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舞い降りる
空から舞い降りるぼくたちの目に
森の中の方形の基壇が見えてくる。
その中央には小さな円いストゥーパが
三層の輪をなして並んでいる。
仲間たちが頂上の露壇に次々に降り立ち、
基壇を右回りに回りながら、
再生の輪廻から解放された
瞑想するブッダたちに祈りを捧げる。
未来のブッダである彌勒菩薩を幻の中に見、
遠い時空の彼方からぼくたちは旅を続けた。
一つの道を
何千もの道を、
そして一つの宇宙を
何千もの宇宙を
歩き続け、夢に見続けた。
祭壇の上の空には満天の星、
そして、森の向こうでは獣たちの声。
存在の中心の乳海では
神がまどろみの中に横たわっている。
清々とした無限の時間が
無人の遺跡の上で
微かな光を放っていた。
(ボロブドゥールにて)
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向殿充浩 (こうでんみつひろ) / 第7詩集『架空世界の底で』