ヲ00年6月23日
ラ・プテイット・フェート
フランス バロックの音楽とダンス 

会場 カスケードホール

 中世・ルネサンス・バロックの音楽と舞踏をトータルに演出する、アンサンブル・ルクレツイア(主宰は市川智津子さん)の出演。私は古楽に暗い人間なので、古楽演奏やとりわけバロックダンスの技術面についてはあまりコメントできないが、全体的にセンスのよい演奏会だった。

 プログラミングがうまくて、古楽アンサンブル、声楽、バロック・ダンスが効果的に組み合わされている。アンサンブルは、リコーダー2(フラウト・トラヴェルソ)、バロック・ヴァイオリン2、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェンバロという編成だが、ヴィオラ・ダ・ガンバのソロ曲があったり、鈴やタンバリンなどが加わって華やかさをそえたり、聴き手を飽きさせない。大半の聴衆が古楽初心者であることを考慮してか、パンフレットもシンプルだけど時代背景、楽器説明など要点を押さえてあってわかりやすい。友人が賛助出演するので半ば義理であったが、出かけて正解。また古楽に触れたいと思わせる、なかなか魅力的な演奏会だった。

 それにしてもフラウト・トラヴェルソという楽器は、ほんとにぼんやりした地味な音色をしている。山鳩の鳴き声みたい。決してきらいな音ではないが、これが今の金属のフルートに進化したとは、ちょっと驚きだ。