50 公園デビュー

 「公園デビュー」といっても赤ちゃん連れのお母さんでなく、私自身のである。引っ越して半月は各種手続きや買い物でもっぱら繁華街に出没するか、家中でねじを回したりペンキを塗ったりで自然を楽しむ余裕がなかったが、2月に入ってようやくI公園を散歩できる時間が持てるようになってきた。いろいろな公園関係HP(「井の頭公園の野鳥」等)を覗くと、美しい野鳥の写真がたくさんアップされているのに刺激を受け、私もオペラの打ち上げ以来ご無沙汰のデジカメを出してきた。美しい野鳥写真を撮るには、新車一台分ほどもする高価な撮影機材としっかりした技術が必要らしいが、コンテストに出すわけじゃなし、手持ちの廉価なデジカメで充分、と試しにベランダからの眺めを撮ってみたのだが・・む、難しい。素晴らしい晴天で、見渡す限り広がるI池の水面が朝日にきらきら光って・・という情景なのに、撮れた写真は焦点も定まらず薄暗く・・。

 でも都会のマンションのベランダからの風景とはとても思えないでしょう。
え、ぴんぼけで何の写真かわからない?白っぽく光って見えるのが池の水面で、その広大な池を林が取り囲んでいる図です。

 凝りもせず次はデジカメ片手に公園に行ってみた。素人がデジカメで撮れるのはせいぜい水鳥くらい、と何かに書いてあったが、その水鳥でさえ全く撮れない。一時もじっとしててくれないのだ。当たり前か。途方にくれて池のほとりにたたずんでいると、餌をくれると勘違いしたオナガガモがわらわらと寄ってくる。つぶらな黒い瞳がとても可愛い・・が、その馴れ馴れしさは土鳩なみ。陸に上がってきてじっと私を見つめるオナガガモの雌を激写したが、見事にピンぼけでここに載せる事すら憚られる出来。情けない。

 公園を歩き回っているうち、おしどりがたくさん集まっているエリアを発見。気を取り直して撮影を試みる。ところがおっとり上品に見えるおしどりは実はやたら気性が激しいらしく、クエックエッと声を発しては仲間同士つつきあってばかりいるし、枝によじ登っては池に飛び込み、実に落ち着きがない。

 上は、やけくそでシャッターを押した中の一枚。例によってピンボケな上画面が白っぽく霞んでいるが、気にしない。右がおしどりの雄、左が雌。なかなか可愛い構図でしょ。

 ああ、疲れた。やはり野鳥の撮影はその道のベテランにお任せして、私は散歩に専心しよう、とぐったり帰宅すると同時にものすごいくしゃみと鼻水に襲われた。今年も花粉の季節がやってきたようだ。

2004.2.19