全国弁連が大阪集会

1998.3.22登録

 3月6日、全国霊感商法対策弁護士連絡会の全国集会が大阪市内でひらかれ、統一協会を相手とした裁判を担当する弁護士、統一協会の被害者やその家族、被害者の救出活動を援助する牧師など約200人が参加しました。
 集会では、昨年11月の訪米調査、ヒョージン(文の息子)とナンスクの離婚訴訟、統一協会の財政破綻の状況、被害相談集計などが報告されました。


 その中で、昨年11月の合同結婚式に参加して脱会した男性の報告は、次のようなものでした。

統一教会との出会いから祝福へ

 私が、統一教会に初めて行ったのは、昨年(1997年)の2月5日のことでした。私はあるシャッター会社で、働いていました。ある時、人事異動で大分県〇〇市にある出張所に移りました。その時に、後に霊の親となるHさんと知り合いになりました。彼は、私の勤める会社の下請け業者の方でした。やがて私たちは、仕事の話以外にもいろいろな話をするようになりました。私の祖母はクリスチャンであり、高校時代からキリスト教会に興味を持っていたので、仕事以外に親しくなっていたHさんに「何処か良い教会はありませんか」とお伺いしました。もちろんその時点では、彼が統一教会員であるとは夢にも思いませんでした。彼が、「良い教会がある」と言って連れて行かれたところは、あるご家庭でした。最初にそこの家庭にある一室で23本あるビデオの内、1日1本で計13本見ました。
 ビデオを見た後、それぞれのビデオについての講義があり、その後、ビデオの感想を聞かれました。その後、残りのビデオテープと『祝福の意義と価値』、『祝福と理想家庭』についてのビデオテープを見ました。ビデオテープや講義内容については、分からない部分や疑問に思う部分もあったのですが、全てが終わる頃には、祝福を受けないといけないような気持ちになっていました。ここでの私の活動は、毎週の礼拝に出て少額の献金をすることでした。礼拝には、私のような青年が4〜5人、他に壮年、婦人の方々が15人の約20人ほどの人たちが集まっていました。
 その後、私は会社を辞め、〇〇の実家に帰り、そこで人材派遣会社に登録し、アルバイトのようなことをしながら、〇〇市にある北福岡教区・〇〇教会の青年部に所属して、再び礼拝に通っていました。〇〇教会では、礼拝後にそれぞれが伝道活動や、経済活動をしていました。私は入会して間もないと言うこともあったのか、それほど強くは言われませんでした。間もなく合同結婚式への参加の勧めがありました。以前は、条件が課せられていたということですが、今回の祝福は、真のご父母様が、アダム家庭を完成し、神と等しい立場に立つ事ができ、蕩減が晴れたという理由で、誰にでも祝福が受けられるということでした。すでに、祝福を受けなければ大変なことになるという思いがありましたし、また一方で結婚願望もあり、すぐに参加の申し込みをしました。
 それから私は、参加費、渡航費の計140万円を工面するために、富山にある会社の季節労働者として合同結婚式の直前までの4カ月間ほど働きました。その間は、富山教会の礼拝と水曜日の祈祷会に出席しました。富山教会では40〜50人の人たちがいました。〇〇に戻る前に、〇〇教会の事務局長から、日日(=日本人対日本人)で相対者が決まったとの連絡がありました。
 11月20日に〇〇に戻り、相対者の写真と履歴書と結婚式用の指輪を受け取り、すぐに彼女のいる韓国に2回ほど電話をしました。相対者は〇〇出身の26歳の女性で、当時は韓国で献身者として新聞配布の活動をしていました。また36万双(95年の合同結婚)で祝福を受けていましたが、何らかの理由で駄目になり、再び祝福を受けるということでした。教区長から、今回の祝福は参加者の数が多いため、文鮮明教祖が多くの時間を費やし苦労をしたとの話が伝えられました。

