統一協会の伝道活動は違法

「元信者に170万円支払え」と二審で逆転判決

2000.9.15登録(9/16加筆)

 統一協会の正体を偽った勧誘・教化(伝道)活動などの違法性を問う「青春を返せ裁判」で、二審の広島高裁岡山支部(片岡安夫裁判長)は14日、一審判決を破棄し、統一協会に172万5000円の賠償を命じる逆転判決を下しました。
 訴えていたのは、87年9月15日に「文化サークル」などと正体を偽ってアンケートを取られたことがきっかけで、ビデオセンターや占い師の講演会、セミナーなどに、自分がコントロールされていることに気づかされないまま次々と参加させられ、霊界や教祖・文鮮明を信じさせられ、全財産を献金させられ、そして自分自身が正体を偽った勧誘をさせられていたという現在35歳の男性です。
 判決文では、統一協会には「万物復帰」の教えがあり、「世なのかのすべての万物を取り戻して神様の所有にしなければならない」と説かれ、統一協会信者は詐欺的で暴利的な霊感商法を行い、また珍味売りなどの訪問販売を行うとともに、自ら多額の献金をし、他者にも働きかけて多額の献金をさせ、しかしそれらの多額の資金のほとんどは統一協会に渡っていると認定し、統一協会またはその信者組織が霊感商法など組織的な資金獲得活動をしていると推認するほかないと述べています。そして、信者による勧誘・教化行為や経済活動は、信者組織の行為であっても、実質的に統一協会に指揮監督権があるとしています。
 また、宗教団体の行為でも、「専ら利益獲得等の不当な目的である場合、あるいは宗教団体であることをことさらに秘して勧誘し、徒に害悪を告知して、相手方の不安を煽り、困惑させるなどして、相手方の自由を制約し、宗教選択の自由を奪い、相手方の財産に比較して不当に高額な財貨を献金させる等、その目的、方法、結果が、社会的に相当な範囲を逸脱している場合には、もはや、正当な行為とは言えず、民法が規定する不法行為との関連において違法であるとの評価を受ける」との判断基準を示して、本件で「控訴人(A男)は主観的には自由意思により決断しているようにみえるが、これを全体として、また客観的にみると、被控訴人(統一協会)の信者組織において、予め個人情報を集め、献金、入信に至るまでのスケジュールも決めた上で、その予定された流れに沿い、ことさらに虚言を弄して、正体を偽って勧誘した後、さらに偽占い師を仕立てて演出して欺もうし、徒に害悪を告知して、控訴人の不安を煽り、困惑させるなどして、控訴人の自由意思を制約し、執拗に迫って、控訴人の財産に比較して不当に高額な財貨を献金させ、その延長として、さらに宗教選択の自由を奪って入信させ、控訴人の生活を侵し、自由に生きるべき時間を奪ったものといわざるを得ない」と、A男さんが受けたマインドコントロール被害を実質的に認め、信者組織の故意による一体的な不法行為と評価して、統一協会に使用者責任があると認め、172万5000円の賠償を命じました。なお、200万円の請求総額の内、慰謝料は請求と同額の100万円、物質的なものは請求100万円に対して72万5000円が認められました(総献金の60万円とスリーデイズセミナー参加費12万5000円が認められ、数回にわたる小額の献金額14万7000円と腕時計代金12万8000円については、証拠が不十分として認められませんでした)。

判決報告集会  判決後、岡山弁護士会館でひらかれた判決報告集会で河田英正弁護士は、「こちらが訴えてきた、目的も方法も結果も反社会的な統一協会のマインドコントロールの違法性が、実質的に認められた。カルト被害をなくす上で画期的な判決となる」と述べました。「青春を返せ裁判」を支援する会の高山正治代表は、「これまで破壊的カルトによるマインドコントロール被害は現実としてたくさんありました。判決で実質的に認められたことは、被害をなくすための力になります」と述べました。
 A男さんは、「困難な時期が続いて、12年目にようやく勝利できました。当初、自分は脱会できたことだけで幸せでしたが、今もなお、騙されつづけている信者は、周りの力と幸運がないと抜け出せません。その人たちのこと、これからも騙されて勧誘されていく人たちのことを考え、原告になりました」、「判決は、そのときの内面的な部分までよくみてくれたと感じています」と述べました。


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