くだらな日記(2001年8月)


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8月31日(金)
 今日の深夜の日本テレビ「プロレスリング・ノア」中継を見ていたのですが。
 大森・高山のノーフィアー対、ベイダー・シュミットの外人最強軍。試合途中、倒れた大森のタイツを掴んで引き起こそうとするベイダー。引っ張られて食い込む大森のタイツ。するとそのとき……。
 大森の股間に(禁)の文字が……。
 ここはスーパージョッキーですか?


8月30日(木)
 「ギャング・オブ・ニューヨーク」(ハーバード・アズベリー:ハヤカワ文庫)を読む。
 ずっと楽しみにして読み進んでいたのだが、ついにアル・カポネが登場しなかった。どういうわけだ。と序文を読み返して、やっと気がついた。この本、1928年に刊行されたものだったのだ。
 カポネが実権を握ったのが1925年。聖ヴァレンタインデイの虐殺が1929年。しかもカポネたちのマフィアは、シカゴが本拠。これではこの本に登場するわけもない。
 とはいえ、今となってはカポネが登場しないギャングの歴史は、ルーテーズの登場しないプロレス史、ベーブルースが出てこない野球史、ナポレオンが書かれないフランス史のようなものでありましょう。とほほ。この本の作者が悪いわけではないのですが。
 そう考えると、序文の、「ギャングと呼ばれる人々はもはや存在しない。かつてのような巨大なギャング団はもはや存在せず、衰退するいっぽうである」という言葉がなんと空しくひびくことか。
 飯干晃一の本の末尾で必ず書かれている、「山口組はいまや壊滅しつつある」という言葉と同じですな。広島抗争のときも、頂上作戦のときも、大阪戦争のときも、三代目死去の時も、山一戦争のときも、五代目就任の時も、いつも飯干晃一はこの言葉を書いてきました。そして、壊滅を見ずに死にました。
 もっともそのくらいの苦さがあった方がバランスが取れるのかな、とも思います。飯干亡きあと、ヤクザについて書く人は、ヤクザべったりですな。講談社α文庫の溝口敦などまだいい方で、幻冬社アウトロー文庫の連中など、ヤクザと完璧超人を混同しているかのようです。正延哲士とか、ちゃんとした人も中にはいるのですが。
 力量の乏しいジャーナリストによくありがちなのですが、取材対象にのめりこんでしまい、取材対象と自分を同一視する、という現象があります。批判精神を失ってしまい、取材対象と同じ論理でしかモノが考えられなくなるのですね。一例を挙げると、長州力に対する金沢某のような。こうなったらまともなルポは書けません。でも昨今では、そういう作物を、「迫真のドキュメント」「密着取材」などといってもてはやす風潮があるのですね。
 いま、ルポルタージュの世界で批判精神を発揮すると、「素直でない」とか「ひねくれている」とか「ネガティブだ」とか言われかねません。素直に小学生の作文のように書いたものが、一般にも批評家にもウケるようです。ルポってのは批判じゃねえのかよ。やれやれ。

 話は違うのですが、ラーメンに海苔をのせる店ってありますよね。あれ、どうしたらいいのか、自分でも態度を決めかねているのです。
 パリパリしているうちに食うべきか。
 それとも、スープや浮いた脂を吸わせて、豊潤になってから食すべきか。
 さらに一歩を進めて、スープの中でバラバラに崩壊してからすすり込むべきか。
 さらに食う方法としても、単品で食うべきか、麺及び具を巻いて食すべきか、など、さまざまな可能性があります。
 家系ラーメンではよく、これみよがしに、パンティのフリルのように海苔を飾って出す店がありますよね。あれを私は、見なかったふりをしてこっそりとスープの中に隠して、人に見られないようにこっそりと中途半端に食うのですが、いかがなものでしょうか。
そろそろ、海苔くらいは自分の態度というものを決めた方がいいような気がします。


