モバイルギター二号改造(ダブルアンプ搭載)
     
2013/11/12
 
         
  アンプ内蔵の手作りギター二号を改造して、出力15ワットの本格的モバイルギターにバージョンアップしました。
計画は去年からあって、一号を改造してからすぐに手を付ける予定だったものが延び延びになって今月になったのでした。一号の改造記録を作っていないので(怠慢) 今回はパス出来ません。テキストもツイッターに書いてあるのですぐ出来て、それでも何やかやとトラブりながらアップしました。
 
         
    今回の目玉はアイワのセパレートコンポに使われていた15ワットのスピーカー。音量だけでなく、音質が大きく変わり豊かな低音が期待できる。

実効径10センチだが固定フレームが大きくて12センチ以上ある。これを取り付けるのにボディサイズがやたら大きくなってしまった。ステーも無駄に多くて8本もある。これをノコギリで苦労して切断。最終的に前1本後2本の計3本だけ残した。
 
         
  ステーを含むスピーカーの磁石部分を入れる穴を中心に、ボディのカッティングラインを決める。最初はステーを4本残す計画だったので長方形の穴だった。しかし一部が狭くなりすぎ、不安になったので本番ではさらに1本削って上前方の穴の角を取り、強度も増した(はず)。
スピーカーは幅だけでなく高さもかなりあるのでボディの裏にカバーを付ける予定だが、仮組するまでサイズが決まらずこの段階では考えないことにする。
 
 
         
 
  こちらはアマゾンで購入したアナログアンプ。フリーハンドマイクでアナウンス用に使われるものだ。価格は5000円だがパワーはかなりのもので、デジタルでないのが残念。使われているスピーカーは15ワット対応だが有効径は5センチしかなく音質は期待できない。これを解体してアンプだけ使う。

解体は簡単で、ネジを四本外すだけ。裏ぶたを取ってスピーカーからの端子を引き抜けばおしまい。あとは両面テープで固定された蓄電池をひっぱがす。
 
         
  ここで一度、デジタルアンプとアナログアンプを繋いで音出ししてみる。写真は最終段階のもので、デジタルアンプから以前0.8ワットスピーカーにつながっていたラインを剥がし、入力用プラグに繋ぐ。ライン同士をハンダ付けし、ガムテープで巻く。この工程は15ワットスピーカーにアナログアンプへの接続端子を結ぶ際にも適用する。組立の過程で過酷に扱われるので外れる危険を少しでも小さくしたいからだ。

こうして繋いだ二つのアンプに電源を入れ、ピックアップを刺激するとゴリゴリと音が出た。まずはOK。(スピーカーはピックアップを取り付けるスペースを確保するために外枠をカットした。一画でよかったのに方向を間違えて二画削った)
 
 
         
 
  11月7日、畑に出る予定が雨だったのでいよいよ本格的にモバイルギター改造に取り組む。板材を縁側に持ち出し、大小二種類のノコギリを使ってボディを切り出した。
木目を横に切るのは楽だが、縦に切るのは難しい。ノコギリがうまく引けない。それでも15分くらいでボディは出来た。
 
         
  穴を開ける作業はもっと大変で、ジグソー(曲面切断鋸)を持っていない私はひたすらドリルに頼るしかない。ラインに沿って目いっぱいの穴を開け、そこに糸鋸を差し込んで切る。後に残る凸凹はミニノコギリで切り取る。それから棒ヤスリで削って大雑把に形を整える。見えない部分なのでこれで充分。  
 
         
 
  ネックとボディを仮止めしてみる。多少傾いてもブリッジを取り付ける時に調整できるが、直線でつながっているほうがマシなのは当然だ。
さらにスピーカーを穴に入れて位置を確かめる。予想よりも下になってしまうので穴を削って上にずらすことにする。やはりスピーカーは大きく、ネック側にピックアップ、ボトム側にブリッジを付けると表側はもう目いっぱいだ。
 
         
  ブリッジが乗る板、上下の支え板を仮止めし、表板のサイズを決める。一度四角に切り出し、指板の下にもぐる部分をカットした。そのあとスピーカーとピックアップの穴を位置決めする。スピーカー有効径の10センチサイズの穴と、細長いピックアップの穴、その両端にネジ穴を開ける。  
 
         
 
  円形にそってドリルで穴を開け、糸鋸で切っていく。あとから百円ショップに行ったらもっと細くて使いやすい鋸があった。こういう作業は道具の良しあしが物をいうのだが、ありもので何とかしようとする精神だけはかってほしい。  
         
 

翌朝、濡れ縁にパーツを並べて塗装する。残り物の銀スプレーで下地を吹く。これで一晩置くのがセオリーだが、晴れてきたので半日でもよかろうと思う。しかしこれは失敗だった。

