野沢温泉外湯巡り

 市町村名に「温泉」という文字がさん然と輝いているところはいくつとない。温泉好きにとってはいつかは訪れなくてはならない義務がある。スキー場で有名なここ野沢温泉は、今回初めての来訪となる。毎年のようにシーズンに数回行っていたスキーも今はご無沙汰である。今回残念ながら晴天には恵まれず、雨が降ったりやんだりという天候の中、1泊2日という限られた時間内に外湯のコンプを目指し、雨で濡れた地図を頼りに、タオル片手に街を練り歩いた。

 オフィシャルホームページによると、野沢温泉の13箇所ある外湯は、江戸時代から「湯仲間」という制度によって守られてきたという。実際に全ての浴場が綺麗で、地元民の憩いの場となっていた。地域の湯仲間が資金を管理運営を行っているので、感謝しつつ温泉を堪能したい。

---共通事項---

住所:下高井郡野沢温泉村
問い合わせ先:野沢温泉観光協会---0269-85-3155
時間:4月から11月は5:00-23:00、12月から3月は6:00-23:00
駐車場:専用は無いので近隣の駐車場を利用

野沢温泉のシンボル、麻釜。おがまと読んでね。 野沢温泉のシンボルとなっていて、マスコミにも度々登場する麻釜(おがま)。毎分薬500リットル湧出されている弱アルカリ性硫黄泉湯温は90度以上ある。まわりにはロープが張られており、一般人は立ち入り禁止となっている。しばらく眺めていると、野沢菜かどうか不明だが、菜っ葉が入ったざるを持ったおばあさんが、ロープをくぐり抜け、釜のお湯で湯がき始めていた。

 釜には「大釜」「茹釜」「円釜」「竹伸釜」「下釜」と5つあり、それぞれが異なる温泉が湧出している。それぞれに適した用途があるようで、調理用に使ったり、一部外湯の源泉にもなっている。


秋葉の湯
(あきはのゆ)
看板 秋葉の湯の風呂
麻釜の湯
(あさがまのゆ)
看板 麻釜の湯の風呂
大湯
(おおゆ)
看板 大湯の風呂
上寺湯
(かみてらゆ)
看板 上寺湯の風呂
河原湯
(かわはらゆ)
看板 河原湯の風呂
熊の手洗湯
(くまのてあらゆ)
看板 熊の手洗湯の風呂桶
十王堂の湯
(じゅうおうどうのゆ)
看板 十王堂の湯の風呂
新田の湯
(しんでんのゆ)
看板 新田の湯の風呂
真湯
(しんゆ)
看板 真湯の風呂
滝の湯
(たきのゆ)
看板 滝の湯の風呂
中尾の湯
(なかおのゆ)
看板 中尾の湯の風呂
松葉の湯
(まつばのゆ)
看板 松葉の湯の風呂
横落の湯
(よこちのゆ)
看板 横落の湯の風呂

 基本的にはどの外湯も加温・加水・循環・消毒なし、オーバーフローの天然温泉100%のかけ流しとなっている。硫黄臭はするがpH7程度。それぞれの外湯に特徴が異なる。その中から心に残ったいくつかを、勝手にレビューしてみる。

秋葉の湯:浴槽に注がれている冷水も温泉。硫黄臭のほかに硝薬のような匂いがする。
大湯:野沢温泉のシンボルとなっている外湯。ぬる湯とあつ湯の浴槽があるが、ぬる湯でもとても熱かった。
熊の手洗湯:祭日の朝6時にもかかわらず、親子連れや観光客で賑わっていた。無色透明の湯で白い湯の花が大量に漂っていた。
真湯:薄緑色をしており底が見えないほど濃かった。
新田の湯:湯温が高いため加水していると表示されている。ほかと比べると硫黄臭が少ない。

 各外湯は掃除の時間があるのでその時間は入浴できない。外湯のいくつかは、洗濯場それと温泉卵を作ることが出来る蒸し器が併設されているところもいくつかあった。まさしく地元に密着した街である事を実感した。



外湯に併設された洗濯場 外湯に併設されている洗濯場の入口外湯に併設されている洗濯場の中


足湯

野沢温泉の代表的な足湯は、源泉麻釜近くの「湯らり」、大湯向かいの「あくと」がある。「湯らり」では温泉卵を自分で作ることが出来る。
湯らり湯らり湯らりの温泉卵作り場あくとあくと