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悲しみに捧げる
暮れなずむ真っ赤な夕焼け空に
ぼくは祈った。
幻想の中のメリーゴーランドは
止まることなく回り続け、
木馬に乗る少女は
飽くこともなくいつまでも回り続けた。
でもぼくは、
何ものかが失われた悲しみをこらえ、
この大地に軋む
追悼の響きに心を共鳴させている。
無情の時間を刻み続ける宇宙の中の
ほんの一瞬の、けれど、
ぼくたちにとってはかけがえのない時間が
閉じてしまった。
だから、ぼくは
この大地の向こうに連なる青い山並みに
ただ頭を垂れた。
石を打ち鳴らすものたちの声、
この大地にうずくまる声なきものたちの声が
ぼくの心を揺さぶり続けた。
祈り、
ただ、祈りだけが
ぼくの心に響く。
誰のためにか、
何のためにか分からない祈りが
ぼくの心に沈澱し続けた。
夢と無限、
ぼくが打ち壊そうとしかかった幻影が
でも、時間を超越した何ものかの手のひらの上で
かすかに震えている。
(2016.10.1)
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向殿充浩 (こうでんみつひろ) / 第6詩集『石に刻まれた小さな夢』