8月29日(水)
 「鮎川哲也短編傑作選二・下り”はつかり”」(創元推理文庫)を読む。(今後の文章には核心に触れた箇所があります。ご注意を)
 ううむ。編者の北村薫、バラエティに富んだ作品を集めようとした努力は分かるが、富みすぎだよ。「地虫」はないだろ。推理じゃないし。出来も香山滋あたりならもっと上手に書くという程度のものだし。バラエティは「達也が嗤う」「他殺にしてくれ」くらいで充分でしょう。「絵のない絵本」もいらない。編集がマニアックに走りすぎ。
 傑作選一に続いてバカトリック作品がふたつあるのは嬉しい。ひとつの方は、ジュビロ磐田が有名になってしまった今では通用しないか。もうひとつはヒド過ぎる。セーター裏返しに着たらほつれとか妙な編み目が目立ちすぎて一発でバレるって。
 しかし鮎川作品に登場する女性は、どうして美人に限ってヒドい名前が多いのですか。ソヨ子とかキミ子とかしげとか。


8月27日(月)
クロ高生徒、稲垣吾郎問題を語る
「やってくれたぜ、香取伸吾!」
「林田くん、あまりに不謹慎だよ。それにあれは稲垣吾郎だ」
「どっちだっていいぜ。マッポを轢き殺して逃走するなんて、カッチョいいぜ!」
「うむ、それは同感だな。愚民の豚どもなど、殺してもかまわぬ」
「北斗くんまで……。なんとかたしなめてやってくれよ、竹之内くん」
「うむ、そういう意味のない殺人はやらぬ方がよい。金を奪うとか口を封じるとか、ちゃんとした理由のない殺人はいかん」
「それ、ちゃんとした理由じゃないと思うぞ」
「オレが昔、コロンビア刑務所に入っていたとき……」
「ええっ!? 竹之内くん、メキシコだけじゃなかったの?!」
「同じ刑務所にいた少年殺人嗜食鬼のジェフリー・ダーマーは、同室の囚人に憎まれて、殺されたんだぜ。弱い者いじめは、いつか報いが来るのさ」
「その話はともかく、竹之内くんはいま何歳なんだ?」
「さっきから聞いてりゃ、クダラねえ話ばっかしやがって」
「あれ、山口くん、高校が違うよ!?」
「いいか、お笑いってモンは落差で生じるんだ。オレ達のようなワルが交通違反してマッポにアゲられんのは当たり前だろが。ゴローみたいなアイドルがマッポにアゲられるからこそ、そこに笑いが生じるんだろーが!! ところで、オレは中居のくだらねぇギャグは認めん!!」
「でも、慎吾ママは面白ぇ〜よな」
 ドガッ
「ダメだよ山口くん、ヨソの学校で石川くんを殴るのは……こうなったらみんな、メカ沢くんにいいきかせてもらおう。おおい、メカ沢くぅ〜ん!」
「……」
「……パーキングメーターと間違えられてる……」
 おそまつ。


8月25日(土)
 最近は暑いやら吉野家が値下げしたやらでラーメンを食ってなかったのですが、久しぶりに食いました。新宿駅南口の「町田家新宿店」。なぜか新宿店や相模大野店の評判が高く、本店の町田店が人気がないという、奇妙なチェーンです。
 評判の味付け卵は品切れだったので、ラーメンのみ注文。この店は注文を取るときに、麺のゆで方(固め、やわらかめ)、スープの濃さ(濃い、薄い)、脂っこさ(油多め、少な目)を聞いてきます。そのためラーメンのできあがるまでの時間が、他店より若干かかるようです。今回は麺を固めにだけ注文しました。
 出てきたラーメンは、海苔とチャーシュー、ほうれん草がトッピングされていました。海苔は家系の標準装備だそうです。
 スープは茶色く濁ったケダモノ系スープ。かなり濃厚で、どろり、という感じがします。天下一品の一歩手前という感じでしょうか。しかし臭みがまったくなく、天下一品のような粉っぽさもない。さすがです。しかし濃厚。ちょっとしょっぱい。
 麺は注文通り固め。太い平麺で、すこし縮れている黄色い麺です。
 チャーシューは脂身少な目、徹底煮込みの箸でもちぎれる肉で、濃厚なスープにはちょうどいい。ほうれん草も一服の清涼剤でしょうか。しかしラーメンの海苔って、どうやって食べたらいいのか、いまだによく分からないのです。とりあえず麺をくるんで食べたりしてみましたが。
 しかしとにかくスープが濃厚です。おいしいんだけど。ううむ、次に行くときには、「麺固め、スープ薄目、脂少な目」と注文しよう。これならベストのラーメンが食えそうだ。あとは早めに行って評判の味付け卵を載せねば。

