くだらな日記(2010年12月)


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12月21日(火)
 アニメ映画「イナズマイレブン」のファン投票が明日で締め切られる。
 もし運営側の不正がなければ、1位五条勝70万票弱、2位から4位は女子マネ軍団が30万票とちょっと、5位万丈一道が20万票ちょっと、主人公の円堂守は18万票程度で6位という事になりそう。
 この結果をどう受け止めるかという問題になるが。
 全盛期の少年ジャンプだったら、この結果を大真面目に受け止めて、「これも大衆の声。よし、これからのストーリーは五条&万丈の帝国軍団に女子マネが絡むストーリーにしろ!」とアニメーター、漫画家に命令したんじゃないかな。
 なんせ全盛期のジャンプは、瓢箪から駒というか、作者すら予想もしなかった展開に転んだら大ヒット、というパターンが多かったからな。最初はギャグだった「キン肉マン」「東大一直線」、最初はシリアスだった「アストロ球団」「魁!男塾」あたりが代表例か。


12月16日(木)
 「キートンのゴー・ウエスト!」を購入。
 これはキートンの長編コメディ時代の作品のひとつで、「キートン将軍」「荒武者キートン」「海底王キートン」ほど有名ではないものの、「もっともキートンらしさが出た映画」という評があって、昔から気になっていたのだ。しかし、レーザーディスクを買いあさった20年ほど前には発売されず。10年ほど前のDVDラッシュでも発売されず。古いビデオテープを買おうとすると1万円という高値になっている。
 先日、海外DVD輸入サイトをチェックしたら、なんと25ドルで販売しているというので即刻注文。送料を入れても35ドルと、日本での半額以下で購入できた。どうせサイレント映画だから英語もあまり問題ないし。
 やっぱりいいなあ。孤独な男キートンになつく孤独な牝牛は、どんな女優よりも愛らしい。いちおう人間のほうのヒロインもいるんだが、牛に比べると生彩がない。まあ、牝牛も娘も、腕に刺さったとげを抜いてやることで手なずけるんだが。
 しかし、ぼっちの食事シーンは哀しいなあ。
 キートンの映画はシンメトリーをなしているものが多いんだが、この映画も、前半はチビの都会人キートンが西部で虐待される物語、後半はいっぱしの西部男になったキートンが雄牛の群をひきつれ、自分を虐待した都会に復讐する物語、という構図になっている。
 ラストのオチはまさに画竜点睛。
 おまけに短編の「スケアクロウ」と「白人酋長」がついていた。どちらも未見だったので、非常にありがたい。
 「スケアクロウ」は同名の、同じような凸凹コンビの友情物語の映画があったが、これが元になっているのか? それとも原典がさらに昔にあるのだろうか? まあ友情は恋愛の前に泡と消えるのだが。キートンの親友、ロスコー・アーバックルの愛犬と、結婚をとりしきる牧師さんがナイス。
 「白人酋長」はマイノリティの味方キートンの大活躍物語で、現代でも通用するかと思ったんだが、キートンの属する善良なインディアンはシャツを着ていて、敵側の野蛮なインディアンが上半身裸というのは、やっぱりまずいわなあ。
 実はキートンの映画は、チャップリンほど邦訳名が統一されておらず、探そうとする場合に苦労する。この映画も当初「ゴー・ウエスト」で検索していたため「西部成金」に気がつかなかった。代表作の「キートン将軍」も「キートンの大列車強盗」もしくは「キートンの大列車追跡」とどっちの題名が有名か微妙なところだし、「キートンの友情物語」も「荒武者キートン」というまったく別の邦題があるしなあ。あ、「キートンのセブンチャンス」が「キートンの栃麺棒」という、ちょっとどうかというタイトルで上映されたこともあったそうな。
 あんまり嬉しかったんで、キートンのサイレント長編が入ったオムニバス版と、エデュケーショナル社で作った短編集、コロンビア社で作った短編集を同じサイトで注文してしまった。
 ちなみにエデュケーショナルとコロンビアの短編喜劇は、キートンの伝記で紹介されているところによると、「まったく鑑識眼を持ち合わせない観客のため作った」「キートンの映画経歴のうちでも最悪の部類」という「少ない予算」の「二、三日で作られ」る「安物、まがいもの」らしいので、じゅうぶん覚悟しています。
 しかし、映画メディアも安くなったもんだ。以前はキートンの15分ほどの短編のビデオが3000円くらいで売られていたが、今じゃ短編が5本入ってその半額くらい。ワンコイン500円ってのもある。


