○ 08/31

 8月最後の日。とうとう8月の東京は鉛色の日々が多くて「夏っぽさ」に欠けたまま終焉を迎えてしまった。
 朝から新宿へでかけてミーティング。
 ちょっと仮眠して歯医者へ行って帰ってきてMacWIREのコラムを書いて混沌の屋形船Directぜんぶ2000年上半期分のコメントを付けて日経ネットナビ用の写真をセレクトして送ってMacPeopleの連載に手をつけて……朝だよ朝っ。なんてこった。

○ 08/30

 自転車で和田堀公園まで走り、日経NetNavi連載のための撮影。サッカー少年団の練習の様子を撮らせて貰う。
 小学生に混じってサッカーを楽しみつつ教えてもらいたかったりするが、いきなりデジカメ持ったおっさんが乱入しても困るだろうからじっと我慢して撮影に徹する。打ち合わせして帰宅。
 「J-WaveのCAFE FACTORY」とかいうとこに写真姦の写真を使わせてくれという話があったので、どうせならと写真姦より大きめの画像を元画像より作って渡す……ことにしたが、これが思ったより手間で、夜中までかかってしまった。しまった。まあいっか。たまには。
 気がついたら荻窪写真姦も1年以上更新してなかったので、とりあえず新作をひとつ追加する。

○ 08/29

 MACLIFE連載の打ち合わせなどを秋葉原で行う。
 赤坂のMacWIRE編集部で打ち合わせなどを行う。
 日経パソコンでレビュー用撮影の立ち会いや打ち合わせを行う。

○ 08/28

 目覚まし時計と強力無比な意志で目覚め、歯科医へ行き、抜いた神経の奥を針状の道具でこづき回され、帰宅し、再び睡眠へ入り、午後電話の呼び出し音にて社会復帰。
 7月に利用した分のクレジットカード請求書に愕然とし、踊ってごまかす。
 「ラストタンゴ・イン・パリ」を観はじめるも30分で耐えきれずに中断。リハビリに「フィッシング・ウィズ・ジョン2」。ジョンが氷の湖で餓死し、タイで復活してデニスホッパー。ふぃっしぃ〜〜んぐうぃずじょ〜ん〜(テーマソングが頭の中で踊る)。リハビリ完了。「ラストタンゴ・イン・パリ」再挑戦。んがああああああああああっ。んごおおおおっ。
 ばたん。

○ 08/27

 寝ている間にダウンロードしてたMacOS 9.2.1アップデータを使い、メインマシンを9.2.1にアップデートする。だからどうということはないのだが。
 日経クリックの特集残り2ページを書く。メールする。
 夜になって土砂降る。
 「ラストタンゴ・イン・パリ」を観ようとテープをビデオデッキに突っ込むが、吸い込んでくれない。何度やってもダメ。テープをよくチェックしたら、テープを保護しておりデッキの内部ではテープを引っ張り出すために開く「蓋」の角が欠けてた。たぶん、それが原因だ。くそっ。交換してもらわねば。
 雨が上がった隙に蔦屋へ行って交換。ついでに「フィッシング・ウィズ・ジョン2」と「バンカー・パレス・ホテル」。

○ 08/26

 撮影に行く予定があったので7時半に起床。眠い。準備してたら窓の外で雨の気配。とほほ。あわてて編集者に電話して「雨降ってますよ」「降ってきましたね」「どうしましょう」……しばらくのちに「中止」と決定。撮影のテーマがテーマなので雨の中で無理してもしょうがないのだ。というわけで、二度寝。
 午後起床。上京してるほさんから電話。どこで飲もうか。とりあえず新宿まで出てきてお茶でもする? そうしましょか。
 夕方新宿でほさんらと会い、はらくんもあらわれ、老辺餃子館で5人で皇帝な餃子を食いつつビールを飲んで馬鹿話をする。その後延々と歩いてタピーへ連れて行かれ既に閉店した店の中で2時近くまでだらだらとビールやらラッシーやらを飲みつつ楽しくくつろぐ。今度はちゃんと昼間にカレー食いに行きます>タピー。
 2日続けて負け組が集まって負け組に飲み食いいい感じになってきた。

