粗筋
スキー教室二日目。そこそこ滑べれるようになってきたさくらは
エリオルと二人で中級コースに向かい、そこで吹雪に遭う ──
概観
シメで僅かに画竜点睛を欠いた感があるけど、前回より良い出来でした。
ネタの集約していく方向を定めつつ密度の濃い人物描写まぜて、
中盤に置く小品としては正しい在り方。
エリオルの力の描写
画竜点睛を欠いた ... というのは
さくらがタイム発動からファイアリーを起動しそこねた時のエリオルの描写不足。
タイムはエリオルを止めるためのものであるにもかかわらず、
その中でもエリオルが動けてしまうことをもすこし早めに
エリオルがさくらの発想に感心するなりなんなりするシーンを挟んで
明示して欲しかったのと、
ファイアリー起動失敗後にエリオルが吹雪を止めるところでスロー回しで消すのでなく、
しゃきっと一発で止めて欲しかった。
... つまり、さくらとエリオルの能力の差ということと、
一見どれほどさくらが危険に陥ったようにみえても即座にそれをキャンセルするだけの
保険がかかっていることをここで示しておいて欲しかった。
前回の佐々木利佳、今回のさくらと命の危険にさらされるレベルのゲームが続いていて、
これが完全にエリオルの支配下にあることを明示するだけの力の差、というものを
示しておくとこだと思う。
エリオルが自分の魔法を中断するのに一定の時間を必要とするのでは
ぎりぎりまでエリオルは待つことができなくなる。
それはエリオルのゲームとして方針がすこしおかしいので。
それと、話のまとめかたとして、
タイム〜ファイアリーという大駒を起動しにいって失敗したさくらに対して
それが自分の予測した範囲内だったのか範囲外だったのかの
エリオルのコメントが欲しい ──
「少しやりすぎてしまいましたか? (私がここにいなければよかったのでしょうが)」
とか。
エリオル視点のエリオル主役で話が出来てるので、
エリオルの切れ味を示さないと話としてだらける。
「僕が苦手なのは
あなたを悲しませることなのですが、もうしばらくは仕方ありません ...」
というのは悪くはないけど終わり方として少しハズしたと思う。
スキーの描写
これだけ綺麗に動かしてるとそろそろ余力はないのかもしんないが ...
エリオルが 10 年位前の抜重/加重のはっきりしたスタイル、
小狼が体重を前に乗せた攻め手一方のスタイル、とか細かい使い分けがあると
芸が効いるんだけどぉと思いながら
何の芸もなしに同じスタイルでエリオル、小狼、さくらが滑べってるのを見ていた ...
けっこうアップでフォームがばっちり映る角度でカメラが動いてんだもん。もったいない。
それと、ようやく初級を(一夜漬けで)卒業したばっかの奴が
雪がふりかけの中級に向かってはいけません。
それは危ないです。
下りのリフトに乗るというエリオルの判断は正しいんだけど、
状況の作り方がエゲつないなあ。
状況的にさくらの悲鳴で雪崩が起きた格好なんだけど、... いいのかそれって。
知世
それにしても、パーペキに話から追い出されるようになってしまいましたな > 知世。
「先生に教わって 1 時間くらいですのにすごいですわ」ってのをこう目をキラキラさせて
語られると説得力皆無なんですが
... 事実だけで十分に語らせられるトコなのに、そんなちゃかした描写にしなくても。
さくらに驚いて心臓がハネあがる小狼の描写といい、すこし要らん描写がある。
山崎とエリオルのコンビ
... こいつらわざとかい。
その必要はないとこだから、エリオルのこれって地なんですな。
エリオルの雪女の話に、「全体が日本的だね」って、
山崎君の嘘八百はつまるところ読書量のたまものですか。
今回、この一言
「好きなのは ───」
「ごめんね! 私なんかが聞いちゃ、だめだよねっ」
脇筋のネタ押え的なトコにすぎないけれど、体当り一発なシーンに力負けしました (^^;
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