12月12日(日)
 高円寺ってのはうさんくさい町で、うさんくさい人、うさんくさい建物、うさんくさい店にことかかない。
 商店街を歩いていると、高円寺には珍しいまっとうな和菓子屋があって、「花びら餅」というのを売っていた。たしかお花の儀式かなんかで使う菓子だ。
 そこから1分ほど歩いた先に、イメクラだか抜きクラだかが数件並んでいて、どれもこれも判で押したように「花びら大回転」を謳っていた。このへんが高円寺。


12月11日(土)
 ネトウヨってのは曖昧な概念で、かつ気にくわない奴に貼るレッテルになってる側面はあるが、間違いなく実在する集団のことだ。
 ネトウヨ=ネット右翼で、彼らはネットを活用することが多いことからこの名がついた。彼らはネットで、彼らの言うところの「マスコミが黙して語らない真実」を知り、ネットにサイトを開設してその真実とやらを書き殴り、ネットの掲示板で論争し(彼らは自分と異なる意見を持つ人物をすべて「朝鮮人」「創価学会」あるいはそのシンパである「民主党支持者」「ブサヨ」と呼ぶことが多いが)、たまに街頭に出てはなはだ気勢の上がらぬデモを行ったら、その様子を逐一ビデオカメラで撮影してネット動画投稿サイトにアップする。
 ただし彼らは、ネットを彼らに手の届くお手軽なメディアとして活用しているだけで、ネットが不可分ではない。だから本当は、「盲信右翼」もしくは「情弱右翼」とでも呼ぶ方が正確なんだろう。彼らはどういうわけか、ネットで「隠されていた真実」を知ってしまうと、それを盲信し、他の事実はまったく受け付けなくなる。だから彼らとの論争は成立しない。何を言っても受け付けず、ただ罵言を吐き出すだけだからだ。
 むろん左翼にも「盲信左翼」というのは存在する。1980年を過ぎてからもカンボジアでのポル・ポト派による虐殺を「ベトナムのデマ」と切り捨てたり、2010年を過ぎてからもネパールの毛派ゲリラが国民過半の信頼を得ていると信じていたりしたら、これは盲信左翼と呼ばれても仕方がないだろう。
 まあ、こういう人物はいつの世にも一定の割合で存在する、といって片付けるのはたやすいし、間違いではないのだが、問題はこの層の声が政治にある程度浸透していることだ。
 たとえば自民党では、かつて防衛大臣も務めた小池百合子が、ネトウヨの集団である在特会の女子部「そよ風」で講演を行う予定だった(ネット動画サイトでの放映は取りやめになったため、実際に行われたのか定かではない)。小池は以前も幸福実現党(ネトウヨと共闘することが多い宗教団体)と共闘して一緒に辻立ちしたこともあった。また山本一太、片山さつき、丸川珠代などは、しばしばネトウヨの情報を鵜呑みにして民主党攻撃を行うことがある。
 地方選挙では、ネトウヨの自民党浸透はいっそう盛んなようだ。たとえば今年の川西市議選では、「反日朝鮮人は日本から出ていけ!」「キチガイ左翼集団!」などと叫ぶ右翼運動家・なかそちづ子が、元自民党衆院議員の木挽司を頼って立候補し、めでたく落選した。しかし今後も「たちあがれ日本」からも断られるような質の低い右翼運動家を公認し、地方選挙を戦っていくようだ。
 与党の民主党も深刻だ。かつて永田メール事件で、情報収集能力に問題があることを露呈してしまった政党だが、その体質は変わっていない。五十嵐文彦などは、「最後のパレード」盗作事件で有名な中村克のメールを信じこんで、あやうく国会に持ちこもうとしたこともあった。どっかにまともな政党はないもんかね。


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