皮膚の老化とフリーラジカル

人の皮膚は、表皮、真皮、皮下組織の3層からできています。

人の場合、平均で総面積1.6mが皮膚で覆われています。

皮膚はたえず、紫外線などのさまざまな環境因子により攻撃され、その傷害の

蓄積が年齢とともに蓄積され、老化現象である、しみ、しわ、となって現れてきます。

真皮の部分はコラーゲン繊維やエラスチン繊維により、張りや弾力性、伸縮性が

保たれています。

コラーゲンは動物の結合組織、骨、腱などを構成する硬タンパク質で、全タンパク質

の約4分の1を占めています。コラーゲンは3本のポリペプチド鎖が巻きあった状態に

なっており、皮膚の張りを維持する働きをしています。

コラーゲンは皮膚だけではなく、骨には骨のコラーゲン、内臓には内臓のコラーゲン、

血管のコラーゲン、歯の象牙質のコラーゲン等あり、タンパク質が不足してコラーゲン

がおもうように作れないと、骨折しやすくなったり、胃下垂になったり、くも膜化出血が

おきたり、歯槽膿漏になったりと、さまざまな症状が現れます。

コラーゲンはフリーラジカルにより、簡単にポリペプチド鎖が分断されてしまします。

この分断されたポリペプチドはプロティナーゼによってさらに分解され、コラーゲンの量的

変化が起こります。また、フリーラジカルによる直接的な攻撃により、コラーゲンの

質的変化も起こり、皮膚の張りを維持することが出来なくなります。

これが、しわとなって皮膚に現れてきます。

また、皮膚の弾性や伸縮性に関与しているエラスチン繊維も、フリーラジカルにより

生じるエラスターゼによって簡単に分解されてしまいます。このエラスチンの分解も

皮膚のしわの原因となります。

さらに、真皮の水分保持に必要なヒアルロン酸を、フリーラジカルは分解してしまい

皮膚の保水機能が低下し、かさかさの皮膚にしてしまいます。

しみの原因となるメラニンは、表皮層に散在し、紫外線により発生するフリーラジカラ

から皮膚を守るための、スカベンジャーとしての働きをしています。このため長時間

紫外線や放射線を浴びると、メラニンが沈着して、皮膚を傷害から守ってくれます。

メラニンの沈着により、しみが発生することになります。