○ 08/25

 ひたすらマックピープルビギナーズの特集の原稿をかく日。
 アマゾンから昔注文したCDが届いた。すっかり忘れていたんだけど、FILMSの「MISPRINT」である。学生の頃、中水がLPをうちに持ってきてそのまま置き忘れていったレコードなんだが、久々にアナログレコードを整理してたら発掘され、さあ聞こうと思ったらなんとまあ傷がついてて、でもこのポップさが耳について離れないのでアマゾンで探したら、CDで復刻してて、在庫がないので2〜4週間かかるといわれたんだけど、ダメもとでいいやと注文していたのであった。うーん。やっぱいいわ。この……恥ずかしげのない当時を彷彿とさせるテクノのポップさがたまらない。もうこれがポップでなければ何がポップなのだろう。TAKE ME ON THE LINER JET!。iTunes化してCDDBに入ってなかったので登録。
 原稿が5/7上がったところで時間切れ。自転車にまたがって自由が丘へひた走る。
 ポチさまがiBookをバラしてHDDを交換するというのでその模様を撮影にいったのだ。そのiBookの持ち主は特に名を伏さなくてもいい気がするが、とりあえずA氏。HDDをぶっ壊したので入れ替えるらしい。ついでにライターのK氏もいて、ミソジ4人でカラオケでiBookバラして組み上げて……途中で時間切れになり、組み上げ途中で酒を飲みに行って岩がきとか平目の刺身とか鴨の茄子はさみ焼きとか旨いもの食って、よし続きだってんでカラオケで人々がくだらない歌を歌っている横でポチさまポチさまが「ああああ、ネジが余ったああああっ」と叫んでたのはひみつ。
 なんとかiBookも復活し、しまいにはフレディ・マーキュリーが「あなた」を歌ったりして、おめでとうってことで帰宅。マックピープルビギナーズの原稿残り2/7を書き上げてメール。
 ふはー。怒涛の一日であった。

○ 08/24

 さすがにここまでせっぱ詰まってくるとテンションがあがり、鬼畜のように……否、鬼神のように働く。
 日本カメラから頼まれた原稿を書いてメールし、MacWIREの連載を書いてメールし、ティルダの創立1周年記念パーティに顔を出してその場でCubicVRを作ってデモして、寿司とかなにやらをたらふく食って飲み(今日唯一の食事なり)、夜中に帰ってきて、日経クリックの特集の原稿を書く。
 ぐはー。

○ 08/23

 MacPeopleビギナーズの連載をなんとか書き上げてメール。

 どうにもテンションが上がらないので、もっとテンションが落ちそうではあったが「フィッシング・ウィズ・ジョン」。わははははははははははははははははははははははははは。なんじゃこりゃ。予想してた通り。元がテレビ番組なのか最初から映画として作ったのか知らないが、30分1話っぽい構成で、単にジョン・ルーリーがジム・ジャームッシュとサメを釣りにいったり、トム・ウェイツとコスタリカへ釣りにいったりするだけ。文字通り、ジョン・ルーリーと釣りに行くだけで、それが楽しそうかというと、テンションが上がらない会話に無言でほげーっと糸を垂らしてるだけの釣り、ぶつぶついうトム・ウェイツ、その辺のダルな空気がたまらないのであった。ダルなテーマソングも最高。で、向こうの人って釣った魚を食べないの? 鯛とか←食べる魚をパンツに入れる人はいないか←トム・ウェイツなら食いかねん。

○ 08/22

 台風は寝ている間に通り過ぎていったらしい。挨拶もなしにっ。
 一日中スキャナとプリンタとPhotoshopと格闘。ひさびさにモニタのキャリブレーションまでしちゃう(→)。ぐひー。疲れた。力仕事の一日であった。

 スキャンしたりプリントアウトしてる合間に「インビジブル」。要するに透明人間。監督がバーホーベンだからもっとアレかと思ったけど、なんとも主人公が負けちゃってアレであった。もうちょっと悪の限りを尽くしてくれないと、あれで取り残されて死んじゃって終わっちゃったらちょっとつまらんよなあ。あのカップルにもなんか感情移入できないし。そこ以外は面白かったんだけど。

 えー、セレッソの新監督、ジョアン・カルロスっすか? いいのいいのいいの?>セレッソ アントラーズでもグランパスでもああいう辞め方をしてる人っすよ。選手からは負けを選手のせいにするとかで評判が悪い監督っすよ。いいのいいのいいの?>セレッソ

