ヲ00年6月15日
パーカッション・ミュージアム
第四回定期公演

会場 紀尾井ホール

 パーカッション・ミュージアムは、読売交響楽団の首席テインパニ奏者菅原淳氏と、彼のお弟子さんたちで構成される打楽器アンサンブル。お弟子さんといっても、神谷百子さんや、加藤恭子さんをはじめ、一流の奏者ぞろい。菅原淳氏といえば、現代音楽の委嘱初演をつぎつぎに行ってきた硬派、というイメージだったが(実際もそうなのだが)、今回のは実にショーアップされた楽しいコンサートだった。

 17〜8人いるメンバーの男女比は半々という感じだが、とにかく女性が目立つ。ステージが変わるごとに、ピンクやスパンコールや、スリップドレスやチャイナドレスや、とにかく雰囲気も衣装も華やか。しかもみんな上手い。特に最終ステージの「胡桃割り人形」は面白かったですね。実は私はマリンバ・オーケストラのアレンジものは、あんまり好きじゃないので、パスしようかと思っていたのだが、帰らなくてよかった。視覚的にも華やかなのだが、なんといっても、打楽器を知り尽くし、遊び心にあふれた菅原氏のアレンジが素晴らしかった。作曲家のアレンジでは、却ってこうはいかないだろう。

 中2ステージは現代音楽もので、ジョリベの「フルートと打楽器のための協奏的組曲」と伊東乾氏の「オクトパス・オクトパッセージズ」。どちらも面白かったが、最終ステージがあまりに華やかだったので、割を食ってしまった感じ。伊東氏のプログラム・ノートが、現代音楽ものにしては、意表をついた脱力文体で笑わせていただきました。