 なんでも阪神が優勝する映画を東宝が作るそうで。しかも主演がカズシゲだそうで。
 まあ金輪際見ないことだけは間違いないです。だいたい、「阪神はずっと優勝していないから映画だけでも優勝させてやろう」という性根が不純です。阪神ファンを舐めています。
 日テレの手助けなしでは夢も見られないような情けない巨人ファンと違い、阪神ファンの妄想力は無限なのですよ。阪神ファンは、みんな毎年十回くらいは阪神を優勝させています。映画で補助される必要などないのです。むしろマスコミの手助けなど有害なのです。
 阪神が優勝した85年の出版事情がそれを物語っています。売れたのはほとんど記録集や新聞の縮尺版など、事実をありのままに伝えたものだけでした。ブームをあてこんで作った安手のゲームブックや仮想戦記本は、全く売れませんでした(新田たつお「わが愛しの阪神」のような優れたフィクションは、それなりに売れましたが)。阪神ファンは、他人から与えられたフィクションをそのまま受け入れるほど馬鹿ではないのです。
 私の最近お気に入りの妄想はこういうのです。オールスター後、破竹の勢いで勝ち進んだ阪神。本塁打を捨てミートに徹した桧山を主軸に、速球を克服した濱中、小技がうまくなった今岡、復活安打製造器の坪井、ベテランの読みで打点を稼ぐ広沢。そしてなによりも核弾頭赤星の活躍であった。
 九月末、ヤクルトとの首位決戦に挑む阪神。しかしその前の巨人戦。すでにペナントレースから脱落した巨人は、阪神の優勝だけは防ごうと、卑劣な策をめぐらせていた。その試合出塁した赤星が早速盗塁を試みるが、長島監督は「赤星抹殺シフト」を指令。スライディングする赤星の脇腹に向かってショート二岡がスパイクを立ててスライディングし、さらにセカンド仁志が赤星の腹にストンピングという、文字通り暗殺シフトである。日テレの解説者席でこれを見た江川は叫んだ。「このとき、読売巨人軍は死んだ!」
 これで内臓が露出するほどの重傷を負った赤星であったが、腹にサラシを巻き、なおも後の試合に出場、打って守って走りまくった。
 しかしヤクルトとの最終戦。これで買った方が優勝という、文字通りの天王山。赤星は一番センターで走りまくります。井川と藤井の緊迫した投手戦。六回、先制のホームにすべり込んだ赤星は、古田のブロックで傷口が破れ、サラシを真っ赤に染めて苦悶。得点は認められるものの、阪神は貴重な戦力を失ったのでした。これをスタンドで観戦していた日南学園の寺原は、「すげぇ……俺、やっぱり甲子園しかないぜ!」と唸るのでした。
 しかし核弾頭を欠いた阪神はリズムを失い、ずるずると失点を重ね、九回裏で1−3の劣勢。藤井のシュートを読んでいながらも、あえて踏み込んだ広沢は、手首を骨折してまでも死球で出塁。代走田中秀太。矢野のセカンドゴロでランナーは二塁へ。ここで代打の和田は古田のリードを読み切り、四球を選んで二塁一塁。そして代打に指名されたのは、六月以来負傷で帰国していた主砲クルーズ。
 しかし左肩をまだテーピングで固定している状態のクルーズ。執刀医は「今年中は絶対に動かしてはならん。動かせば取り返しがつかないことになるぞ」と警告していた。
 野村監督もそのような姿で登場したクルーズを心配し、ダッグアウトで声をかける。
「おい、イヴァン、ホンマに大丈夫なんか? ムチャしたらいかんで」
 しかしクルーズはにっこりと笑い、答えた。
「ボス、俺はね、こんな場面で命を燃やすために、いままでプレイしてきたんだ。ボスといえど、俺からこの場面を奪う権限はない」
 そして高津のシンカーをみごとにとらえたクルーズの打球は場外に消え、その瞬間、阪神の逆転優勝が決まったのでありました。嗚呼。
 それにしてもこういうことを泣きながら書くのは我ながらどうかしている。


