図書館員のコンピュータ基礎講座

標準化団体

【2012-11-19更新】

現在では、コンピュータ本体だけでなく、モデムやプリンタなどの様々な周辺機器と接続したり、ネットワークで機種が異なるコンピュータ同士を接続するなどして作業をすることが普通です。このような状況では異なる機器同士を接続するためのルールが必要です。コンピュータ界では、様々なレベルでのプロトコルやインターフェースの標準化がおこなわれています。標準化をおこなっている主な団体には次のものがあります。

ANSI

ANSI外部へのリンク(アンシ;American National Standards Institute = 米国規格協会)は、工業団体の統合により1918年に設立された、日本のJISに相当する団体で、ANSIの規格が国際標準になっているものも多くあります。構成団体の一つにはNISO外部へのリンク(エヌアイエスオー、ニソ;National Infromation Standard Organization)があり、米国議会図書館やOCLCなどがメンバーとなっていて、情報、ドキュメンテーション、図書館関係の規格を制定しています。NISOが制定する規格にはANSIでは、「Z39.50」のように、頭に「Z39」が付けられています。

EIA

EIA外部へのリンク(イーアイエー;Electronic Industries Alliance = 米国電子工業会)は、1998年にElectronic Industries Associationから改名された、RS-232Cなどのインターフェースや電子機器の規格を数多く発表しているアメリカの電子産業の業界団体です。オーディオ・ラックのサイズ規格などでも有名です。2011年に運営を停止しました。

IAB

IAB外部へのリンク(アイエイビー;Internet Architecture Board)は、インターネットの技術標準を決定するISOCの下部組織で、IETF、IRTFの上部組織として調整を行っています。1992年のINET'92の正式発足以前はInternet Advisory Bordと呼ばれていました。

ICANN

ICANN外部へのリンク(アイキャン;The Internet Cotporation for Assigned Names and Numbers)は、1998年に創設された、IPアドレス、ドメイン名、ポート番号などのインターネット上で利用される番号や記号の標準化や登録・管理を行う非営利民間組織です。米国政府との契約に基づいて同業務を行ってきたIANA外部へのリンク(アイエイエヌエイ、アイアナ;Internet Assigned Numbers Authority)から契約切れに伴って業務を引き継ぎました。実際の登録業務は各国のNIC(ニック;Network Information Center)が行うことになっていて、日本ではJPNIC外部へのリンク(ジェーピーニック;JaPan Network Information Cente = 日本ネットワークインフォメーションセンター)が担当しています。

IEC

IEC外部へのリンク(アイイーシー;International Electrotechnical Commission = 国際電気標準会議)は、1906年に設立された、主に電気・電子分野の規格を定めている国際標準化機関です。基本的にIECの管轄以外の分野をISOが扱うことになっており、相互に関連する分野はISO/IEC JTC 1(アイエスオーアイイーシージェイティーシーワン;ISO/IEC Joint Technical Committee 1 = 第一合同技術委員会)で規格を定めています。日本ではJISCが窓口になっています。

IEEE

IEEE外部へのリンク(アイトリプルイー;Institute of Electrical and Electronics Engineers = 米国電気電子技術者協会)は、1963年にアメリカ電気学会(AIEE)と無線学会(IRE)が統合して発足した、技術者から学生まで幅広い参加者によるアメリカの団体で、電子・通信を中心とする規格の設定もおこなっています。

IETF

IETF外部へのリンク(アイイーティーエフ;Internet Research Task Force)は、IABの下部組織で、インターネットに関する様々な技術の標準化を定めるコンソシアムです。特に、この機関の公式文書であるRFC外部へのリンク(アールエフシー;Request For Comment)は、IP、TCP、HTTP、FTPなどのインターネット・プロトコルに関する仕様を定めていて、「RFC 2068」のような通し番号付きで公開されています。

IRTF

IRTF外部へのリンク(アイアールティーエフ;Internet Research Task Force)は、IABの下部組織で、インターネットに関する将来の革新的な技術に関する検討を行うグループです。少人数で議論・検討した結果がIETFに提案され、さらに議論・検討された後に標準化されるという形をとられることが一般的です。

ISO

ISO外部へのリンク(アイエスオー、イソ;International Organization for Standardization = 国際標準化機構、ISOはギリシア語の「isos」(平等)に由来するが、一般に前記英語名の略称とされている)は、1947年に設立された、工業分野の規格を定めている国際標準化機関で、基本的にIECの管轄分野(電気・電子)以外を扱っています。日本ではJISCが窓口になっています。
ISOの規格は、通常次の段階を経て制定されます。

