ヲ05年10月21日〜11月4日
外回りの日々

 久々の吹奏楽曲、オペラ「不思議の国のアリス」全面改訂に続いて「原体剣舞連」の作曲と、大編成続きで半年近く作曲一色だったのが、仕上がった翌日から一転外回りの日々。

 21日は午前中美容院、帰って大掃除。なにしろ前日までかんづめ状態だったので掃除のし甲斐がありました。部屋が片づいた夕方、換気扇工事の下見で大家さんと電気屋さん来宅。部屋がどうしようもなく散らかった時はお客様をお迎えするのが一番。どんなに疲れていても2〜3時間で見事に片づけることができます。夜は久しぶりに友人宅で食事。

 22日は大阪へ。中之島の大阪国際会議場で吹奏楽コンクール全国大会の審査。さすが全国大会ともなると音色も華麗、技術も高く素晴らしい演奏ばかり。聴き応えありました。どの団体の自由曲もクライマックスで金管大爆発ffff。もはやffくらいでは何の刺激も感じなくなってました。なんだか私、吹奏楽を書くにはちょっと性格地味かも・・。一日目の審査を終えるや否や、大阪ハインリッヒ・シュッツ室内合唱団の方の車で、練習立ち会いのため千里の練習場まで移動。20日に出来たばかりの曲でオケは全員初見状態なのに、あれこれ注文を出す私でした。

 23日も引き続き吹奏楽コンクールの審査。合唱もそうですが、一番レベルが高いのはやはり一般部門。前日以上に吹奏楽の魅力を堪能し、その日のうちに帰京。

 24日は新しいジャケットや旅行鞄を購入するため新宿へ。思い切ってHugo Bossのレザージャケット購入。預金残高がかなり減った模様です。鞄はいいものが見つからず一旦帰宅し、八ヶ岳でピアノ伴奏を務める予行演習で久々ピアノ練習場へ(うちにはPfがないので)。慢性腱鞘炎なので手をかばいつつ弾きました。ピアノって楽しいなあ。

 25日は昼所用で再び新宿へ、半日あちこち歩き回る。帰り地元K寺ロンロンで旅行用バッグ(4つ車がついているやつ)購入。洒落たバッグとは言い難いけれど、ポケットが多くて、Macや機材もたくさん入りそうです。夜ピティナ本部にでかけ、可愛い小学生のお嬢さんと連弾の合わせ。連弾て楽しいなあ。

 26日は早朝から移動して八ヶ岳へ。午後から翌27日いっぱい八ヶ岳高原音楽堂で講習会。豊かな自然に囲まれた本当に素晴らしいロケーションで、総ガラス張りのホールも美しく、ホテルも広々。ここは講師をスイートルームに泊めてくれるんです!100Fもある応接間付きの部屋でものすごくいい気分。5年前の講習会では夕食時に誰かが怪談話をやり、その後部屋に帰ったらあまりの広さに怖くなり、全部ドアを閉め切り一番小さい部屋(それでも普通のツインくらい)で震えていたほど。正規料金だと一泊幾らかかるんだろう。講習は岸信介先生に指揮いただき、私が音楽堂のピアノを弾きつつ行ったのですが、自分で弾いていてもベーゼンドルファーの深い音色にうっとり。講習会の仕事をしながら癒される感じでした。

 

美鈴池に写る八ヶ岳。

 28日は早朝ネイチャーウオークに参加。自然の魅力を満喫したあと、急いで荷造りして大阪まで移動。八ヶ岳から東京までは交通の便がいいのに、大阪までは5回乗り換えがあって5時間半もかかるので、移動で半日つぶれてしまいました。大阪では阪急インターナショナルにチェック・イン!私このホテル好きなんですよねえ。今回は委嘱初演ということで、大阪H・シュッツ合唱団がここをとってくださったんです。むふふうれしい。練習までの時間に阪急デパートに出掛け、ジャケットとスカートと靴購入。けっして買い物好きなのではなく、東京ではわざわざ混雑した所に出掛けるのが面倒で何も買わないので、旅先でよく買い物するんです。夜練習に立ち会うが、曲の仕上がりが遅れた上、リズムがオフビート系で合わせにくいこともあり、合唱とオケがまだかみ合わない感じ。