○ 08/21

 台風が来そうである。MacPeopleの連載「デジカメ天国」を書いてメール。早速福岡ネタ。
 雨が降ってる。これから台風がくるのに打ち合わせにでかけるのかったりーよなーとやさぐれてたら、なんとも雨が上がってしまったので、日経クリックへ特集絡みの作業をしに出かける。時間がかかりそうだったのでついでに日経NetNaviとも打ち合わせ。なんだかんだいって夜になり、帰ろうとしたら偶然旧知の編集者とばったり。一緒にカレー食いながらレビューを頼まれる。
 帰宅してもまだ雨は降ってこない。これがチャンスだと蔦屋へビデオを返しに行く。1本観てないのがあるがしょうがない。代わりに「フィッシング・ウィズ・ジョン」と「ラストタンゴ・イン・パリ」と「インビジブル」を借りる。観てるヒマあるんかいな。まあなんとかなるでしょ。
 ついでにバガボンド11巻が出ていたのでゲット。うーん、やっぱこのピュアさが面白い。
 バガボンドの影響で吉川英治の「宮本武蔵」が売れているんだそーな。いいことかわるいことか。バガボンドって吉川版「宮本武蔵」を下敷きにしているけれども、その独自解釈版であり、ストーリーもかなり変えている。だからバガボンドを純粋に物語として楽しみたいなら、吉川版は読まない方がいい。次の展開が気になっちゃうから。わたしは最初の2巻だけ読んでそこで止めた。で、どっちが面白いかというと、それはもうエンターテイメントとしてはバガボンドの方が面白い。わたしはそう思う。
 MacPeopleビギナーズの連載を書き始めるも気に入らないので途中で止めて寝る。

○ 08/20

 みんなチェックアウトリミットの12時ぎりぎりになってロビーへ登場。
 連れだって「うなぎのせいろ蒸し」を食べるぞ、ってんで生方さまに率いられて歩くが、目当ての店がつぶれてたりしまってたりで、最後は中州のうなぎやでうな重を食う。焼き方は関西風の地焼き。なかなかの美味。
 台風はなんとか福岡を向かうのを躊躇ってくれたようで、スカイマークエアラインで東京へ戻る。なぜスカイマークかというと、それはもう昼間の便でも大手の特割と同じ値段であるという、それだけ。例えばANAだと特割が効く夜の便は全部埋まっていたのだ。夜遅くまで遊んでるわけにもいきそうにないので早めに立ちたかったのである。しかし、狭かったああああああああ。ほぼ満席の上に767の機体に詰め込めるだけ座席を詰め込んだっつー感じで、おかげで通路もまっすぐじゃないし狭いの。普通、B767のエコノミーの座席って、2-3-2の1列7席なのね。でもスカイマークは2-4-2の1列8席なのだ。狭いのも道理。ピッチもかなり狭くて窮屈。羽田でも冷遇されてて、飛行機からバスで延々と走らないとターミナルへいけないし。でも7千円も値段が違うと……やっぱ多少つらくてもスカイマークを選ぶでしょう。スーパーシートにしてもANAやJALやJASのエコノミーより安いんだもん。

○ 08/19

 昼頃起きる。暑いけど東京や大阪や名古屋に比べるとカラッとしててなかなか快感。ひとりでぶらぶらと街を散歩してたら海を観たくなり、どうせなら砂浜がいいなと地図を観てみると生の松原海水浴場が近そうだってんでぶらっとでかける。ふはははは。これもまた快感。地元の人間にいわせるときたないそーだけど、なに、東京方面から来た人間からすれば、十分きれいで臭くなくて快適ですってば。ちょっと向こうに無数の島が見えるのもまた快感。でも調子に乗って裸足で海にはいって楽しんでたら、帰りにどっかで靴下を片方落とした。あほだ。「それじゃ小学生だ」「はい」
 夕方はらくんと合流して埠頭へいって夕刻の海を愛で、京都から来てるふたりのお嬢様を拾って、遅刻ギリギリにライブ会場へ到着。
 チルドレンクーデターVer.Booのライブ。かなり音がいいライブハウスで、これもまた快感。
 夜はあらかじめ生方さまがセッティングしてくださったお店を借り切って海の幸大会。はじめて名前を聞く美味な魚があったが、その名前を忘れてしまった。少なくとも関東や関西では食えないらしい。きっと九州の連中が結託して外に出さないようにしてるのだ。
 打ち上げには福岡のフェアレディなどもやってきて楽しく過ごす。ふはははは。
 その後5時くらいまで飲み続ける。とうもろこしの唐揚げなんていう、一見虫のようなのも揚げ物もまた美味。これ、素材は別に普通のとうもろこしなんだから東京でもポピュラーに食えてよさげなんだがなあ。なんでないのだろう。
 ホテルへ戻って写真を整理してたら朝。うげ。寝る。

