新日本ジョーク・改

 新日本プロレスでサイモンがレスラーを集めて質問をした。
「適当な条件下で、大きさが倍になるものを挙げてください。そのときの条件も言ってください」
 中邑は答えた。
「筋肉です。アメリカでステロイドを飲んでトレーニングしたら発達します」
 永田は答えた。
「技の数です。知らないレスラーと試合したら、そいつの技をぜんぶパクリます」
 中西は答えた。
「ワイの人気やな。高視聴率番組の人生相談レギュラーで、若者のハートをガッチリ捉えたで」
「みなさん、いいところをついてますね。ただしみなさんにひとつづつ言いたいことがあります」
 と、サイモンは言った。
「中邑さん、休むんじゃなく、試合をやりながら鍛えなさい」
「永田さん、数を増やすのはいいですが質も大切にしてください」
「中西さん、視聴者はみんな、ヘンなオッサンとしか思っていないですよ」
 そしてサイモンは続けた。
「正解は新日本の業績です。ようやく客入りも持ち直したので、これからは上がる一方です」
 レスラーたちはいっせいに叫んだ。
「サイモンさん、倍になるなんて思っていたら、来月にでも本当にがっかりする日が来ます」


 ノアの三沢社長は、プロレス団体の統一連盟、GPWAの第1回興行の準備に忙しかった。
 そこへ百田副社長がやってきた。
「社長、GWPA興行と同日に、近くの会場で、新日本プロレスも大会を開催するという情報があります」
「ううむ、興行戦争を仕掛けてきたか。よし、雅央と彰俊をGPWAに送りこんで、テコ入れしよう」
 さらに仲田取締役が駆けこんできた。
「社長、新日本が対抗してきたというのは間違いで、新日本はGPWAに参加して、選手も出場させると言ってきました」
「なんだって! ……やむを得まい、こうなったら丸藤とKENTAとムシキングと森嶋と力皇と志賀を出すしかないな。高山とみのるも呼べ。もちろん私も出ねばなるまい。なんとか小橋が間に合わないものか」


 サイモン社長は武道館の新日本プロレス大会を視察にでかけた。
 ぎっしり満員の観客。そのほとんどが総立ちで、選手に声援を送ったり足を踏み鳴らしたりしている。
「すばらしい人気だ。やはりわが新日本プロレスは、すっかり立ち直ったのだ」
 サイモンはすっかり満足した。
 ところが、会場の片隅の、ごく一角の数人の観客だけは、座ったまま不機嫌そうな顔で、たこ焼きを食べたり携帯をいじったりしている。気になったサイモンはその客に、なぜ他の客のように立ち上がって応援しないのか聞いてみた。
「俺たちは自分の金でチケットを買った客で、あいつらみたいに雇われてるわけじゃないんでね」


 新日本プロレスのバングラディシュ興行が開催された。
 プロレスなど見るのが初めての観客なのでどうなるかと案じていたが、意外にも満員の観客は大熱狂。棚橋がスリングブレイドを繰り出すと「ムンガ!」といっせいに叫ぶ。永田がサンダーデスキックを出すとこれにも「ムンガ!」の大合唱。中西がアルゼンチンで担ぎ上げると、興奮した観客は「ムンガ!ムンガ!ムンガ!」と叫び続けるのだった。
 興行は終わり、すっかり気をよくした新日本のレスラーたちは、国際空港への道をホテルの支配人に聞いた。
「ああ、空港はすぐ近くですから、歩いて行けますよ。でも、ここは犬がやたらにいるから、犬のムンガを踏まないように気をつけてくださいね」


 ドイツのゼークト将軍は言った。
「怠け者で利口者は司令官にせよ。部下に仕事をやらせるのが上手だからな。
 勤勉な利口者は参謀にせよ。仕事をそつなくこなすからな。
 怠け者の馬鹿は伝令でもやらせておけ。言われたことだけをやり、余計なことはしないからな。
 勤勉な馬鹿……そいつは銃殺だ」
 新日本のサイモン社長は言った。
「怠け者で利口者は格闘技に転向してしまった。勤勉な利口者は別の団体に行ってしまった。怠け者の馬鹿はいまウチの団体で試合をしている。そして勤勉な馬鹿は、せっせとウチの試合を見に来てくれる」


 プロレス記者が各団体のレスラーにインタビューした。
「プロレスは衰退したと言われていますが、どう思いますか?」
 ノアのレスラーは答えた。「衰退って何のことですか?」
 新日本のレスラーは答えた。「プロレスって何のことですか?」


 プロレスの大会にDDTが参加してることは、どうやってわかるか?
 猫が試合に出てくる。
 では、ドラゴンゲートが参加していることは?
 その猫に声援が送られる。
 では、大日本が参加していることは?
 その猫が血まみれになる。
 では、新日本が参加していることは?
 その猫が勝つ。


 半分くらい客が入った武道館を見て。
 ノアのレスラー「俺の力不足のためにお客さんをこれだけしか集められなかった。もっといい試合をしなきゃ」
 ゼロワンのレスラー「広い武道館をこんなに埋められたなんて、たいしたもんだな」
 ドラゴンゲートのレスラー「女の子へのアピールが足りなかったかな。会場がオッサンっぽいんだよね」
 新日本のレスラー「なんやこれっぽっちか。力も入らへんから、さっさと試合終わらせて帰ろっと」
 大日本のレスラー「どうせもう借りられないから、ムチャクチャやって天井の日の丸の旗、燃やしちゃる」
 ビッグマウスのレスラー「さて、夜逃げ用のトラック、レンタルしなきゃ」
 DDTのレスラー「あややもそろそろ落ち目なのかなあ」


 ノアの丸藤選手と新日本の中邑選手がアメリカで偶然出会った。
中邑選手「やあ丸藤くん、アメリカのあちこちで試合しているそうだね。だけど観客 は君を見て、日本じゃプロレスが人気がなくて、食べるものもろくに食べられないか ら、あんなに小さく細っこいレスラーしか育たないと思うんじゃないかな」
丸藤選手「中邑さん、もしあなたがアメリカで試合をしてたら、その原因はあなただ と観客は信じるでしょうね」


 ある新日本プロレス社員に尋ねた。
「新日本プロレスじゃ社員が、プロレスファンサイトや他団体の公式サイトに誹謗中傷や罵倒の書き込みをして荒らしているそうだな」
「とんでもない、悪質なデマだ!」
「君は今週、どのくらい悪質なデマを書き込んだ?」


 新日本プロレスの社員とソニーの社員との会話。
「われわれは今こそ協力すべきだと思う。たとえば、イノキゲノムのチケットつきPS3の発売だ」
「なるほど、そうすれば23万8千円で売り出すことができるな。だけど、イノキゲノムはいつ開催するんだ?」
「えっ? PS3って、発売するつもりなのか?」


 ある日サイモンは神に呼ばれ、天国へ行った。
 神は言った。
「もう人類には愛想が尽きた。もう世界を滅ぼしてしまう」
 サイモンは下界に戻り、蝶野に言った。
「いい知らせと、もっといい知らせがある。
 いい知らせは、神が実在すること。
 もっといい知らせは、まもなくノアがつぶれることだ」
 蝶野はレスラーを集めて言った。
「いい知らせと悪い知らせがある。
 いい知らせは、サイモンが天国に行ったこと。
 悪い知らせは、サイモンが戻ってきたことだ」


 おとぎ話とイノキゲノムはどこが違うか?
 おとぎ話は「むかし、むかし」で始まる。
 イノキゲノムは「いつか、そのうち」で終わる。


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