全国弁連が文入国問題で政府に申入書

1998.12.12登録

 全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)は12月9日、各官庁宛に、次のような公開申入書を発送しました。
        公 開 申 入 書

          全国霊感商法対策弁護士連絡会
               代表世話人 弁護士  伊  藤  和  夫
               代表世話人 弁護士  平  岩  敬  一
               代表世話人 弁護士  廣  谷  陸  男
               代表世話人 弁護士  馬  淵     顕
               代表世話人 弁護士  芦  田  禮  一
    (連絡先)新宿区新宿一−一−七 コスモ新宿御苑ビル五階
          東京共同法律事務所 TEL 〇三−三三四一−三一三三
                    FAX 〇三−三三五五−〇四四五
            右連絡会事務局長 弁護士  山  口     広

    一九九八年一二月八日

          《 申 入 の 趣 旨 》

一 当連絡会は、いわゆる霊感商法による被害者の救済と被害の根絶のために一九
 八七年五月に全国の約三〇〇名の弁護士によつて結成された連絡会です。
  当連絡会は、右霊感商法を組織的に推進して資金源としている世界基督教統一
 神霊協会(以下「統一教会」)の創始者であり、信者が「真(まこと)のメシ
 ア」として絶対視している教祖文鮮明が、一九九九年二月初旬に日本に入国する
 べく、統一教会の幹部や関係する国会議員及びその秘書に工作させているとの情
 報を得ました。これは、同年二月七日に日本国内の会場で行なわれる予定となっ
 ている合同結婚式に出席し、組織を立て直し同人への献金指令をより確実に実行
 させるためのものです。当連絡会は、同人の入国を後記理由により許可するべき
 ではないと考えますので申し入れます。
二 また、文鮮明は、統一教会グループの財政的な危機を乗り切るために、これま
 で以上に高額の献金(毎月数十倦円)を文鮮明に提供させるべく、組織の立て直
 しをねらって、韓国人信者を多数日本に入国させ、各地区組織の責任者に就任さ
 せています。その人数は数百人に及んでいます。彼らは文鮮明の指示で全国各地
 の地域や地区の責任者として配置され、日本人信者に厳しい資金集めを指示して
 います。その実態は、信者に対し、霊界での恐怖をあおって畏怖した信者の全財
 産を統一教会に提供させようとするもので、宗教活動としての許容範囲を逸脱し
 た違法なものであると考えられます。
  よって、このような韓国人信者の入国及び在留期間延長の許可についても厳重
 な調査の上、安易に許可をなさらないよう申し入れます。