○ 08/18

 ANAの朝8時半の便で福岡へ。をを、九州なんて何年振りだろう。福岡なんて大昔にシステムソフトだかリバーヒルソフトだかの取材で行ったきりだ。プライベートで行くのはそれこそはじめて。で、なんでこんなに朝早い便なのかというと、少しでもはやく着きたかったとか待ってる人がいるからとかじゃなくて、単にANAが「特割」便を朝と夜しか設定してくれないからである。朝の便と昼間の便じゃ、値段が全然違うのだ。数千円違う。それが理由。
 街のど真ん中にある空港に降り、ホテルへ向かう。みんなで6部屋取ってもらっていて、ホテル側はちゃんと同じフロアにまとめてくれていたのだが、わたしだけわがままをいって11階に。博多全日空ホテルっていくつかの部屋にイーサネットがきてるのだ。せっかくだからそれを使ってみたいと思ったのである。追加料金なしで部屋を替えてくれた。えらいっ。ケーブルも無料で貸してくれた。えらいっ。
 さっそく部屋へ行ってPowerBook G4をLANポートにつなぐ。転送速度は速くないけど(ISDNよりはましだけど、ってレベル)、常時接続は快適である。ふははは。
 昼、東京から来てレンタカーを借りるという贅沢をしたはらくんと合流してドライブ。ホテルのおねえちゃんにどこのラーメンがお勧めかと聞くので、一風堂と一蘭、といわれる。試しに行ってみる。どちらもすごい行列で、土曜のこのクソ暑い夏の昼間に行列ができてるってことは、観光客が集まってるってことで、そんなとこに並んでまで食べる根性は我々にはまったくなく、早々に諦めて、適当に見つけたラーメン屋でラーメンを食う。でもなかなか旨い。
 生方さまによると、一風堂も一蘭も並んでまで行くほどのもんじゃないってことで、よしとしよう。
 どうせだからってんで太宰府天満宮へ行く。なんともはや、焼きたての梅が枝餅は旨かったが(てっきり、餅に梅の枝がささっているとか、梅が練り込んであるとかそういう「梅がらみ」のものかと思ったら、違ってた)、天満宮自体はかなりの観光地で観光地テイストに溢れておりました。
 夜、チルドレンクーデターVer.Booやら福岡へライブを口実に遊びに来たデジタルブーの面々やらで集まり、福岡在住の生方さまセッティングで地鶏の店へ。うひーーーー。地鶏の骨付き炭火腿焼き……感動的に旨い。歯も顎も快感。顎が疲れるのもかまわずむさぼり食う。最後に出てきたースープも美味。地鶏は美味なり。
 さらに一軒いって酔っぱらったは眠いはでほげーっとしたとこで、深夜、長浜の屋台街へ。そこで一番旨いというナンバーワンって屋台で美味な餃子と美味なチャーシューを食い、さらに美味なとんこつラーメンを食す。ふはははは。

○ 08/17

 荷物をひとつ送る。MacPeopleビギナーズ特集のための撮影。都内をぐるぐると回る。
 荷物がひとつ届く。
 福岡行きの準備。朝の飛行機で飛ぶのだ。

○ 08/16

 日経クリックのロケに立ちあってお台場。いやあ、また自由の女神って来てたのね。しらんかった。わはは。ともあれウソのように晴れ。暑い。夏だ。くそ。今頃になって。
 編集者が自慢の真っ赤なBD-1を持って登場。うーむ。最新モデルは細かいところがリニューアルされてて折り畳んだ時チェーンがはずれないようになってるの。なるほろ。
 帰宅後急いで宅急便をひとつ送る。
 DOS/Vマガジンのデジカメのレビュー2ページ分を書いてメールする。これはなかなかよいかも。

