『カードキャプター さくら』 #25 の感想

(Last updated: Oct. 10, 1999)

粗筋
さくらが雪兎や桃矢と楽しく過ごしていた日。 ミラーのカードはさくらに化けて街で色々悪戯していた。 翌日、桃矢を崖から転落させることにも成功するが、 妹でないと知りつつ崖から落ちてなお敵意をもたぬ桃矢に心を入れ替え、 その場にかけつけたさくらにミラーは自分の封印のヒントを教えた ──
概観
どうみても主筋は桃矢とミラーの心の動きなので粗筋上の主役はミラーのカードになっている。 ミラーは桃矢とはいちおう口きいてるんで、喋れないという訳ではない。 さくらとも一言二言、言葉をかわしてるし。でもヒントを口で言うと物語をブチ壊しにするから、 めいっぱい寡黙にしてあるセンスは上手かった。

封印に手間取るさくらに、さくらと合わせた動きをしてみせたシーンにもっていく流れは最高で、 これまでの『CC さくら』の中でも歴代 1, 2 位を争う出来... とみえるんだけども 敵に回して首位を争うは「さくらと桃矢とシンデレラ」、「さくらとやさしいお父さん」 ときたもんでトップは難しいか。

さくらの描写がステレオタイプ的、ケロベロスも単なる解説役になっているが 完全に脇役に回ってるのでその辺はどうでもよろしい。

コミュニケーション
感想で指摘してるそばからカードとさくらの会話が成立した話が出て来ている ...
抵抗する様子もないのにウインディ、ウオーティを連発するってとこが従来 カードとネゴが成立しなかったなごりだとして、 これ以降、ちゃんとカードの事情も考えながら動くようになってくれるといいな。

ミラーの描写
ミラーの思考過程の描写の奥行きにやや物足りなさがあるか ... と他人(演出家)のせいにしているが、 どうにも文房具屋で悪戯する直前でウインドウからみせた表情が読みきれない。
羨ましいのか寂しいのか、面白いものを見つけたのか、ついでにやっとこうなのか。

翌日にレストランの前の植え込みをくしゃくしゃにするとか子供の砂遊びを邪魔するあたりは すでに「かわいい」の一言ですむ次元(= 子供の悪戯だな、こりゃ)の話になってるけど。

つかえるケロベロスとつかえんケロベロス
クロウカードの占い法を教えるあたりは珍しく有用な補佐だが、 「自分に魔力があれば...」 と(急場で意味のない)愚痴るあたり、しょーもない奴である。
今回、この一言
「あのな ... ちゃんと、落しもの探すから、さくらの姿でいるの勘弁してくれねぇか」
ぜんぶ準備が終わったあとで「美容院とかでちゃんと...」とボケる雪兎も なんともいえんかったし、「幽霊」といいかけて「よくないもの」と言い直すケロベロスも 良い味だしとったが、やはり主筋から選ぶ。


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