8月23日(木)
 阪神ファンは馬鹿、というのが2ちゃんねるをはじめとするネットの世界では定説となっているようで。
 まあ仕方ないですね。藪と日ハムの小笠原をトレードせよ、とか、近鉄の中村も読売の松井も日南の寺原もみんな阪神ファンだから阪神に来るべきだ、とか、来期のオーダー1番セカンド小笠原(藪とトレード)2番センター赤星3番サード片岡(FA)4番キャッチャーピアッツア(新外人)5番ファースト清原(FA)6番レフトイスンヨプ(新外人)7番ライト濱中8番ショート沖原9番ピッチャー寺原(ドラフト1位)とか、平気で言っちゃうんだから。正気を疑われたり差別されたり哀れまれたりしてもやむを得ないか。
 でも真面目な話、メッツのジョンソンだけは獲得しても無駄ですよ。阪神時代とまったく変わってないですよ。なにも考えずに振ってますよ。守備も下手くそですよ。新庄が阪神でもメッツでも二割七分なのと一緒で、あいつもメッツでも阪神でも二割四分ですよ。また三振だけ積み重ねるのは確実ですよ。やめときマジで。


8月22日(水)
 先日、茨城県の人と話をした際に、戦国期まで常陸の国(いまの茨城)にいた佐竹氏の話をしたところ、「そんな大名、知んねーよっ」と言われてしまいショックを受けました。茨城県民は、天下の副将軍、徳川御三家のひとつ水戸家があるだけで満足しているのかしら。
 そこで佐竹氏について私が知っていることをお話ししましょう。佐竹氏とは、つねに負け続けてきた、景気の悪い家です。
 そもそも佐竹氏は源氏の嫡流と言ってもいいくらいの名門です。源氏の嫡流といえば、雁の乱れ飛ぶのを見て伏兵ありと見破った源頼義から、八幡太郎義家、鎌倉幕府の初代将軍頼朝へと続く系譜ですが、佐竹氏の初代義業は、八幡太郎義家の甥、義家の弟である新羅三郎義光の息子にあたります。ちなみに義業の弟は、武田氏の初代義清。
 なまじ家柄がよかったのが悪いのか、頼朝の旗揚げには佐竹氏は参加せず、逆に平家方について頼朝と戦います。むろん、あっさりと負けてしまいました。そのため、鎌倉時代、佐竹氏はついに常陸の国の守護職にはつけませんでした。鎌倉時代を通じて、佐竹氏は常陸のジモピーとして隠忍自重せざるを得ませんでした。とりあえず家柄だけはいいので住民に信奉され、佐竹氏は細々ながら続きました。
 やがて源氏から北条執権政権となった鎌倉もほろびます。南北朝の抗争が始まります。このとき、佐竹氏は珍しく勝ち組につきました。足利尊氏の北朝に味方したのです。でも相変わらず戦闘には弱く、筋金入りの南朝びいき結城氏とたたかって、しばしば破れています。そもそも気合いが違います。でも北朝に味方したおかげで、室町時代を通じて、佐竹氏は常陸の守護職を確保します。
 しかし室町幕府もおとろえ、戦国時代となります。佐竹氏はなんとか戦国大名として生き残れたものの、相変わらず弱い。北条、上杉、伊達などという強豪大名にはさまれ、生き残れたのが不思議なくらいです。岩井の戦いでは北条氏に惨敗し、人取橋の戦いと窪田の戦いでは伊達政宗に木っ端みじんにやられています。こんなに弱くて、なぜ滅びなかったのか。戦国時代にもやっぱり家柄信仰があったとしか考えられません。
 そしてとどめは関ヶ原です。佐竹氏はまたも負け組の石田三成に味方し、しかも実戦に参加できないという情けないオマケ付きで、ついに常陸の国を奪われ、出羽(いまの秋田県)に国替えとなってしまいます。
 実はこのとき裏話があって、国替えに憤慨した佐竹の殿様は、茨城中の美女を総ざらえして秋田に連れていったため、その後茨城は岡山と並ぶぶさいく県となり果て、逆に秋田は美人県として知られるようになったのでした。これは秋田出身者から聞いたことなので、たぶん事実でしょう。
 このとき潰されず、国替えですんだのは、佐竹氏が源氏の家柄だという以外に理由がありません。徳川家康は源氏の嫡流を名乗り、征夷大将軍となりながら、先祖が名も知れぬ乞食坊主だったことにコンプレックスを抱いており、佐竹氏以外にも吉良氏、新田氏など、源氏の名家をとりたてています。
 そして最後は幕末。王政復古をかかげて徳川幕府を打倒した薩長新政府は、徳川氏擁護の東北諸藩と対立します。そのとき、新政府と対抗するため、会津藩が中心となって奥羽列藩同盟が結ばれました。新政府と最後まで戦った会津藩、長岡藩をはじめ、伊達藩、佐竹藩も参加しました。
 ところが緒戦で敗れると、佐竹藩はこの同盟をアッという間に裏切り、新政府側についてしまうのです。しかも昨日まで味方だった仙台藩士を虐殺するという卑劣さです。そのため奥羽諸藩の間では「裏切り者」と憎まれ、佐竹藩は会津や仙台の兵隊に何回もうち破られます。佐竹は、最後まで弱かったのです。
 こうした佐竹氏の歴史からわれわれは何を学ぶべきか。教訓はひとつです。「弱くても家柄があれば、なんとかなる」


