世界平和女性連合の礼賛記事に公開質問

1999.5.15登録

 『千葉日報』の1月10日付紙面に、コラムとして『国際的な奉仕団体 世界平和女性連合の活動』と題する記事が掲載されました。全国弁連は2月12日、千葉日報社に次の公開質問状を出しました。


公 開 質 問 状
      全国霊感商法対策弁護士連絡会
         代表世話人  弁護士      伊 藤  和  夫
         代表世話人  同        平  岩  敬  一
         代表世話人  同        廣  谷  睦  男
         代表世話人  同        馬  淵     顕
         代表世話人  同        芦  田  禮  一
    (連絡先)東京都新宿区新宿一−1−七 コスモ新宿御苑ビル五階
           東京共同法律事務所
                 電  話 〇三−三三四一−三一三三
                 ファクス 〇三−三三五五−〇四四五
         右連絡会事務局長
               弁護士    山 口    広
     一九九九年二月一二日

千葉県千葉市中央区中央一−一四−一〇
  株武会社千葉日報社
  代表取締役社長 鶴 岡   清 殿

                 記

一 貴社は、一九九九(平成一一)年一月一〇日付『千葉日報』紙面の、「教師の
 たわごと、荒井輝雄」と題するコラムに、「国際的な奉仕団体、世界平和女性連
 合」なる記事を掲載しました(以下「本件記事」といいます)。本件記事に関し
 て、以下質問いたします。
二 当連絡会は、霊感商法被害の救済と根絶のために、一九八七年五月、全国の弁
 護士約三〇〇名により結成された弁護士の連絡会です。
  印鑑・念珠(数珠)・石板・壷・多宝塔・釈迦塔・人参濃縮液などを、先祖の
 因縁を開放するためだなどと欺もう・脅迫し、不当に高い価額で売り付けたり、多
 額の貸付・献金を強要する、いわゆる霊感商法は、当連絡会に対する被害者の相
 談だけでも、過去一一年間に合計約一万九〇〇〇件、被害合計は七〇〇億円余に
 のぼっており、現在もなおその被害が継続しております。
  当連絡会で集計した最近一一年間の被害相談の集計結果の表を同封しますので
 参照してください。
  この霊感商法は、宗教法人世界基督教統一神霊協会(以下「統一協会」といい
 ます)が、全国組織を駆使して、その信者らによって展開されていることはもは
 や公知の事実です。統一協会の元信者の裁判での証言や弁護士への説明により、
 信者らが、貸付・献金・売上げノルマを与えられて、寝る暇もなく実績を上げる
 ために活動させられている実態が明らかになっています。
三 マスコミ機関の報道、裁判所の判決等により、統一協会の手口が広く知られる
 ようになり、統一協会にとって従来の手口の霊感商法による資金集めは困難にな
 ってきました,そこで、統一協会は、資産を有する高齢者、未亡人、主婦等をタ
 ーゲットにして、印鑑・念珠を売りつけ献金を強要する外、その所有する不動産
 を担保に借金をさせて統一協会組織に提供させたり、銀行・サラ金から借金をさ
 せるなどしており、その種被害相談例が増加しています。
四 このような手口の勧誘窓口の一つが世界平和女性連合です。
  世界平和女性連合は、統一協会の教祖文鮮明が、女性信者の獲得と統一協会の
 資金獲得、社会的政治的影響力の拡大のために信者に指示しで組織させたもので、
 その総裁は韓鶴子(文鮮明の妻)です。
  日本の世界平和女性連合の会長は、本年一月まで日本の統一協会会長であった
 江利川安栄です。その事務局メンバーはすべて統一協会信者であり、運営も統一
 協会信者によってなされています。
  日本の世界平和女性連合の表向きの活動は、@講演会、Aアジアからの留学生
 への奨学金支援、B教育再建の情宣活動、C海外支援と国際交流などとなってい
 ます。しかし、実状は、統一協会の別働隊として、統一協会の正体を隠して女性
 を伝道し、資金集めのターゲット獲得の窓口となり、また文鮮明の提唱する各種
 活動への動員の窓口となっています。現在も、多数の女性が、その正体が統一協
 会であることを隠されたままで、世界平和女性連合に誘われ、その活動に従事さ
 せられ、統一協会の教義の教え込みを受け、資産を奪われています。
五 このような世界平和女性連合の問題点はこれまでもつとに指摘され、マスコミ
 等でも再三にわたり扱われているところであり、資社におかれでも当然認識され
 ていたことと存じます。
  しかるに、貴社は、今般、「世界平和女性連合(WFWP)は世界的なボラン
 ティア組織であり、国連でも高く評価されており、その月刊誌には毎月著名な学
 者、政治家、宗教家、芸術家等の論文、エッセイ、対談記事が掲載されている」、
 「どこからも資金援助を受けず、営利目的の商売をせず、活動貸金は自分たちの
 会費と寄贈金などで賄われている」、「会員は個人的に発展途上国に赴いている
 主催した留学生の弁論大会の審査員は大学教授をはじめとした著名人ぱかりだっ
 た」などと、世界平和女性連合を虚偽事実等をもって礼賛する本件記事を掲載し
 ました。
  世界平和女性連合は、世界的なボランティア組織ではなく、国連で高く評価さ
 れた事実もなく、月刊誌の記事の紹介も不正確です。活動資金の紹介も不正確で
 す。そもそも資金集めのための団体ですから、営利活動をしていないというのは
 誤りです。発展途上国に赴く信者は統一協会の組織的指示命令によるのであって、
 個人的に赴いている事実はありません。
  本件記事に氏名が掲載されでいる世界平和女性連合の役員の中には、当連絡会
 で統一協会信者としての経歴を把握している人物も含まれています。
  当連絡会としては、本件礼賛記事により、世界平和女性連合に参加し、資産を
 奪われ人生を狂わせる市民が統出しないか、深刻に憂慮しています。
六 そこで、貴社に対し、次の諸点について回答を求めます。
 l いかなる経緯で、どこの誰からの申し入れないし推薦で、「荒井輝雄」の本
  件記事を掲載したのか。
 2 世界平和女性連合について前述した実態や問題点を認識しでいたのか。
   認識しながら、なぜあえて本件記事を掲載したのか。
 3 世界平和女性連合を礼贅する本件記事が指摘する事実に関し、掲載の事前及
  び事後に、貴社においていかなる調査をされたのか。
   右調査の結巣はどのようなものたったか。
 4 今後、『千葉日報』紙面において、本件記事の掲載について貴社のコメント
  を発表し、読者に対し注意を呼びかけ、あるいは世界平和女性連合の実態に関
  する記事を新たに掲載ずる予定はないか。

