寺泊紀行 2006/8
     
 
     
寺泊紀行といっても、毎年帰省する長岡から車で一時間ほどの港町で、特別な場所とはいえません。
しかも平成の町村合併で与板町から寺泊までみんな長岡市に合併してしまい、「市内」の町になってしまいました。今さらどうか、とは思いつつ、やはり気になる町なので出かけてきました。
宿泊先は町内目抜き通り「魚のアメ横」の真ん中に位置する宿屋「田甚」です。
◆地図をご覧いただけばわかるように、長岡市内から寺泊へはほぼ一本道です。とはいえ、この長岡-寺泊線は細くて変化に富んだ複雑な道なので、走り抜けるのはそう簡単ではありません。
与板町の中心街を抜けるときには雪よけの屋根付き歩道の軒をかすめて走りますし、信濃川堤防を走るときには対向車におびえながら高速でふっとばします。寺泊駅から港へ抜ける峠道はかなりの山道でもあります。
そういうわけで、たっぷり一時間ドライブを楽しんで日本海が見える海岸通りにつきました。
     
 
     
  ◆田甚は段差のある二本の道の間に作られた店で、正式の入り口は陸側の高い方の道にあります。(写真右)しかし、今はそこは物置になっていて、勝手口しか開いていません。客は海側の駐車場を通って、狭い入り口を入ります。この日、駐車場は車でびっしりでした。仕方なく、うちのカローラは50メートルほど離れた第二駐車場に停車しました。
重なり合うように並んだ車たちは、うまく順番に出て行けるのか気になります。
     
 
     
  ◆上の図の赤いところが田甚で、目の前がみなと公園、中央海水浴場、魚のアメ横です。たしかにロケーションはいいところです。水着にバスタオルをひっかけた女の子たちが海から直接玄関を出入りしていました。
また、寺泊というくらいで寺社が多く、陸側正式入り口の目の前には法福寺の長い急な階段があります。佐渡に流された日蓮の関係史跡が多いようです。
     
 
     
  ◆問題は坂道に作られた店なので、急な階段の間に複雑に入り組んだ部屋があることです。この風景はまるでRPGのダンジョン。ついたばかりの私に「風呂はどこですか?」と聞いた若い客がいました。
右の写真奥に私たちの部屋があります。ドアの手前にとってつけたような洗面所があり、間違って水をこぼせば下にいる客にかかってしまいそうです。おまけに通路との間には障子紙一枚しかなく、遅くまで騒音が響きました。
     
  ◆部屋からの眺めは、なんというのか、ルーフビュー(笑)。
向こう側が海のようですが、まさか屋根を登るわけにも行きません。
     
  ◆窓を開け放せば潮の香りがします。しかしこの日は蒸し暑く、熱気が入り込むばかり。最初は蚊取り線香をたいて自然温度で耐えていましたが、寝る前には冷房を入れました。
     
  ◆夕食の膳は品数はかなり多いのです。しかし、どれも冷たい。前日泊まった「長岡温泉湯元館」の焼きたて・揚げたて・作りたてのうまさにはとうていかないません。期待した刺身類もあまり新鮮な味がしません。どれもこれも作り置きの硬く味気ない料理ばかりです。
これで「元は料亭だった」というのは看板に偽りあるのでは、という気がしました。
     
  ◆温泉にも入り、浴衣に着替えて夕涼みに出ます。すると陸側正式入り口の前で夜店が出ていました。法福寺の縁日のようです。
売っているものは野菜や野菜の種などで、金魚すくいやタコヤキの店もありました。昔はもっとたくさんの屋台が出る大きな縁日だったそうです。
     
  ◆夜店のわくわくするようなにぎわいはなく、なんとなく物悲しい、さびしい風景です。でもこんなわびしさも旅の風情かもしれません。こんなささやかな夜店でも、子どもたちはアイスキャンデーをなめながらスキップして楽しそうでした。
     
  ◆通行止めの看板とパイロンの並んだ夜店の外れ。ここまで50メートルくらいのものでしょう。
小さくてもいいから、この先もずっと続いてほしい縁日です。
     
  ◆夜が明けて、陸側入り口から夜店のあった方向とは反対方向に散歩します。いくつか店があります。でも、これで営業しているの?ととまどう店もあります。この靴屋はどうなんだろう・・・
カーテンくらい開けないと開店しているとはいえないようです。
     