8月21日(火)
 少年漫画や特撮ヒーロー物ではよく「強い奴のインフレ」が問題になる。キカイダーの怪人がクール毎に十倍の強さになったり、キン肉マンの超人強度が十倍単位で増えていったり、というやつだ。
 しかし強い奴がデフレを起こす場合もある。仮面ライダーの主人公などがそうだ。
 仮面ライダー一号、本郷猛は城南大学の研究者。なんとIQ600(笑)を誇る天才だ。ところが二号の一文字隼人は一介の新聞記者。おそらく推定IQは100から120といったところか。V3の風見志郎はたんに両親が殺されただけの大学生。IQ100くらいだろうか。Xの神啓介も沖縄の水産大学生。沖縄水産出身かもしれない。IQが100を超える可能性はあるまい。
 そしてこのIQ漸減傾向はアマゾンに至って頂点に達する。山本大介は野生児。IQは測定不能である。
 ストロンガーの城茂でやや持ち直すものの、彼もただの城南大学生。スカイライダーの筑波洋もただの城北大学生。ま、ふたりともIQ100といったところか。それにしてもこの二人の大学、大学野球とかで応援合戦していそうだ。殴り合いしたりして。
 スーパー1の沖一也で、久々に頭の良さそうな主人公が登場する。なにしろアメリカの国際宇宙開発研究所員だ。競争社会のアメリカで花形の宇宙開発にたずさわっているのだ。IQ200くらいはあるのではないだろうか。
 しかしそのあと、長い暗黒時代を迎える。
 ブラックの南光太郎は東星大学サッカー部員。被害妄想強そうだし、放浪ばっかで勉強してないし、IQ80くらいだろうか。
 クウガの五代雄介は自称冒険家のプー太郎。どう見ても頭が良さそうには見えない。ま、IQ50かな。アギトの津上翔一は記憶喪失だが、もともと記憶すべきものがなかったようにも見える。推定IQは30。このふたり、野生児という環境に同情すべきものがあるアマゾンを除くと、仮面ライダー史上最強といってもよかろう。
 ま、これ以上馬鹿な主人公にしてしまうと、子供にすら愛想を尽かされ、番組が成立しないと思うけど。


