向殿充浩のホームページ


トップ  自己紹介・経歴 トピックス・近況など  文学作品 技術者としての活動 写真集  その他 お問い合わせ先 リンク集


 

ぼくの願いは人間でなくなること

 

ぼくは一匹のしらみでありたい。

円い月の下の孤独な遊星を這い回る

一匹のしらみでありたい。

 

そうすれば

何も考えることはない。

混乱もないし、悟りもない。

祈る必要もなければ、石碑を刻む必要もない。

 

びゅうびゅうと吹く乾燥した風が

ぼくを砂の向こうへ吹き飛ばすだろう。

時間がぼくを朽ち果てさせ、

ぼくの根拠を海へと押し流すだろう。

 

一匹のきりんを

ぼくは探し続けている。

 

戻る

 


トップ  自己紹介・経歴 トピックス・近況など  文学作品 技術者としての活動 写真集  その他 お問い合わせ先 リンク集


 

Copyright © 2015-2024 Mitsuhiro Koden. All Rights Reserved. 無断転載を禁じます。

向殿充浩 (こうでんみつひろ) / 第7詩集『架空世界の底で』