向殿充浩のホームページ
トップ お知らせ・トピックス 自己紹介・経歴 作品 技術者として活動・経歴 写真集 お問い合わせ先 その他
天の底で
天の底で
砂粒たちのかすかなつぶやき、
遠い星たちの消え入らんばかりの光。
ぼくの描いた線は
錯綜した時間の中に飲み込まれ、
乾いた土の上には
小さな風たちがうずくまっている。
何ものもみずから輝きはしない。
ただ、幻影として、
存在の表面に浮かび上がっているだけなのだ。
虫たちの鼓動が語りかける
ちっぽけな世界、
夢に見ることはできないけれど。
(2012.7.2)
[付記]
この詩は、神話『ブルーポール』に使われています。第5巻で、主人公のナユタが地上を去るときに、友人のマティアスに手紙を残す場面です。
トップ お知らせ・トピックス 自己紹介・経歴 作品 技術者として活動・経歴 写真集 お問い合わせ先 その他
Copyright © 2017-2022
Mitsuhiro Koden. All Rights Reserved. 無断転載を禁じます。
向殿充浩 (こうでんみつひろ) / 第4詩集『土塊を蹴り』