右上の切り込みを頼りに表裏を判断します。見た目や手で触ったかんじだけでは非常に表裏の判断がつきにくいので、この切り込みはとても大事です。必要な大きさにきりとって使う場合は、残った用紙の表裏がわかるよう、自分で表裏判定用の切り込みを入れておく必要があります。私はこの切り込みを入れておかなかったため、後で表裏の区別がつかなくなり、印刷時に間違って裏に印刷してしまったというミスをおかしてしまいました。裏面はインクをはじいてしまうため、まともな印刷結果にならず、すぐに表裏間違ったことに気がつきます。なお、裏面への印刷直後であればティシュなどですぐにインクをふき取り、印刷まえの状態に戻すことができます(プリンタによるかもしれませんが)。値段が高いので、一枚一枚大切に使わなければなりません。
・印刷してみました パソコンでプリント基板を設計し、この用紙にプリントアウトしたものがこちらです。 |
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使用プリンタ CANON BJ−F850 ただし、BCI-6I系インク使用 ドライバはBJ-F850用そのままだったりしますが。 黒を強調するため、黒の印刷濃度をあげた設定にしています。
基板設計ルール 最小導体幅 0.6mm 最小導体間隙 0.3mm |
黒いところはしっかり黒く印刷され、にじみやむらもなく、非常にいい感じです。いままではOHPシートにレーザープリンタにて印刷したものを使用していましたが、そのほうほうですとむらや遮光性にやや難がありましたが、この用紙+インクジェットプリンタの組み合わせでできたフィルムはとても良い出来です。
・感光してみる こうして出来あがったフィルムをライトボックスにセットして感光します。ここで使用した基板、実は有効期限を3年以上経過しているという、とんでもない代物だったります。そのため感光時間を通常より長くしましたが、それだけでいいのだろうか.....とちょっと心配でした。 |
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フィルムと基板をセット、バキュームクランプで固定します |
ライトボックスにセットし、露光中 |
・現像 現像スプレーを使って現像をします。さすがに、古い基板でしたから、なかなか現像が進まず、0.6mmのパターンが0.4mmぐらいになってしまい、ちょっと心配というものが出来あがりました。有効期限切れから3年以上経過した基板ででさえ、これだけのものができあがりましたから、有効期限内のものであれば、かなりきれいなパターンが出来あがると思います。 |
・エッチング エッチング漕に基板をいれ、ぶくぶくとエッチングをします。
・出来あがり エッチングが終了したら、レジストをおとして、フラックスを塗って出来あがりです。ちょっと部品を載せちゃいましたが、こんな感じできれいに出来あがりました。
・結論 冒頭にも述べましたが、このフィルムを使うとかなり詳細な基板を作ることが出来るということがわかりました。いままで自作基板の設計ルールを、最小トラック幅0.6mm ピン間通すときのみ0.4mm可 としていましたが、0.4mmのパターンも安心して引くことが出来そうです。今度基板をつくるときは、0.4mmを標準最小トラック幅として基板設計を行い、0.4mmルールの基板を失敗なく作れるかどうか試してみたいと思います。 |