図書館員のコンピュータ基礎講座

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AV接続

コンピュータとAV機器は、デジタル家電などと呼ばれ融合の方向に向かっています。ここでは、機器間の接続方法の基礎と様々な端子を紹介します。

機器構成と接続方法

【2007-11-10更新】

最も一般的なAV機器の構成は、次のようになっています。


再生専用機

録音再生機
プレーヤー(Player)・レコーダー(Recorder)
プレーヤーは記録媒体の信号を読み取り、レコーダーは記録媒体に信号を書き込みます。再生機能のみを搭載した再生専用機と、録音/録画機能も内蔵した録音/録画再生機があります。
ハードディスクのような記録媒体を内臓しているものもあります。
再生ケーブル 再生ケーブルコネクタ録音

アンプ
アンプ(Amplifier)
プリ機能とパワー機能で構成されます。プリ機能は、接続した各種プレーヤーの入出力を切り替え、再生機から出力された微弱な音声信号(電圧、電流または電力)を調整・増幅します。パワー機能は、プリ機能から送られた信号をスピーカーで出力可能なまでに増幅します。
これらの2つの機能を別の機器として構成する場合には、前者をプリ・アンプまたはコントロール・アンプ、後者をメイン・アンプまたはパワー・アンプと呼びます。一方、両方の機能を1台の機器に収めたものをプリメイン・アンプまたはインテグレーテッド・アンプと呼びます。また、映像信号の入出力も可能にしたAVアンプと呼ばれるものもあります。
左チャンネル左チャンネルのケーブル右チャンネルのケーブル右チャンネル

スピーカー
スピーカー(Speaker)
音声信号を音に変換して出力します。

なお、ラジカセやTVなどの、アンプ機能やスピーカーを内蔵した機器も多く存在しています。

端子の呼称

【2007-11-10更新】

機器やケーブルの接続部分を端子(コネクタ)と呼びます。端子には、凸型のオス(Male)と凹型のメス(Female)があります。オスをプラグ(Plug)、メスをジャック(Jack)またはソケット(Socket)と呼ぶこともあります。

  • 凸型 = オス = プラグ
  • 凹型 = メス = ジャック = ソケット

機器間は、出力部(OUT)と入力部(IN)をケーブルで接続することにより音声・映像信号を通信します。多くの場合、機器側の端子は凹型で、機器間を接続するケーブル類の端子は凸型です。また、ケーブル類の端子が凹型である場合は、延長用や端子切替用であることが多いです。用途によって様々な端子を採用したケーブルがあります。

機器間の接続方法の例

音声端子

【2007-11-10更新】

フォーン端子

フォーン端子(Phone Connector)は、元々電話交換機に用いられていたアナログ端子で、現在ではヘッドホン、マイクロフォン、電子楽器などに多く用いられています。大きさにより標準プラグ/ジャック(直径6.35mm)とミニプラグ/ジャック(直径3.5mm)があり、それぞれにモノラル用とステレオ用があります。黒い帯状の絶縁リングの数が1本のものはモノラル用で、2本のものはステレオ用です。ステレオ用は、TRSフォーン(ティーアールエスフォーン;Tip Ring Sleeve Connector)などと呼ばれることもあります。一般的に、機器側のXLR端子は「Phones」や「Headphones」などと表記されています。

ステレオ標準プラグ モノラル標準プラグ ステレオミニプラグ モノラルミニプラグ 標準ジャック

XLR端子

XLR端子(エックスエルアールタンシ;XLR Connector)は、ITT-Cannonが開発したバランス音声用アナログ端子で、XLRは登録商標名です。キャノン端子(Cannon Connector)や、バランス端子(Balanced Connector)と呼ばれることもあります。バランス(平衡接続)とは、元の信号と逆位相の信号を対にして別々の電線で送ることを意味し、ノイズ耐性を高めることができるため、しばしば長距離伝送に用いられます。1本のケーブルで1チャンネルの音声を伝送します。高級AV機器やマイクロフォン等に用いられます。
極(ピン/穴)の数は2~7までありますが、3極が最も一般的です。一般的に、機器側のXLR端子は「XLR端子」や「BALANCED」などと表記されています。

プラグ ジャック ジャック

S/PDIF

S/PDIF(エスピーディーアイエフ;Sony Philips Digital InterFace)は、音声信号入出力用のデジタル端子です。光デジタル端子(Optical Digital Connector、オプティカル)と、同軸デジタル端子(Coaxial Digital Connector、コアキシャル)の2種類があり、民生用には前者が一般的です。IEC-60958の一部やEIAJ CP-1201として規格化されています。光端子には角型プラグ/ジャックと丸型(ミニ型)プラグ/ジャックの2種類が存在しています。同軸端子はRCAプラグ/ジャックやBNCを用いており、機器上では「同軸端子」や「COAX」「S/PDIF」などと表示されています。

