質問9 「アニーよ銃をとれ」が全作品リストに載っていないのは何故?

 わたしは立教大学グリークラブの OB です。確か1988年 (そのとき自分は中学生でしたが) に、立教グリーの女声が、木下さんに「アニーよ銃を取れ」の合唱アレンジをお願いし、北村協一先生の指揮で演出を付けて演奏したと聞き及んでおります。これが全作品リストに載っていないのは、やはり純然たる自作ではないからでしょうか?

埼玉県 K.S.

解答
 まず最初にお詫びしておかなくてはならないのですが、全作品とうたっているにしては
かなり情報が欠落しています。以前も、「テイオの夜の旅」の男声版や、音楽之友社の「教育音楽」別冊付録に掲載された混声三部合唱曲数曲が記載されていない、とのご指摘をいただいたことがあります。後者はいまだに書き入れてません。ものぐさ。 

 でもアレンジの場合はそういう単純な記載落ちではありません。編曲には、大きく分けて2種類あると思います。メロデイ・ラインだけオリジナルを使い、あとはコードも曲の展開もオーケストレーション(コラレーション)も編曲者の思うまま、という作曲的要素の強い自由なアレンジと、サントラなどのイメージを再現する形の、耳コピーに近いアレンジと。オケ伴奏のものを、ブラス伴奏に変えるとしても、音楽の中身がオリジナルに忠実なら、それも耳コピーと同じことです。耳コピーの要素をすこしでも含むアレンジは、作品リストには載せてありません。「アニーよ銃をとれ」のほか「ウエストサイド物語」とか「クリスマス・キャロル・メドレー」とか、どれも愛着のある作品ですが、上の理由で作品リストからはずしました。

 でも今回ご指摘いただいて思ったのですが、そういう取捨選択を行うのなら、「全作品リスト」ではなく「主要作品リスト」とするべきかもしれませんね。

 どちらにせよ、データに関しては、一度きちんと整理し直すつもりですので、記載落ちや記入ミスなどお気づきの点がある方は、K.S.さんのようにメールでお知らせいただけるとありがたいです。

2000.9.1