過去の記憶はあってもその意味付けが変われば それはこの話で問題になってる観点からは同一人物でない。 つまり、たとえば、変節した人物に対して昔と同じように笑い掛けることはない、 という位の意味で、昔の人物と現在の人物は別物として扱われる。 ま、でも。きっと記憶があるというだけで同一視する扱いになるんだろーな。
「わたし、ケロちゃんやユエさんのこと、クロウさんに負けないくらい大好きだけど、 でも、.... それでも、わたし、クロウさんじゃない」同一視しなくていいのが自明なのに齟齬がおきるんだから、 同一視したい、と思うところがあるはずで、だから、 同一視しなくていいのが「自明」の範疇なら 反論可能なのは「同一視したいと思うほう」なので、問題として扱うべきはこちら側。 つまり、どーしてさくらはクロウだといいのか、というあたりを さくらに語らせるのがふつーの手順、
「わたし(クロウ)になる必要はない、あなたの時間をせいいっぱい生きなさい ──」とクロウが言うだけではまだ半分しか語っておらず、 「ケロやユエ、カードもまたクロウと同じくらいかそれ以上にさくらのことが好きなのだから」 というあたりまでいってようやく論理も感情も落ち着く ... んだと思うけど、 ユエがクロウの前では穏やかに微笑んでることが問題なんで、 慕われてる側のクロウが説得できることじゃないことではあるか。
さくらの感情が納得すればいいわけで、 それはもちろん合理的な根拠を持つ必要はないんだけど、 でもやっぱり少し裏打ちが弱いな。自信なくしかけてるとこで 「クロウになる必要はない/あんたはあんたのままが正しい」 とか言われたって納得してやる必要はない ── 納得してやっても問題ないといえば無いんで、所詮は気分の問題だけど、 この程度で抑え込める感情なら、ンなもん悔し涙を流すに値しないと思う。