8月20日(月)
 天候不良のせいか台風のせいか、ここ一週間とても涼しいです。まだ八月というのに、こんなに秋の風情がするのは絶えてないことです。
 窓を開けていれば涼風がふきこんでくるので、エアコンを使う必要がありません。いごこちがいいので居間で寝ていたら、夜風に当たって風邪をひきました。
 自然とともに暮らすことすらできやしない。


8月17日(金)
 どうも今回の甲子園はレベルが低い。関西創価の野間口や姫路工の真田は不出場。仙台育英の芳賀は肩を痛めて並の投手となり、金足農の佐々木はいまひとつ。
 やはり阪神が三顧の礼を尽くして迎えるべき選手は寺原のみか。
 といってもなぜか、ここ十数年、阪神は三顧の礼を尽くすべき選手から逃げてばかりいるんですけどね。
 むこうから三顧の礼で「どうか阪神に入れてください」と頼んでくる選手ばかり入団させるのはいかがなものか。今年も小川とか田上とかでお茶を濁すつもりですか。赤星や沖原や吉野を何十人取ったって、それは脇役で、主軸には育ちませんよ。阪神のフロントって、恥を知ってますか。


8月15日(水)
 日曜日から月曜日まで、牛久とか行ってきました。その話を書いてたら長くなったので別ファイルにしました。
 気がつけば敗戦記念日。こんなことやっとってええんか。

 私が牛久に行っている隙をみはからって、小泉総理靖国参拝したそうですね。もう純ちゃんたら。
 しかしこれ、評判は悪いだろうなあ。右にも左にも。
 少なくとも、威勢がいいこと言ってればそれだけで喜んでいる、国民の一部の支持を失ったでしょうね。彼らは馬鹿とはいえ、80%のコイズミ支持のうち20%くらいを占めるでしょうから、馬鹿にはできません。


8月14日(火)
 「野球術」でみつけた名言。
「おまえらがお国のために死んだところで、戦争には勝てない。戦争に勝てるのは、おまえらが敵兵を、敵国のために死なせたときだ」
 いかにもアメリカらしい。


8月11日(土)
 G・F・ウィル「野球術」(文春文庫)をまだ読み始めたところだが、これは面白いかも。現役の選手・コーチ・監督の証言を数多くまじえていまの大リーグ野球を描こうとしている。
 野球の質では日本はアメリカに若干近づいてはいるものの、いまだにまったく足元にも及ばないのは喋りですね。なんで向こうの選手や監督は、あんなに名言が言えるんだろ。日本の「来た球を打ち返すだけっす」「明日も勝つっす」「メイクミラクルっす」などというたわごととは比べものにならない。これは選手がいいのか、スポーツ記者が優秀なのか。両方なんだろうね。
 元ロッテオリオンズ、当時アスレチックスコーチのラフィーバーの次の話などは、藪を彷彿とさせてとくに面白い。

「いるだろ、そういうピッチャーが。バッターのことをなにも知らずにのこのこ出てきて真っ直ぐを投げ、ガツンと一発食らうやつ。そういうピッチャーに限って、ベンチに戻って”いま打たれた球、なんだっけ?”なんて訊きやがる。そんなときピッチングコーチは答えるのさ。”おまえがいま投げた球だよ”って」

 もっとも、こんなピッチャーを登板させるピッチングコーチと監督も悪いのだが。


8月9日(木)
 今日のびっくり。
 ダディ・リプスコンプって実在するレスラーだったんだ、へー。
 いや、「ジャイアント台風」は愛読書ですが、てっきり梶原一騎お得意のフカシだとばかり思っていたもんで。それにしても「リプスコンプに麻薬を教えておとしいれたプロモーターの名ははっきりわかっているが、ここではその名をふせる」っていうフレーズ、梶原ファンにはたまらないハッタリ。