 29日は大阪H・シュッツ合唱団の創立30周年演奏会。じつに盛りだくさん、三時間を越す演奏会で聴き応えありました。GPを本番直前まで入念におこなったあと、あれだけの演奏会をこなすのは体力的にも精神的にもさぞ大変なのでは。私の曲は前日まで試行錯誤状態だったのに、本番は今まででずば抜けていい出来で、出だしのチェロもかっこよく、合唱とオケのバランスもばっちり、大満足の演奏となりました。最初に演奏を一度やり直して下さったことで、すべてが見事にかみ合いました。トーク司会の評論家・響敏也さんのつっこみも鋭く面白く、大人しくしているつもりが、ついべらべらしゃべってしまいました。

 30日午後東京へ戻ってすぐ幡ヶ谷の練習場へ。日本歌曲の大家、瀬山詠子先生主催の演奏会(「木下牧子歌曲の夕べ」11/18(金)pm6:30開演 旧東京音楽学校奏楽堂)で私の歌曲を特集してくださることになり、その練習の立ち会いです。言葉、発声を中心にした瀬山先生のレッスンはとても厳しいですが本当に有益で、作曲者にとっても自作を見つめ直すいい勉強になりました。

 31日〜11/2日までは籠もって作曲。来年早々JFCから出版になる打楽器アンサンブル「ふるえる月」を最終校正。出力譜とDataのCD、その他の提出資料をそろえてエクスパックで郵送。その後日本大学合唱団のための新作アカペラ「湖上」を仕上げて速達郵送。八ヶ岳高原ロッジのスイートルームで、ずっと音楽を練っていたので、意外なほどすらすら出来上がりました。同時並行で混声合唱曲「はじまり」を女声にアレンジ。3日にホールで編集者にお渡しする約束だったので、夜中までがんばって仕上げました。

 3日は日本作曲家協議会主催のコンサート「こどもたちへ」出演のため四谷の紀尾井ホールへ。のんびり到着してみると、私のリハーサル割り当て時間直前で、関係者をヒヤヒヤさせていたことが判明。今回出品したのは連弾曲「星の砂」で、演奏の相棒はピティナ所属の小学生ピアニスト、倉野実有ちゃん。ステージに出ても堂々と落ち着いていて、本番で一番いい演奏をするのに感心してしまいました。おかげでばっちり息が合い、司会の朝岡 総さんに「きれいな曲ですねえ!」とほめられました。演奏終了後実有ちゃんとプレゼント交換。自分の連弾曲集をプレゼントに使う私ってどうでしょう。演奏会のあと打ち上げでちょっと酔っぱらって帰宅。

 

鎌倉・報国寺の「竹の庭」

 4日は久々の完全off。友人と鎌倉へ出掛け、友人おすすめの報国寺(ここの竹林はすばらしい!)、瑞泉寺など、通好みのお寺をまわって鎌倉の魅力を堪能しました。鎌倉って四方がこんもりした山に囲まれ、海もあるし、本当にロケーションがいいですねえ。東京から近いけれど見所が多いので何泊でも出来そう。お昼の釜飯も、おやつの小豆白玉、夜の洋食もおいしかった。帰りにちょっと変わった色のジャケットを衝動買い。半年間のカンヅメの反動か、ちょっとジャケットを買いすぎです。

 11月末にはソプラノと室内楽のための新作、Brassとオルガンと打楽器伴奏によるクリスマス・キャロルのアレンジ改訂、それに12月にはNHK合唱コンクールの課題曲、無伴奏男声合唱曲など、〆切がたくさんやってくるので、また作曲漬けの毎日に戻らなくては。よく考えると不思議な人生です。

2005.11.8