「ひとつめこぞう」テンポがずれてしまうのですが?

 私は今コンクールに向けて谷川俊太郎作詞の「ひとつめこぞう」を練習しています。
私はアルトのパートなんですが,Eのアルトがソロで歌う所がテンポがずれていってしまうんです。今は練習を重ねて少しずつ克服してきてるのですが,なんだか何時も不安なんです。焦らないよう気を付けているのですが…。アドバイスをお願いします。

 S.S. 掲示板より

解答 

 「この曲で一番難しいのは、最初のスローテンポでpからffまでじわじわ盛り上げていくところでしょう(1〜18小節)。こういう場合、一拍一拍丁寧に歌うだけだと間のびしてだれてしまうので、歌い出すときから最後のffに向けて気持ちをキープしてひとつの大きな山としてcresc.することが大切です。こういう場合、休符の扱いが大切。大きいフレーズ内での休符は、実際上そこでブレスをするものの、意識としては音がずっと続いているつもりで気持ちをつないでいることが望まれます。休符のたびに緊張感を切ってしまうと、大きな山を作ることができません。

 いったん152にテンポが上がるとあとはテンポが固定されるので、ビートに乗りさえすれば案外うまく歌えます。テンポがずれるというのは、96小節からアルトがメロディを歌う所でしょうか。何となくずれるのを心配するのでなく、何が原因でずれるか原因を突き止めることが大切です。アルトが走るのか、他二声の入りが遅れるのか、ピアノが走るのか。ここでのピアノはテンポが走ってしまやすい音型なので、意識的にイン・テンポでタッチを固めに音量も大きめに弾くと、合唱も歌いやすく、ずれにくくなります。みんなの息が合うようになったら徐々に楽譜通りの音量に落としていけばいいのです。
メトロノームに合わせて歌ってテンポに乗る練習をしてみるのもいいでしょう。
最終的にはビートに乗りつつ、のびのび歌えるのが理想です。

2004.10.20