段階 英語名 概要
予備作業項目 PWI (Preliminary Work Item) NPの前段階として対象項目を検討する。
新業務項目提案 NP (New work item Proposal) 加盟機関、TC(専門委員会 = Technical Committee)/SC(分科委員会 = Subcommittee)の幹事などが新たな規格の策定や現行規格の改訂を提案。5か国以上のPメンバー(積極的参加メンバー = Participation Member)の過半数が賛成すれば承認される。
作業原案 WD (Working Draft) TC/SCのWG(作業グループ = Working Group)でWDを検討、作成する。
委員会原案 CD (Committee Draft) WDはCDとなり、TC/SCのPメンバーに意見照会のために回付され、Pメンバーの意見を踏まえ幹事を中心に検討、修正。Pメンバーの2/3以上が賛成すれば成立する。
国際規格案 DIS (Draft International Standard) すべてのメンバー国に回付され、Pメンバーの2/3以上が賛成し、反対が投票総数の1/4以下であれば承認される。
最終国際規格案 FDIS (Final Draft International Standard) すべてのメンバー国に回付され(編集上の変更以外は認められない)、投票したPメンバーの2/3以上が賛成するか、反対が投票総数の1/4以下であれば承認される。
国際規格 IS (International Standard) 正式な国際規格として発行される(発行までの期限はNP提案承認から36か月以内)。

ISOC

ISOC外部へのリンク(アイソック、アイエスオーシー;Internet SOCiety = インターネット協会)は、1992年に設立された、様々な背景を持つインターネット関係者で構成される、インターネット関連技術の標準化推進団体。下部組織としてIBAなどがあり、インターネット関連技術標準化団体の母体的な組織となっています。

ITU

ITU外部へのリンク(アイティーユー;International Telecommunication Union = 国際電気通信連合)は、1865年に設立された、国連の電気通信分野の機関の一つで、ITU-TS(アイティーユーティー;ITU Telecommunication Standardization Sector = 国際電気通信連合電気通信標準化部門)という標準化のためのセクタを持っています。ITU-T勧告と呼ばれる勧告を出し、Vシリーズ(一般公衆回線のデータ通信規格)、Xシリーズ(データ通信網の規格)、Iシリーズ(ISDN網の規格)などが有名です。

JEITA

JEITA外部へのリンク(ジェイタ;Japan Electronics and Information Technology Industries Association = 電子情報技術産業協会)は、情報技術産業およびエレクトロニクス産業の振興と技術開発促進などを目的とした業界団体です。2000年に日本電子工業振興協会(JEIDA)と日本電子機械工業会(EIAJ)が統合して発足しました。IECISOJISや独自規格の制定に取り組んでいます。

JIIMA

JIIMA外部へのリンク(ジーマ;Japan Image and Information Management Association = 日本画像情報マネジメント協会)は、文書情報マネジメントの普及・啓発を目標している業界団体です。JISISO(TC171)の制定に取り組んでいます。1958年に日本マイクロ写真協会(JMA)として設立され、1995年に改名しました。

JIS

JIS(ジス;Japan Industrial Standard = 日本工業規格)は、工業標準化法に基づいて制定される日本の工業関連の国家規格で、日本工業標準調査会外部へのリンク(JISC = Japanese Industrial Standards Committee)の審議後、日本規格協会外部へのリンク(JSA = Japanese Standards Association)から発行されます。コンピュータの分野でも、情報処理や漢字コードなどを規定しています。

OADG

OADG外部へのリンク(オーエイディージー;Open Architecture Development Group = PCオープン・アーキテクチャー推進協議会)は、1991年に設立された、日本IBMを中心とする日本国内メーカーの団体です。主にPC/AT互換機に関連する標準を制定しています。

W3C

W3C外部へのリンク(ダブリュースリーシー;World Wide Web Consortium)は、1994年に設立された、WWWに関する技術の標準化を推進している団体です。IETFが、インターネットのインフラ技術を中心に扱うのに対し、W3Cはその上で利用されるHTTP、URL、HTML、XMLなどの仕様を定めています。現在、マサチューセッツ工科大学計算機科学研究所(MIT/LCS)、フランス国立情報処理自動化研究所(INRIA)、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス研究所(Keio-SFC)がホスト機関として共同運営しています。
W3Cの仕様は、通常次の段階を経て勧告として発行されます。

ステータス(Status) 概要
ノート(Note) 最初の段階で、ドラフトを作成するための検討資料となるものです。
草案(Working Draft) ワーキング・ドラフトやドラフトとも呼ばれ、関係者の間で草案を策定中の段階です。さらに、「in development(進行中)」「in Last Call(最終草案)」に分かれます。また、開発が中止されてしまったものは「no longer in development(開発中止)」と呼ばれます。
勧告候補(Candidate Recommendation) 仕様としてほぼ固まった段階で、要件のテストなどが行われます。
勧告案(Proposed Recommendation) ほぼ勧告に近い段階で、関係者の承認を待っている状態です。
勧告(Recommendation) 最終段階で、仕様として完成した状態です。
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CyberLibrarian : tips on computer for librarians, 1998-