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賢者とともに過ごした秋の一日
ぼくの夢がかすかに震え、
空の上を真っ青な風が吹きすぎていた。
大地に刻印された無数の慟哭は
膨れ上がっては大気の中に弾け、
掃き清められた寺院の庭には
意味を失った言葉たちが置き去りにされていた。
この小さな遊星の上で
ぼくたちの世界は清新の光を失い、
新たな混沌が澱んだ大地から噴き出し、
果てることなく押し寄せてきている。
でも、求道者たちの試みは
今なお、新しい音を宇宙の中に響かせようとしているし、
ぼくの仲間たちは今日もこの世界に
未知なる形を描こうとしている。
秋の日の柔らかな光の下で、
微かに震えるぼくの夢が世界に突き当たり、
けれど、不思議な鼓動が生まれてくる。
天を見上げていた小さな虫たちの息吹きが
ぼくたちの心を冷ましてくれる。
賢者とともに過ごした秋の一日。
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向殿充浩 (こうでんみつひろ) / 第7詩集『架空世界の底で』