タイガース・ジョーク再び

 阪神タイガースは、いつ再建できるか?
 野田前社長と岡田未亡人が留置所の久万オーナーを訪れ、田宮OB会長の葬儀の最中に野村監督が心臓麻痺で死んだと告げるとき。

(ひとこと)安藤と田淵もなんとかしないと。


 大豊はどうしてもノムラの考えを理解できない。思いあまって、広沢のもとに教えを乞うた。
 広沢は得意げに教えた。
「つまりだな、野村監督の考えは、知恵で野球をすることなんだ。例えば、君のような一発のあるバッターは、スタメンで出るより、ここ一番というチャンスの場面で登場した方が、相手も怖れる。だから僕がスタメンで一塁を守り、君が代打の切り札になった方がいいんだ」
 大豊は納得して広沢にスタメンを譲り、代打になったが、翌年広沢のもとにまた訪れた。
「君の言うとおり代打になったが、給料が減っちゃったじゃないか。これじゃ生活できないよ」
「ほらね! 少しは知恵がついてきただろ!」

(ひとこと)代打を重視するなら、その待遇もなんとかしてください。


 八木沢コーチが藤川に「ノムラの考え」を叩き込もうとしている。
「いいか、ノムラの考えの要点は、頭を使った野球だ。そのためには、球威で打者を抑えられるというような今までの考えは、捨ててもらうぞ」
「はい、わかりました」
「それから、変化球のキレで打者を抑えられるというような考えも捨てろ」
「はい、わかりました」
「コントロールだけで打者が抑えられるという考えも捨てろ」
「はい、わかりました」
「もちろんのことだが、過去の栄光もすべて捨て、チームのために貢献するのだ」
「いや、それだけは……」
「なぜ拒否する」
「ボクが持っているのは、過去の栄光だけなんで……」

(ひとこと)過去の栄光もヒロスエとともに消えてゆく。今年は藤田太陽などという選手も入りそうだし、珍名さんで生きていける歳月も短いと思し召せ。


 太平洋で船が沈没する。ふたりの男とひとりの女が孤島にたどりついた。何が起こるか。
 ふたりの男が巨人ファンだったら?
 持ち金で勝負して、金の多い方が女を手に入れる。
 ふたりの男が中日ファンだったら?
 殴り合いで勝った方が女を手に入れる。
 ふたりの男が広島ファンだったら?
 ふたりで女を共有する。しかしあまりに激しいローテーションなので、女が半年で死んでしまう。
 ふたりの男が阪神ファンだったら?
 ひとりは胸、ひとりは腰と守備範囲を決めて女を攻める。しかし下手くそなので、どうにもこうにも。

(ひとこと)西武ファンなら東尾の号令一下襲いかかるものを。


 桧山選手が神戸の八百屋を訪れた。親父はうやうやしくお辞儀をする。
「今日はキャベツを買いに来たんだ。あるかい?」
「どうぞ、好きなのを選んでください」
「しかし、ここには三つしかないじゃないか。しかもみんな腐りかけてる。どうやって選べばいいんだ?」
「どうぞ、あんたとこの監督が選手を選ぶように」

(ひとこと)ミスター・エラー&ゲッツーの桧山よりは曽我部の方がなんぼか役に立ちそうですけどね。しかしそれもこれも腐ったキャベツの優劣か。


 おとぎ話と野村構想はどこが違うか?
 おとぎ話は「むかしむかし」で始まる。
 野村構想は「三年後……」で始まる。

(ひとこと)三年後が来年になっている気がするのは、きっとこちらの気のせいでしょう。


 タイガース公式掲示板から追放された人たちがオフ会を開いた。
「君はなぜ追放されたんだ?」
「2000年に野村野球を批判したからさ。君は?」
「僕は2001年に野村野球を擁護したからさ。そういえば君は?」
「ワシは野村や」

(ひとこと)バッシングに果てはなく。昨年は大豊と今岡。今年は広沢と桧山。来年は?


 野球評論家が死んだ。天使がやってきて、天国と地獄のどちらを選ぶか聞いてきた。評論家は答えた。
「私は実証主義者なので、両方を見た上で決めたいですな」
 天使は評論家をまず天国に案内した。監督の指令のもと、選手が見事なバントを決めていた。
 次に地獄へ行く。同じ光景。
 不思議に思った評論家は天使に尋ねた。天使は答える。
「さっきのは監督の天国、次のは選手の地獄じゃ」

(ひとこと)これぞ弁証法。バントで勝てればいいが、勝てなかったらそれこそ監督の地獄。


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