合同結婚式

 11月26日午前9時頃、アメリカへ向かうために福岡空港に集まりました。空港には佐賀や熊本や〇〇からの参加者が20人ほど来ていました。まず成田へ向かい、そこからダラスフォーラス空港へ、そこから国内線でワシントンDC空港へ約16時間かけて到着しました。私たちの宿泊先は全員シェラトン・ナショナル・アーリントンホテルで、2人で1部屋でした。
翌日(27日)は、朝から市内観光で、スミソニアン博物館等を見学しました。
 27日の夜9時過ぎに私たちはワシントンホテルに集められ、そこで日日、韓日グループに分けられました。そこにいたのは約5000人ほどであったと思います。「あらかじめお互いに顔を覚え、愛をふかめなさい」と言われましたが、関係者の段取りも悪く、私を含め、実際には相手が見つからない人がいたり、時間もほとんどありませんでした。
 その後28日には、朝8時30分頃に、まず市民体育館に集められ、そこで前日相手を見つけることができなかった人たちが、相手探しをしなければなりませんでした。
 その後、歩いて5分ほどのところにあるロバート・ケネディ・スタジアムに向かい、そこでプログラムに沿って一通りのリハーサルが行われました。
 リハーサル終了後、その場で聖酒式が行われました。3種類のワインと薬草を混ぜたといわれるものを、祝福家庭の方が、プラスチック製の小さなカップに注いで、女性が半分を飲み、そして次に男性が残りを飲み干しました。
 合同結婚式の当日、私たちは入場門のところで相対者と一緒になり、参加者であることを証明するブレスレットを手首に付け、係の人から手提げ袋と弁当を渡され、式場に入りました。手提げ袋には、首からかけるストールとホッカイロと雨を防ぐポンチョが入っていました。式の前には、3690万組のカップルが誕生したという情報に私たちは喜んでいましたが、マスコミで報道されている通り、グランドと観客席の前列部に少し人がいただけで、思ったよりも少ないことに驚きました。式は午前11時に始まり、やがて教祖夫妻が登場しました。約30分ほどの誓約式が行われました。事前に文教祖から韓国語で問いかけがあり、その後、英語に通訳されるので、そこで全員がイエスと言うようにとの指導がありました。その後、聖水式が行われました。やはり祝福家庭の方が、私たちに水打ちをして回りました。当日は、小雨模様で肌寒く、その時には水の冷たさが身にしみました。聖水式が終わり、マンセイ(万歳)をするとすぐに教祖夫妻はステージを後にしました。
 それから昼食に入り、後は延々とエンターテイメントの時間が続きました。その間、私たちは歌を聞いたり、写真を撮り合ったりしました。打ち上げ花火で式が終了したのは、午後8時頃でした。今思い出すのですが、寒さと空腹、現地に来てからのハードスケジュール、そして段取りの悪さ等で、私は、祝福を受けた喜びよりも、疲れ果てていました。回りの人の顔にも相当な疲労が見えていたような気がします。
 会場をあとにした私たちはルネッサンス・ホテルに集まり、そこで蕩減棒の儀式を行ないました。いくつかのグループに分けられ、韓国人の指導者の下に私たちは蕩減棒で、まずは女性から、そして男性へと互いに3回ずつ叩き合いました。私たちは、叩きかたが強すぎると言われ、何回かやり直しました。それから写真撮影があり、それが終了したのが夜の11時を越えていました。その間私たちは夕食をとることもできませんでした。後に、教区長から、来年(5月)にもできれば日本で、不可能であれば3カ国で合同結婚式を行う予定があるとのことです。経済的な行き詰まりを見せている統一教会にとって、合同結婚式は、一番てっとりばやい集金方法として繰り返されていくのでしょう。

脱 会


 帰国し、実家に戻った私は、母親の勧めに応じて、しばらくキリスト教会に通い、牧師さんの話を聞くことになりました。統一教会の中で反牧対策(統一教会の実態を教えてくれる牧師に心を閉ざすための対策)を受けて、牧師に対する恐怖心がありましたが、しばらくすると対策の中で言われていた反牧とは全然違っていたこともあり、やがて統一教会の教義が間違っていることに気がつきました。また、以前から統一教会での献金の種類の多さや、その額の多さに疑問を持っていましたし、正直なところ、相手の方には失礼だとは思いますが、今回の合同結婚式で私の相手に選ばれた方が、想像し理想にえがいていた女性とはまったく違っていたことも私の脱会を決意するときの、大きな理由でもありました。多くの教会員は、マインドコントロールによって、恐怖心を与えられた上で、祝福だけが唯一の救済方法だと信じて、合同結婚式に参加しているのは事実です。しかし、私自身がそうであったように、中には、合同結婚式を異性と巡り会う機会として捉えている人も中にはいるのではないかと思います。合同結婚式がいかに現実離れしたものであるか、また、多くの若者の不幸の原因になっているかを考えると本当に怖くなります。今思うと、少なからず私の中に、手軽に結婚相手が選べると思って参加したことが、相手の女性にとってどんなに失礼なことであったのかと思います。また、人格を軽んじるような結婚式を、しかも金儲けのために行っている統一教会を許すことができません。

最近の統一教会

 最後に、最近〇〇の地域長婦人に聞いた話ですが、韓国の経済状況の悪化の影響を受けて、ハッピーワールドが倒産の危機にあるとのことです。その為に各地区に今年の2月27日の午前9時までに一律3000万円献金をするようにとの指令が出ているとのことです。また、統一機動隊というものが結成されて、元会員や教会を離れている人々を呼び戻そうとする動きがあるそうです。統一教会の最後の悪あがきによってこれ以上の被害者がでないこと願っています。

(この方は、マインドコントロールの仕上げが行われるべき「セミナー」や「トレーニング」が省略されたまま合同結婚式に参加したため、献金額の多さや相対者が理想に合わないことなどでつまづいたようです。また、反牧対策も弱かったようです)


霊感商法など統一協会による被害集計

商品名件数97年被害金額
印鑑4915,222,979
数珠・念珠269,117,600
1321,100,000
仏像・みろく像614,450,000
多宝塔210,800,000
人参濃縮液5322,605,550
献金・浄財372687,444,200
絵画・美術品125,020,000
呉服124,545,342
宝石類・毛皮4425,758,800
仏壇・仏具00
借入431,274,910,000
ビデオ受講料等583,742,800
内容不詳・その他10177,139,220
合計7912,171,856,491
*全国の消費者センターと弁護団が受けた相談の集計です。
*まったく報告がいただけなかった県が数県あります。
*1996年以前の被害集計は、全国弁連HPの「資料」にあります。
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