光デジタル端子プラグ 同軸デジタル端子プラグ ジャック
光端子(左)と同軸端子(右)

映像端子/映像・音声端子

【2007-11-10更新】

RCA端子

RCA端子(アールシーエイタンシ;RCA Connector)は、音声・映像信号入出力用のアナログ端子で、ピン端子(Pin Connector)、AV端子(AV Connector)とも呼びます。多くの場合、端子の周りのカバーは便宜上色分けされており、同じ色同士を接続すれば容易に接続を行えるようになっています。通常は、音声用の右(R)チャンネルは赤、左(L)チャンネルは白、映像用は黄で、モノラルは黒です。
一般的に、機器側のRCA端子は「映像」や「VIDEO」「音声」「AUDIO」などと表記されています。

音声・映像用プラグ 音声・映像用ジャック モノラル用プラグ

上記の映像用RCA端子(黄)は、映像信号を構成する輝度信号と色差信号を混合したコンポジット信号として伝送します。これに対し、輝度信号(Y)、青と輝度の色差(B-Y)、赤と輝度の色差(R-Y)に分離したコンポーネント信号として伝送する場合にもRCA端子を用いることがあります。これをコンポーネント端子(Component Connector)と呼び、高画質を実現できます。多くの場合、端子の周りのカバーは便宜上色分けされており、通常は、輝度(Y)を緑、青と輝度の色差(B-Y)を青、赤と輝度の色差(R-Y)は赤です。
一般的に、機器側のRCA端子は「コンポーネント端子」や「COMPONENT VIDEO」などと表記されています。また、それぞれの端子は、輝度信号は「Y」や「G」、青と輝度の色差は「Pb/Cb」や「Pb」「Cb」「B」などと、赤と輝度の色差は「Pr/Cr」や「Pr」「Cr」「R」などと表記されています。

プラグ ジャック

S端子

S端子(エスタンシ;S-Video)は、映像信号入出力用のアナログ端子です。S端子のSはSeparate(分離)を表します。映像用RCA端子(黄)は映像信号を構成する輝度信号と色差信号を混合して伝送しますが、S端子はこの2つの信号を分離して伝送ことにより、高画質を実現しています。
一般的に、機器側のS端子は「S端子」や「S-VIDEO」などと表記されています。

プラグ ジャック

D端子

D端子(ディータンシ)は、コンポーネント信号を1本のケーブルで扱うために開発された日本独自の映像信号入出力用アナログ端子です。D端子には次の5つの規格があります。

規格 説明
D1 従来のアナログ放送と同じ480i(走査線480本、インターレース)に対応。
D2 D1に加え、480p(走査線480本、プログレッシブ)に対応。
D3 D2に加え、1080i(走査線1080本、インターレース)に対応。
D4 D3に加え、720p(走査線720本、プログレッシブ)に対応。
D5 D4に加え、1080p(走査線1080本、プログレッシブ)に対応。

なお、インターレースは走査を奇数段目と偶数段目の2度に分けて表示する方式で、プログレッシブはすべての走査を1度に表示する方式です。

端子 ジャック

HDMI

HDMI(エイチディーエムアイ;High-Definition Multimedia Interface)は、コンピュータとディスプレイとのインターフェース規格であるDVIに音声伝送や著作権保護、色差伝送機能などを加えた映像・音声入出力用デジタル端子です。他の端子は、映像と音声は別のケーブルを用いて接続する必要がありますが、HDMI端子は映像と音声を1つにまとめているのが特徴です。 DVI端子とHDMI端子は部分的に互換性があり、変換アダプタもあります。 一般的に、機器側のHDMI端子は「HDMI端子」などと表記されています。

端子 ジャック

同軸

同心円を重ねたような形状の電気通信用ケーブルを同軸ケーブル(Coaxial Cable)と呼びます。同軸端子(Coaxial Connector、RF Connector)には様々な形式のものがありますが、映像信号にはBNC(ビーエヌシー;Bayonet Neill Concelman)、TV/FM受信にはF型(エフガタ;F Connector)が多く用いられます。BNCは、内蔵したバネによってケーブルを固定することができます。

F型同軸端子 BNC型同軸端

その他

最近では、AV機器とコンピュータの融合が進んでおり、IEEE1394USBなどのデジタル信号を扱う端子も用いられます。

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CyberLibrarian : tips on computer for librarians, 1998-