千代田区永田町二−三−一
 内閣総理大臣  小  渕  恵  三  殿

千代田区霞ケ関一−一−一
 法 務 省
   法務大臣  中  村  正 三 郎 殿

千代田区霞ケ関二−二−一
 外 務 省
   外務大臣  高  村  正  彦  殿

千代田区霞ケ関三−二−二
 文 部 省
   文部大臣  有  馬  朗  人  殿

千代田区霞ケ関一−一−一
 法務省入国管理局(入国在留課)
   局 長   竹  中  繁  雄  殿

千代田E霞ケ関二−二−一
 外務省大臣官房領事移住部外国人課
   課 長   小 井 沼  紀  芳 殿

千代田区霞ケ関三−二−二
 文化庁宗務課
   課 長   清  木  孝  悦  殿

        《文鮮明の入国を許可すべきでない理由》

一 文鮮明は、アメリカで脱税のため実刑判決をうけてこれが確定し、一九八四年
 七月二〇日から約一年ダンベリー刑務所に入獄していました。同人はこれが冤罪
 であったとして開き直り全く反省の情を示していません。
二 統一教会は、献金強要事件で再三その法的責任を認める判決を受けています
 (福岡事件では平成九年九月一八日最高裁判所判決。この他、平成八年一二月三
 日高松、平成九年四月一六日奈艮、平成九年一〇月二四日東京の各地方裁判所、
 平成一〇年九月二二日東京高等裁判所の各判決)。また、同旨の仮差押決定は全
 国各地において約二〇件に及びます。
  更に、霊感商法や献金強要、借金名目の金銭領得等のため現在合計三一件(原
 告数合計三一一名)の裁判が係属中であり、その社会的責任は重大であり、文鮮
 明はこれら違法行為について最高責任者です。
三 一九九二年八月、一九九五年八月、一九九七年一一月及び一九九八年六月に行
 なわれた文鮮明夫婦が司祭となる合同結婚式は、いずれも社会問題になりまし
 た。文鮮明は更に一九九九年二月七日にも世界各地で合同結婚式をやると宣言し
 ています。そのメイン会場を日本国内に設定して、文鮮明夫婦がその司祭として
 臨席することを目論んでいるのです。統一教会は現に横浜球場等関東一帯の会場
 を探しているとのことです。
  この合同結婚式に参加した信者の相手異性との入籍については、平成八年四月
 二五日の最高裁判所判決を含めて合計約四〇件余の婚姻無効判決、審判が確定し
 ています。このような事態は、公正証書原本不実記載罪等の犯罪を組織的に指示
 しているとも言えるものでその反社会性は重大であると考えます。
四 文鮮明は、一〇〇名を越える韓国人信者を日本各地の地域長、地区長、教会
 長、あるいは「国家メシア」更には本部の局長などとして日本に入国させて滞在
 させています。彼らは日本人信者に対して厳しい献金指示を各地で行なっていま
 す。その強烈な指示の実態は信者が我々に提供したビデオからも明白です。その
 節目が{九九九年二月七日の文鮮明の入国による合同結婚式の開催です。それま
 でに日本人信者に対し献金の厳しいノルマを課しており、このため信者らが奔走
 させられております。
  その背景には、韓国経済の後退や日本統一教会の資金力の衰退に伴つて、韓国
 の一和、一信石材、統一産業、韓国チタニウム、世一建設、世界日報等が大幅な
 赤字をかかえ、これに融資してきた韓国の第一銀行の破綻があります。文鮮明は
 韓国の統一グル〜ブ救済のため日本に献金のノルマを課し、合同結婚式でも資金
 集めを策しているのです。
五 現在統一教会は、世界平和(統一)家庭連合、世界平和女性連合、真(まこ
 と)の家庭推進委員会、韓日人協会、天地正教、天地報恩太鼓等様々な統一教会
 のダミー団体名で合同結婚式参加者募集のための街頭署名、戸別訪問での署名集
 め等を全国で推進しています。「新純潔教育キャンペーン」として全国の街頭で
 チラシ付きのキやンディーを配り歩いているのもこの活動の一環です。このよう
 な新たな社会問題となる諸活動を指示しているのも文鮮明です。
六 文鮮明が過去に入国した際の実情は次の如きものでした。
 1 一九七八年の入国の際には、来日の目的外活動である合同結婚式を日本国内
  で突然強行するなどしたため、その後の入国を認められなくなりました。
 2 一九九二年三月末の入国については、金丸信代議士(当時)等の政治的圧力
  により「北東アジアの平和を考える国会議員の会」との意見交換の名目で入国
  が認められたとされています。ところが、韓国統一教会が発行している機関誌
  「史報」によると、三月二五日に入国して四月一日に離日した文鮮明の行動実
  態は次のとおりでした。
   三月二六日 信者の歓迎会出席
   三月二七日 本部教会で一〇〇〇人の信者、四〇〇人の職員らへ講義、三〇
         〇名のアジア平和女性連合の幹部(ダミー団体の信者)に講義
   三月二八日 名古屋で信者に講義
   三月二九日 宝塚修練所で一〇〇〇人の信者に講義
   三月三〇日 統一教会の傘下企業である株式会社ワコムを視察し、議員との
         夕食会に「参列」
   三月三一日 統一教会の事業部的存在である株式会社ハッピーワールドを視
         察し、中曽根、金丸各議員と順次会談。統一教会傘下の新聞社
         である世界日報を視察
   このような在日中の行動を見れは、国会議員との会議出席は入国の口実にす
  ぎず、日本の統一教会組織のひきしめ、たて直しなど宗教活動を専らの目的と
  した入国であつたことは明白です。
   今回の入国は統一教会が公言している合同結婚式の日程にあわせたものであ
  り、より直接的な宗教活動を目的とした入国であり、一層の社会的混乱をもた
  らすことが必至です。
七 イギリスやドイツ等においても、統一教会の反社会的活動の実態にかんがみ
 て、一九九七年に入国を認めなかつたと報道されています。

 以上の次第で、文鮮明の入国を認めず、またこれ以上統一教会による深刻な社会
問題を拡大させることのないよう特段の配慮をなされるよう申し入れます。


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