  ◆こちらの雑貨屋は営業しているようです。懐かしさに思わず涙が出そうな昔風の店です。私の田舎にも、もうこんな店はありません。個人商店はほとんど壊滅し、スーパーだけが営業しているのです。町の経済を支えてきたこんな店が本当は残ってほしいものです。
     
  ◆海側の道へ続く坂道。
ここはわりあいなだらかで、長く続いています。車が通らないので鉢植えの花がのんびり咲いていたり、猫が昼ねしてたりします。
     
  ◆陸側道路のはずれ。この先下って、野積大橋で海側道路と合流します。奥に見えるのが弥彦山かな?
     
  ◆田甚の海側道路出口を出て、北東方向に20メートルほど進むと分岐点に来ます。左に曲がると港・みなと公園・海水浴場へ、そのまま進むと魚のアメ横です。
正面に見えているのは魚カンケイ以外の市場・土産物店で、海の家をかねているものもありました。
     
  ◆正面の市場へ来ました。行列が出来ているのは農協の直売所です。ここでは野菜の朝市が開かれていて、かなり安いようです。地元の人たちがこぞって買い物に来ています。
しかしにぎわっているのはここだけで、ほかはほとんど客もまばら。
     
  ◆一番手前にある民芸ショップをのぞきますが、たいしたものはなかったようです。
     
  ◆農協直売の売り場を覗いてみます。でも、ここで野菜を買ってお土産にするわけにはいきません。おばさんたちはカゴにいっぱいの野菜を詰めて売り場に並んでいます。
     
  ◆正面市場を通り抜け、海水浴場へ向かいます。この日も朝から日差しがまぶしく、砂浜には膨大な量の紫外線があふれています。週末ということもあり、早い時間からかなりの人出です。
     
  ◆ビーチパラソルにテント、水着で甲羅干しの女性たち、それなりに海水浴気分満点のビーチですが、砂の色が黒っぽいのがなんとなくスッキリしません。工業地帯があるわけでもないのに、白い砂にならないのはどうしてなのでしょう?
     
  ◆岸辺に立ってかみさんは「海に入る」と言い出しました。物好きですねえ。
そういえば、ガラパゴスでも沖縄でもすぐ「ちょっと入る」と言い出しまして、私としては「好きにすれば」と言うしかないのでした。
     
  ◆遠浅の海に入るかみさん。水は生ぬるく、ヒジキのような海草が浮いていて気持ち悪かったそうです。たしかに見ていても快適そうには思えません。同じ日本海でも、若狭湾や柿崎海水浴場の海はもっと綺麗で、さわやかな感じだったのにどうして寺泊は?・・・と思ったりします。
     
  ◆海はスッキリしなくても子どもたちは楽しそうです。これだけ遠浅だと溺れる子もめったにいないでしょう。
     
  ◆いよいよ「魚のアメ横」に乗り込みます。道路には不法駐車の車が並んでいたり、交通整理のガードマンが歩行者をにらんでいたり、けっこうにぎわっています。
     
  ◆軒を並べる店で売っているのは海産物と干物・缶詰・瓶詰め類で、ほかに揚げ物・惣菜・屋台モノなどもあります。客も様々で、スキンヘッドの怪しいオヤジもいました。
     
  ◆品揃えはまあまあというところ。札幌場外市場や稚内の北の市場に比べても遜色はないようです。しかし、こちらがエビカニ類にアレルギーが出てしまって、それらに関心が薄れるとこういう市場全体への関心もなくなってしまっていることが問題でした。
     
  ◆佃煮類をながめながら「どうしようかなあ」
土産にするのか自宅用か、送り先の好みはどうなのか、悩むところです。
     
  ◆悩んだ挙句、かみさんは「鮭の昆布巻」「鰊の昆布巻」を買いました。
     
  ◆あまり関心のなくなっている私ですが、珍しい「ドラギス」があったので記念写真を撮りました。買わなくてゴメンね。
     
 
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