ダディ・リプスコンプ

 ううむ、再来年の大河ドラマは「宮本武蔵」か。これでまた痛いムサオタが増えるな。「バガボンド」でいいかげん増殖したばかりだというのに。


8月6日(月)
 リバイバル映画が流行る状況は、われわれが何も新しいものを作り出していないという現実を如実に反映しているわけで。
 ということで邦画は宮崎映画、洋画はスピルバーグの劣化コピーのような低水準の映画だけが興行収入だけ稼いでいる状況の中、アメリカでは「猿の惑星」、日本では「仮面の忍者赤影」がリメイクされるということで。
 新聞に載っていた「赤影」の監督インタビューを読みながら、おいおい陰惨でもなく暴力的でもない忍者映画っていったい何やねん、などとツッコミを入れたりしていたのですが、そういえば私、赤影のストーリーをよく知りませんでした。
 というわけで検索した結果判明したことは。
 ときは戦国末期、織田信長が天下布武への地固めを着々と進めていたころ。すでに信玄、謙信の両巨頭は亡く、信長の野望をさえぎる障害はもはやないと思われていた。ところが、金目教という邪教が信長の前に立ちはだかった。彼らは宗教による日本統一をもくろみ、その邪魔になる信長を暗殺せんと、おびただしい数の忍者を送り込んだ。信長の武将木下藤吉郎秀吉は、金目教の陰謀をうち砕くため、三人の忍者に仕事を依頼した。その三人こそ、赤影、青影、白影。はあ、みなさんご存じでしたか。
 これって、凄く史実に忠実な物語ですね。織田信長の天下統一を阻む最後の勢力は、たしかに宗教団体でした。いえ金目教ではなく、浄土真宗という宗教でしたが。当時は一向宗ともいっていました。親鸞を宗祖とするこの宗教団体は、戦国期に蓮如という天才が全国を組織し、大阪に本願寺をつくり、その実力は五百万石の戦国大名に匹敵する、とまでいわれていました。戦国チャンピオンの座をかけて争った織田・本願寺の争いは十年近く続きました。本願寺は紀州の根来や雑賀などの鉄砲衆、伊賀の忍者軍団も支配下に置き、織田信長にゲリラ戦を挑みました。根来の鉄砲撃ち、杉谷善住坊が織田信長を狙撃したが暗殺に失敗した話は有名です。
 そう、「仮面の忍者赤影」は、実は浄土真宗を危険なカルト教団扱いした、反浄土真宗映画だったのです。浄土真宗のカリカチュアを作り、それをオウムより危険で過激な団体として描いた作品なのです。
 はたして誰が、何の目的でそんな作品を作ったか。浄土真宗の評判を落として得をするのは何者か。もうおわかりですね。日本最大の仏教宗派、浄土真宗を蹴落し、取って代わろうとする勢力。それは創○学会。
 いっそのことリメイク版では逆にすれば良かったのになあ。信長=魔物、アンチキリストというのが最近の伝奇小説の定番だし。邪宗門キリスト教を日本に持ち込み、みずから日本法王になろうとする信長。それを阻止せんとする平和主義の仏教教団金目教と、その使者赤影、青影、白影。
 仮面の信者赤影。


8月5日(日)
 オクラがそろそろ賞味期限切れになりそうなので処分。オクラとシシトウを卵と炒めたが、ありきたりな味。どうも卵炒めやオムレツは上達しない。むかし中国人留学生の女性が作ってくれた、トマトと卵の炒め物が絶品だったので、よく作ってみるがどうもうまくいかない。ああいうものは手の動きの勝負なので、できない人はどうやったってできないのかもしれない。
 もうひとつ作ったオクラのスープはよかった。青菜やニラを味噌、小麦粉で和え、沸騰した出し汁に投じ、さらに小口切りのオクラを投じるだけだが、小麦粉とオクラのとろみがよく、澄ましとみそ汁の中間のような上品な味わいまたよし。