 つい映画の気分になり、ペドロ監督の「ハイヒール」。やっぱこの監督はすごいっ。でもあれでよかったのか?>レベーカ。

○ 08/15

 ユーリードシステムズに取材。近所だったのでチャリで走る。びゅわん。
 荷物を送ったり「パソコン購入ガイド」のレビューを書いたりする。
 日本vsオーストラリア。日本勝つ。うーんやっぱ森島。ボランチのふたりがちょっと寂しかったねえ。中村とか小野とか中田とかがいないときはもっとボランチ……特に伊東が攻撃に顔を出していかないとダメだと思うのだけど。勝ったからよし。

○ 08/14

 ひたすらスキャナと格闘。ぐー。Windowsなんて嫌いだああ←またいってる。
 「パソコン購入ガイド」誌のデジカメレビューを1本書いてメール。
 「ハイヒール」「グッバイ20世紀」「ガタカ」を借りてくる。

 「グッバイ20世紀」。マケドニア映画とゆーので、「キン・ザ・ザ」とかクストリッツァ映画的なものを期待してたら、どっちかというと「エル・トポ」だった。このダサいタイトルがいい。中身はもうデタラメで、2019年の荒れた世界で普通の女には立たなかったけど聖女には勃起したクズマンは処刑されるも死ぬことができず、地下の預言で自分の運命を知るのだが、なんでそんな運命を刻まれたかというと罪と罰に彩られた20世紀の最後の日にサンタクロースにひどいことをいったからで、サンタクロースによってこの世は滅ぼされたのだ、って書いちゃうとデタラメなんだが、中身もデタラメで何が何を示唆しているのかわからないけれども、解説不要のシュールな映画ってことでいいのではないでしょか。無理に何かを象徴させるなら、20世紀の罪と罰により21世紀はこんなんになっちゃいました、ってことか。あなどりがたしマケドニア。

○ 08/13

 エスカルゴムックの残り3ページを書く。メールする。珈琲館で打ち合わせ。うーむ。送られてきた機材の動作チェック。うげ。ちょいと格闘。とほほほ。USBは遅い(T_T)。

 「キカ」。ペドロ監督。ゴルチエ衣装。特にアンドレアの取材着は徹頭徹尾ゴルチエ的で最高。最初はリズムが今ひとつなんだけど、途中から面白くなってきて、父と子の物語かと思ったらそうじゃなくて、母と子の物語か、それよりキカの周りにいる囚われた人々の物語か、ゴルチエ衣装っていうからコメディ系のテイストを入れてブっとんでカっとんでくるかと思ったら意外とそうでもなく、キカよりアンドレアの方が気になったりして、考えてみたらこの監督の映画4本観たけど、これだけ男が出てきたのははじめてかも。「神経衰弱ぎりぎりの女たち」→「アタメ」→「オール・アバウト・マイ・マザー」という順番で観てきたから、この辺に比べるとストレートに本質をえぐってくる鋭さの映画ではなかったってことか。

○ 08/12

 ともあれ雑事とかこなしつつ。

 「ナインスゲート」を観る。うーむ。もともとこういう「古い書物(なり古い家なり)の秘密を探っていくとオカルトな歴史にぶちあたって、現代に蘇る」的なオカルティックなお話って大好きなのね。ルシオ・フルチの「ビヨンド」とか好きだし、実は「第七の予言」とかもけっこう好きだったりするし。テレビシリーズだけど「ミレニアム」も好きだったりするし。力を持った遺物が原因で起きる事件ってネタ。ナインスゲートもバリバリにそうで、3冊しかない悪魔の書の9枚の挿絵をめぐる典型的なその手のオカルト話なんだけど……甘いっ。甘いのだああっ。かなり頑張ってはいるんだけど、でも、もっと悪魔の書をめぐる歴史とか悪魔の書の悪魔たる所以に迫って欲しかった。そうすることでわたしは盛り上がるのだ。結局のところ、悪魔の意図がわからないわけ。あの女はどうしたかったの? 最初、あの女は悪魔じゃなくて、天使側が悪魔の復活を阻止するために送り込んだ……って展開かなと思っていたら、なんのなんの、その逆だったりして、それならもうちょっと「悪」の雰囲気が欲しかったなあ。あの主人公も「悪」っぽさが足りないし……後半になればなるほどなんか普通のハードボイルドの主人公みたいになっちまって。もうちょっとあの女を疑えよ、とか、悪いヤツならそう簡単に女と寝るなよ、どーみてもあやしいだろがっ、と思うよなあ。

