青春を返せ裁判(A男控訴審)が結審

2000.3.25登録

 3月3日、広島地裁岡山支部で「青春を返せ裁判」控訴審(控訴人A男さん)が開かれました。
 控訴人の2月23日付け準備書面、被控訴人の2月24日付け最終準備書面、控訴人の2月29日付け求釈明書、被控訴人の2月24日付け(3月2日に控訴人側に到着)準備書面、控訴人の3月2日付け準備書面の陳述が確認されました。
 控訴人の2月23日付け準備書面は、概要次のように述べています−統一協会が控訴人の宗教の選択権を侵害し、人格権と財産権を侵害した。浅見証人はカルト被害の実態を直接に知りマインドコントロール論を論じている著名な学者である。浅見証人は、マインドコントロールを、原審のように「一定の行為を繰り返すことによって思想を植えつける」と定義づけることは誤りであると断言している。フランス国民議会やベルギー議会のセクト対策報告書でマインドコントロールの危険性が強調され、フランスではマインドコントロールの存在を認めた判決がいくつか出ている。西田公昭氏のマインドコントロール論は日本心理学会などで高く評価されている。島薗進氏の論文は、統一協会の法的問題点を「マインドコントロール」という言葉を使用しないで明らかにすればよいと言っているのであって、その実質はマインドコントロール論を容認している。原判決が認定している統一協会からの勧誘から脱会に至るまでの経過は、マインドコントロールのプロセスそのものである。魚谷証人は、統一協会の欺瞞的勧誘の最前線にいた者であり、マインドコントロール論について論じられる能力も立場もない。マーガレットシンガーのマインドコントロール論は、SSSRで否定されたのではなく、学会として一つの見解を出すことができないという当たり前の決議をしているだけである。マーガレットシンガーの理論を否定する法廷助言書は、米国心理学会のものではなく、一学者のものであることを、魚谷証人が名古屋高裁で認めている。統一協会の実態は「万物復帰」の教義のもと、新会員の獲得と会員からの財物の獲得を究極の目的とし、霊感商法など系統的・組織的な資金獲得活動をしてきている。控訴人は、統一協会の正体を隠しての接近、ビデオセンター、修練会、各種トレーニングといった一連の入教プロセスに誘導され、献金・献身へと至った。この統一協会の行為は、宗教的自由権などの人格権・財産権などを侵害する違法な行為である。
 被控訴人の2月24日付け最終準備書面は、概要次のように述べています−原判決の「いわゆるマインドコントロールはそれ自体多義的な概念であるのみならず、一定の行為を繰り返し積み重ねることにより、相手に一定の思想を植えつけること」と捉えることは間違っていない。控訴人がマインドコントロールの専門家と主張する人物も、原判決の定義を認めている。控訴人は当初、信者らの勧誘、教化行為を「洗脳」と主張していたが、「マインドコントロール」との主張に代えた理由が明らかではない。浅見証人は信者の隔離や面会強要をしているが、それを否定する偽証をしている。浅見証人は、「統一協会が消滅するまで活動する」と宣言する日本基督教団で教師検定委員などを務めていて、偏派性が強い。また、「偽装脱会」を見破る方法を指導するなど人権感覚が欠如している。島薗進教授の論文は、マインドコントロール理論を否定している。スティーブ・ハッサンのマインドコントロールの主張は、米国では評価を受けるに値しないものとして扱われてきた。米国の心理学者マーガレット・シンガーらの「強制的説得理論」は、米国心理学会がカリフォルニア州最高裁に提出した法廷助言書において、科学的価値のないものとして否定されている、同氏が米国心理学会に提出した報告書も否定されている、米国の科学的宗教研究学会もマインドコントロールが科学的に確立した理論でないと述べている、浅見証人の考えは米国のコンセンサスとかけ離れている、と魚谷証人は証言している。北海道大学の櫻井義秀助教授も、マインドコントロール理論の科学的欠陥を指摘している。教理の内容に触れることは、信教の自由に抵触し許されない。控訴人は自らの意思で信仰生活を送っていたにもかかわらず、拉致・監禁による棄教強要で心変わりした後での「マインドコントロールされていた」などという主張は信憑性がない。ビデオセンターへの勧誘やセミナーなどの活動には統一協会は一切関与していない。統一協会の伝道方法は、統一協会の名前を名乗って行う。合同結婚式に参加するのもしないのも自由である。ビデオセンターで、被控訴人の信者が控訴人に自らの信仰を明かさないことも自由である。控訴人は、献金やトレーニングへの参加などを自らの自由な意思で行っている。献金勧誘行為において「先祖の因縁やたたり」を語ることは宗教者も許容範囲と認めている。
 控訴人の2月29日付け求釈明書では、2月24日付けの準備書面で主張している浅見証人の「偽証」の根拠の釈明などを求めています。
 被控訴人の3月2日到着の準備書面では、浅見証人は講演で「カルトの環境から引き離さなければならない」と強調しているので、自分は監禁しないという証言は偽証である。ただし、刑法上の偽証罪における「偽証」を主張する趣旨ではない−等と述べています。
 控訴人の3月2日付けの準備書面では、浅見証人の講演を録音したテープの問題とともに、「偽証」という主張の撤回を求めています。
 当日の法廷では、被控訴人が「偽証」という主張を撤回しました。そして、6月9日午後1時15分から判決をすることになりました。
 閉廷後の集会でA男さんは、勧誘された者にも問題はあると思うが、一番悪いのは統一協会で、責任をとるべきと思う。僕の場合は、親とか友人とか、周りの条件が整っていたから脱会できた。他のみんなは救われていないまま、犯罪行為もさせられている。このような犯罪をくい止めたい−と語りました。

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