 深夜にBSでノスフェラトゥ連作を見る。ヘルツォーク監督の映画と、その元となった無声映画を並べて上映するという気の利いた企画。ヘルツォーク映画の方は見たはずなのだが、エンディングが記憶と違っていた。半基地外のレンフィールドの役を、奇想コント作家のロラン・トポルが演じていたこともはじめて知った。無声映画の方は……なにしろ、無声映画はチャップリンやキートンしか見たことがないので、どうも主演のジョナサン・ハーカーがキートンに見えてしまい、なにか面白いギャグが出てきそうな気がしてならず、違和感いわいわでした。でも、ジョナサン・ハーカー=バスター・キートン、ノスフェラトゥ=ハリー・ラングトン、ヘルシング教授=グルーチョ・マルクス、レンフィールド=ハーポ・マルクスという豪華キャストも……この話、昔どこかに書いたおぼえがあるな。
 ふたつ並べてみると、元の無声映画を、ストーリーのみならず俳優の風貌やちょっとしたカットまでヘルツォークが真似しているのがよくわかって微笑ましい。というか、真似したためにかえって意味不明になってしまったシーンも多いんだね。最初の夜食のシーンとか。


8月4日(土)
 秋田在住のあいばさんが東京に来るというので、会いに行った。
 九時に目黒の駅で待っていると、青いシャツにねじり鉢巻きの巨漢が来訪。トラック野郎のような風体だが、それがあいばさんだった。トラックでなく、バンで秋田からやってきたという。今日行くところはすべて駅からやや離れていたので、これがとても役に立った。大坪五郎さんも参加。
 まず寄生虫館へ。入り口で妙なご婦人を見た。若いかなりの美人なのだが、いそいそ、という言葉がぴったり来るほど嬉しそうに寄生虫館の階段をのぼり、あまりに嬉しすぎてハイヒールを脱ぎ落としてしまっていたのだ。何が彼女をそうさせたか不明だが、これについてはあいばさんが近く「寄生虫館の美女」(仮題)をアップする予定なので待て。
 寄生虫館は瀟洒なビルの一階と二階にある。間借りしているのかと思ったが、これは全部寄生虫ビルで、三階以上は研究室・資料室となっている。びっくり。
 展示内容についてはあえて触れないが、「ソーメンやきしめんが食べられなくなる」というより、むしろ私は刺身定食が食えなくなった。
 それから東京タワーへ。実は最上階まで上がるのははじめてである。エレベーターの窓から鉄骨越しに下の風景が見える。鉄骨の遠近法により高度が実感できる。なかなかスリリング。最上階が狭いのも、この空間だけが虚空二百五十メートルに浮いているのだ、と実感できる。消火器や消火バケツが設置されていたり、非常用の出口が外に向かって開いているのもナイス。私だったら、この窓から外に出るよりは焼け死ぬ方をえらぶ。
 東京タワーの下もすばらしい。蝋人形館は周知(いちおう記念撮影)だが、その外にある奇妙なオブジェ(超人バロムワンの怪人図鑑、宮崎美子の「今の君はピカピカに光って」フィギュアなどを組み合わせている)の意味不明さもよろしい。さらにその下の土産物屋はキッチュ。「根性」の東京タワー土産がいまだ健在なのを確認できて嬉しかった。
 品川で砕天さんと合流し、レインボーブリッジを渡って科学未来館へ。ここはちょっと時間が合わず、ロボットPINOの実演が見られなかったのは残念。最初に三階で実演時間を確認してから他の展示を見ることをおすすめする。
 夜ははたぼうさん達と合流し、銀座のビアガーデンでお月見。徳田さんがじゃばこのコスプレで、あぃさんが薔薇の花を口にくわえて登場してくれたので感動。食い放題のバーベキューは美味しかったが、火力が強すぎて三分も経つとすべてが炭になる。
 そのあとカラオケに行くが、酔っぱらってカラオケに行くもんじゃない、と数十回目の後悔。


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