 「ティファニーで朝食を」。どーせならランチもディナーもどうぞ。

 なんとも欲求不満でまたもや蔦屋へ。借りたのは「キカ」「スターシップ・トゥルーパーズ」「ダークシティ」。

 「スターシップトゥルーパーズ」。うーん。これ、すごい。SF戦争映画として観るとちょっと違う。普通に考えたら、いきなり白兵戦なんてしないでしょ。機械化歩兵が出てきたり、最低でも空からの援護や戦車くらいは使うでしょ。でもいきなり白兵戦なの。で、この映画は何かというと、フルメタルジャケット的なのだ。よりテーマを際だたせるために、シカケが未来になってるの。だからこそ、敵は甲殻類であり、未来の設定だから軍のプロパガンダや人々が戦争に対してどう感じているかというのをストレートに描ける。史実に気を遣わなくていいから、そのエッセンスだけを突っ込める。そして、ヒューマニズムもぎりぎりに抑え、戦争賛美でも反戦でもない淡々とした戦争映画を作ったのだ。主人公の成長物語……高校生が「立派な軍人」になるまでを描いた物語というよりは、フルメタルジャケット的な描き方をしてると思っていい。そういう意味で、これはすごく戦争映画らしい戦争映画なのだ。思いっきり戦争を盛り上げているんだけど、でも美化してないの。観る人につきつけてるの。戦争は悲惨だし、軍はわざとらしいプロパガンダをするし、機動歩兵は前線で軍の作戦ミスでボロボロ死んでいくし死を覚悟でつっこんでいくし、でも少年は立派な軍人になっていって闘うの。そういう映画。誰かがどっかでベトナム戦争映画の傑作と書いていたけど、なんか納得できるものがある。というわけで、フルメタルジャケットを思い出した映画。

 懲りもせず勢いで「ダークシティ」。わははははは。こういう映画ムチャクチャ好きやわ。やっぱスケールがでかいB級SFはこーでなくちゃ。基本コンセプトが陳腐だとか細かいとこが甘いとかどっかで観たことあるような云々なんてすっかり忘れてあの世界にどっぷりハマってしもた。これは当たったなあ。わたし的にはすごくアタリ。このダークで目覚めぬ夢的世界観がいい。リズムも音も映像も気持ちいい。最後の戦いはまあ許そう。他が気持ちいいから。ムチャクチャせつないラストもいいし。

 今日は2勝2敗やったな。あ、朝だ。しまったっ。

○ 08/11

 電話やら宅配便やらで起こされたり寝直したりしてたら昼。曇っていたけどスケジュール的にしょーがないのでデジカメ4台持って自転車にまたがって撮影に出かける。まずは馬事公苑でひまわりでも撮るかと思ったら、うげっ、グラスアリーナ工事中とかでお花畑に入れないでやんの。ぐぞ。しょうがないんでぶらぶらと三茶に向かって走っていくと雨がぽつりぽつりと落ち始め、ぼとりぼとりになり、ずどどどどどと土砂降って、慌ててキャロットタワー地下の駐輪場へ逃げ込む。なんてこった。
 どーせ夕立やろと思って甘く見てたらまったく止む気配なく、飯食ったり「composite」買ってコーヒーの見ながら読んでたりしてたらどうやら小降りになり止む気配みせはじめたので、そのすきに帰宅。なんてこった。
 横目でアントラーズvsコンサドーレを見つつ、エスカルゴムックの2ページ分を書いてメール。
 グランパス、3点も取ったらしい。えらいもんだ。中村って誰? 実は知らなかったのら。小倉がひさびさに得点。あの蹴り方は小倉だなあ。
 ストイコビッチ番組にかじりつく。甘いなあ美化してるなあと思ったら、NHK名古屋制作だった。なるほど。でもいいのである。美化してても。本当にすごかったのだから。岡山のインタビューがよかったね。
 蔦屋へいって「オール・アバウト・マイ・マザー」「ナインスゲート」「ティファニーで朝食を」を借りる。