 以上の諸点について、本年二月来日までに、当連絡会事務局長山口広弁護士宛、
書面により回答していただくようお願い申しあげます。

          添   付   書   類
一 当連絡会の九六年版及び九七年版各年報
  〈過去の被害集計は九七年版二頁ないし四頁、世界平和女性連合については九
  六年版二七頁ないし三一頁)
二 世界平和女性連合の九三年五月発行の冊子
三 ファミリー(統一協会の月刊機関誌)九二年一一月号五八頁ないし七二頁、九
 八年七月号七四頁
四 九五年九月一六日付読売新聞記事(北海道版)
五 九五年九月ブッシュ米前大統領の関与に関する英文記事及びその和訳

 千葉日報社からの回答は次のとおり。

                   1999年2月25日

全国霊感商法対策弁護士連絡会様

                 株式会社千葉日報社
                 代表取締役社長 鶴岡 清
                  260-0013
                 千葉市中央区中央4-14-10
                  TEL 043-222-9215

         公開質問状への回答について

 貴連絡会からいただいた荒井輝雄氏のコラム「教師のたわごと」
(本紙1999年1月10日付)についての質問にお答えいたしま
す。結論から申し上げまずと、日ごろ記事の掲載には細心の注意を
払い、チェックの徹底を図ってきたところですが、不覚にも結果的
に内容に問題の多い記事を掲載してしてしまったことは、誠に遺憾
なことと深く反省しているところでございます。私どもはいかなる
意味でも「世界平和女性連台」なる組織に加担する意図はまったく
ありません。以下、直截にお答えしたいと思います。

               記

 @の質問にお答いたしまず。
 この件につきましては、荒井輝雄氏本人より本件に関して執筆に
至る経緯を説明してもらいましたので、その全文コピ−を同封致し
ます。
 荒井氏と本社は、氏が県内の小・中学校の校長時代からのつきあ
いであり、信頼できる人物として認識しておりました。そのためよ
もや今回のような内容の文章を書かれるとは思いもよらぬことでし
た。今にして思えば、その年来の信頼に寄りかかりすぎ、目を曇ら
せてしまったとしか言いようかございません。
 Aにつきましては、文鮮明による一連の社会問題については認識
しておりましたが、「世界平和女性連合」がその関連団体との認識
は遺憾なからありませんでした。
 Bにつきましては、以上のような事晴ですのて、調査はしてござ
いません。
 C私どもにはそもそも「世界平和女性連合」なる団体に加担しよ
うという意図は微塵もありません。このことは強く申し上げたいと
思います。私どもは、県民の期待に応え得る新聞を目標に努力して
まいりました。しかし、今回、貴連絡会よりご指摘を受けましたこ
とは、私どもの努力かまだまだ不十分で、いたらなかったことと改
めて痛感しております。今後このような事態を招かぬよう外部者ヘ
の原稿依頼、投稿の掲載については慎重の上にも慎重を期すことを
確認し合い、再度、関係部署にチェックを徹底するよう指示いたし
ました。また荒井氏の投稿については、今後不掲載とすることを決
定いたしました。
 以上4点についてお答えいたしました。

 重ねて申し上げますか、私どもには、「世界平和女性連合」を礼
賛、あるいは肩入れする意図は、まったくございません。しかし、
投稿の扱いに慎重さを欠き、こうした記事を掲載してしまったこと
は、誠に遺憾であったと強く反省しているところです。意のあると
ころをおくみ取りいただければ幸です。

※最近も不用意に“世界平和女性連合”と関わりをもっている団体等があるようなので、やや古いニュースですが掲載しました。


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