 
 
         
 
  夕方に赤のスプレーを吹く。しかし下地の銀と混じってまだらになってしまった。低温なので乾燥に時間がかかるのだ。翌朝に再度赤を吹き、夕方にクリアを吹いた。ボディはひっくり返して裏面にも吹いた。
目立つのは表板だけなので、他は多少手抜きでもかまわないのだ。裏面などは誰も見ないのだからどーでもいい。(爆)
 
         
  スピーカーを穴に収めて表板を置いてみるとかなりずれている。穴に合わせるにはボディ部分の穴を広げるしかない。これは室内に新聞紙を敷いて彫刻刀で削った。こういう調整には彫刻刀が役に立つ。
もちろん設計図段階でちゃんとサイズを測っておけばこんな作業はいらないのだが、あいにくそんな精密な脳味噌の持ち合わせがないのだから仕方がない。(もっともそんな頭脳があったら「なんとかなるだろう」とアバウトに考えて始めてしまうことが出来ないので、永久に出来上がらないかもしれない)
 
 
         
 
  スピーカーのフレームに穴を開け、ネジ釘で仮止めしてボディに嵌めてみる。多少ずれているが我慢できるレベルだ。これで行くことにする。
表板は二号機よりも分厚く、上下の支え木も長いので剛性はなかなかのものだ。その分硬くて一度押し込むと取り外しにくい。
 
         
  いったん仮止めを外し、スピーカーの穴に化粧布を張る。これは百円ショップで買ってきたタブレット用ソフトケースのメッシュの部分を切り取り、二号機に使っていたマーシャルの飾り文字をくっつけたもの。この黒赤に白文字というのはシックでよいなあと自己満足。
さらにピックアップも取り付けてみる。ちょっと引っかかったがなんとか押し込んだ。今回はスペーサーを使わずに取り付けられそうだ。
 
 
         
 
  ピックアップと一体になっているデジタルアンプを取り付ける。ずいぶん昔に買っておいたL字金具を手でひん曲げて平らに伸ばし、フラットステーにする。これを二本使ってボディの上に乗せる。前は針金だったので格段に強度は増した。ただ、ボディの角を化粧断ちしたのは失敗だった。おかげでケースが斜めになってしまった。
9ボルト角形電池とスピーカーケーブルを裏面に出す。DCアダプタ端子が表に残り、これが悩みの種となった。
 
         
  裏面に出たスピーカーの磁石部分を測定し、裏箱のサイズを決める。箱の底蓋は二号機の表板で代用(穴もあるので)、裏箱の蓋にアナログアンプを取り付ける。角形電池と蓄電池を箱にガムテープで停める。あとはスピーカーからのコードとピックアップからのコードをジャックに差し込むだけだ。
 
 
         
   
ここで電源を入れてみるとデジタルアンプのランプが点かず青くなる。表板を開けてみるとACアダプタ端子のラインが取れていた。表板の間に強引に押し込んだのでハンダが取れてしまったのだ。これを付け直して音が出ることを確認。一本だけでよかった。
いよいよ最終コーナーに来た。ブリッジを固定し、弦を張ったらおしまいだ。この三日間、夢中でやってきたので終わってしまう寂しさがじわっと来る。

 
         
 
しかし予想通り、ブリッジが高すぎるので表板を削らなければならない。この作業に2時間以上かかる。ストラトのブリッジなので幅が広く、削る面積が大きいのだ。テレキャスのブリッジだったら楽なのに、と泣きが入る。削りすぎても困るので適当な深さで打ち止めし、汚れを拭く。
ブリッジを取り付け、ピックアップの高さも調節し、準備は整った。
   
         
   
弦張り作業も大変。裏箱を大きくしすぎたので真下に穴を開けられず、斜めに開けたら弦を通せなくなったのだ。ボディ・表板・ブリッジの三か所を通すのにどえらい苦労をした。
なにはともあれ、改造二号機が出来上がった。最初は弦のテンション緩めで弾いてみる。・・・音が出ない。スピーカーとアナログアンプの接触不良だ。裏蓋を開けて端子を差し込み直ししてみる。ようやく音が出た。
元の重量からは500グラムくらい重くなり、1,5キロくらいになった。かろうじてモバイルギターの範疇だろう。
 
         
 
いよいよ試奏してみる。音量はかなり大きく、オーバードライブにするとフルボリュームでは弾けないくらいだ。ただ、期待していたほど低音が出ていない。腹に響くような低音にはまだスピーカーの口径が足りないらしい。その代わりに中音・高音が綺麗だ。これで街頭演奏が出来るかどうか、楽しみだ。
 
 
         
 
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