 「オール・アバウト・マイ・マザー」を観る……これには殺られた。これを観てどんな言葉を紡ぎ出せばよいのだろう。ペドロ監督すごい。まぎれもない名作。正邪/男女/幸不幸といったすべての分け隔てをせずに描ききれる監督なのである。そう思う。

○ 08/10

 でかい荷物がD通経由で届く。はー。近所の珈琲館で打ち合わせ。
 MacWIREのコラムを書いてメール。
 「混沌の屋形船Directぜんぶ」のオマケ部分が完成し、コメントを入れる。
 ペドロ監督の「アタメ」を観る。アタメってなんかエロいよな、と思ったら、アクメと字面が似ているからであった。それはともかくとして、スペイン映画な色彩と分け隔てのなさとデタラメさとエネルギーと愛が詰まった映画であった。うんうん。
 「世田谷CubicVR地図」にひとつCubicVRを追加する……しようとするが、FireWorksとDreamWeaverの連携がおかしくなり、にっちもさっちもいかなくなり、マップ部分を作り直す。んがーーーっ。どないしてくれんねんっ>FireWorks。具体的には、DreamWeaverからFireWorksは呼び出せるのだが、FireWorks側での修正がDreamWeaverの方に反映されず、しまいには元データもおかしくなり、どうやらスライスの処理あたりが妖しいなってことで、スライスしなおしたりする。うーむ。連携が一番のウリなのになあ。

○ 08/09

 エスカルゴムックの原稿を4ページ分書いてメール。
 日経ネットナビの連載の原稿を書いてメール。
 有楽町にて「猿の惑星」観賞。うー。ティムバートンならもっとぶっとんで欲しかったなああ。やっぱ後半は人間vs人間vs猿人の三角関係で盛り上がってくれないとねえ(笑)。しかしあの主人公は愛が足りないイヤなヤツだなあ。もうちょっと親切に気を配ってあげてもバチはあたらんと思うが。
 忙しいほどニッチな時間を有効活用できるとはこれいかに。ちょこちょこと「世田谷CubicVR地図」ページをでっち上げる。とりあえずスポットは4カ所なのだが、ヒマを見つけて増やしていこう。ほんとは建物内や室内で撮りたいのだが、誰か撮らせてくれませんか? お部屋でCubicVR撮らせてくれる人募集中。日本中どこでもOk(行けるかどうかはまた別だが)。

○ 08/08

 三軒茶屋までチャリで走ってそっから電車で日経クリック編集部へ行って打ち合わせ。
 帰り、旨そうな蕎麦屋を見つけて蕎麦を食う。
 エスカルゴムックの原稿を引き続き書く。
 ふと思い立って蔦屋へ行き、「死刑台のエレベータ」と「アタメ」を借りる。「死刑台のエレベータ」観る。

○ 08/07

 とりあえずエスカルゴムックの最初の4ページをメール。
 自転車にまたがって初台のアスキーまでMacPeopleびぎなーず特集の打ち合わせ。
 帰り、旨そうな蕎麦屋を見つけて穴子天蕎麦を食う。
 日経ネットナビの図版をなんとか作り上げてメール。
 適度な静養と適度な運動をしてたら体調が良くなってきた。空も鉛色だしな。
 Webで遠藤みちろうのCDとビデオと歌詞集を見つけて注文。

○ 08/06

 夕方までかかってなんとかDOS/Vマガジンの連載を仕上げてメール。
 ちょっと休憩するもちょっとで済まなかったりしてたまってたメールの返事を書いたりなんかやかで空は鉛色。

○ 08/05

 朝起きてDVDで「GHOST IN THE SHELL」を観る。劇場で観て、衛星放送でやった英語版字幕付を観て、今回が3回目なのだがやはり面白い。こうして見返すと、マトリックスがこれを参考にしてるってのがすごくわかる。
 古本屋にいらない本を持って行った。500円になった。ついつい古地図コーナーへ行ってしまった。大正時代の名古屋の地図と戦前の東京の区分地図を買ってしまった。4,000円を越えた。がーん。大赤字やんけ(泣)。しかし古地図なんて久々に買ったなあ。
 DOS/Vマガジン連載のテープ起こしをはじめる。うぎゃ。プレゼン資料を観ながら、なおかつすごく話が長かったりするので肉体的に疲れる。内容は面白いので退屈はしないのであるが。

○ 08/04

 エスカルゴムックの原稿を少し書く。
 アマゾンから宅配便が届く。とりあえず西岸良平の漫画2冊とスターリンのトリビュートアルバム「365」と「GHOST IN THE SHELL」のDVD。
 渋谷へ映画を観に行く。10数年ぶりのユーロスペースは昔とほとんど変わらぬまま。んーん懐かしい。観たのは「不思議惑星キン・ザ・ザ」。学生の頃ビデオで観てムチャクチャ面白くてなんとしてももう一度観たいと思っていたら、またやってきてくれたのだ。土曜の夜ということもあるのかキン・ザ・ザを求める人は多く、45分ほど前にいったが既に整理番号は70番であり、30分前には立ち見になるといわれてすごすご帰る人もあればそれでもよいと「クー」する人もいる。
 昔観た時は単にデタラメでシュールでおかしくてたまらない不思議な映画であったが、今観ると寓意性が強く感じられて、例えばクストリッツァの映画には笑えるシーンが山ほど出てくるけれどもそれはただおもしろおかしいのみならずその裏にある様々な深い想いが笑えるカットとなって表現されざるをえないのと同様、キン・ザ・ザの笑いにもそうならざるをえない想いがあり、単なるコメディだけなら不要と思われるエピソードも多く、これはやはり寓話性が重要だったのだ。たぶん。マッチが重要であること。抑圧されているのにアバウトでデタラメな階級。下の階級のものから反抗されるとは夢にも思ってない権力者のもろさ。一見ユートピアに見える緑溢れるアルファ星の冷酷さ。でもその寓話性が鼻につかないところがこの映画のすばらしさであり、それ以上にソ連っぽい型にとらわれた中年技師がいつのまにかキン・ザ・ザに馴染んでいく様子の面白さや、デッドテックなアイテムの造形のユニークさは感動的。そしてなにより主人公と観客が感じさせられる未知の世界の未知ぶりは何よりなのである。
 さすがに135分の映画は背中にとってつらかった。いてててて。ばたんと寝る。

○ 08/03

 某所某社へ出かけてミーティング。ふほほ。MacWIREの連載を書く。
 そろそろ世田谷CubicVR地図でもつくらんと思うが、今のVR地図にCubicVRものを追加するのと新たに地図を興すのとどっちがよいだろうかしばし悩む。

○ 08/02

 昨日撮影した写真から4つばかりピックアップしてレタッチの作例を作って送る。どれを採用することになるやらしばし「待ち」モード。
 ふと思い立って古い日記を発掘。95年12月から96年分を見つけだして追加した(このページの一番下)。大御所と遊んでたりいろんな仕事を受けてたりして面白い時代であったなあ。
 さてまともに原稿でも書くかと、エスカルゴムックの執筆にとりかかる。
 久々にアナログレコードプレーヤーを引っ張り出し(18年も前に買ったものだが)、アンプにつないでみる。音が鳴る。鳴る。鳴る。

○ 08/01

 日経ネットナビで連載の打ち合わせ兼作例の撮影。働いた。
 調子が悪い時はベッドにねっころがってルパンIIIの1stシリーズDVDを見てたりして、これ、宮崎駿なんかがやってる回があるんだけど、クレジットにはそういう名前はないのね。なんで? 明らかに宮崎駿だなあという回でもないの。別名を使っていたの?? なんか事情があって名前を出してないの? ブックレットもそれにはまったく触れてないのら。気になるる。
 今まで使ってたCDNOW JAPANから休業のお知らせメールが届く。うーむ。円建てのCDは買えなくなるらしい。まあ諸行無常ねえと思いつつ、代わりのサイトはどこにしよう、とりあえずアマゾンにしとくか、ってんでAmazon.co.jpの会員になり、ワンクリックの設定。ついでだからぶらぶら見てたら、いやあ、あるわあるわ。いろいろと出てきて面白いので、ついついP-MODELのスキューバ・リサイクルと(昔カセットブックで出た傑作。昔誰かに上げちゃったのだ)、ワン・パターン、Bjorkのぐりんぐろ、スターリンのトリビュートアルバム、KateBushのらいおんはーとなどなどを注文。ついでに漫画やらDVDやらもまとめていくつか頼んでしまったりして、楽しい安楽椅子お買い物な夜でした。


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