東ティモール・ニュース

1999年6月前半




6月1日
The Australian, Dili
武装集団が性奴隷制をやっている

 CNRT(東ティモール民族抵抗評議会)のある文書が、統合派武装集団が独立を支持する地域を一掃する作戦の一環として性奴隷制を行っている実態を描いている。
 文書は、CNRT第4地区長エテ・ウコ・テルバティムの署名入りで5月28日付けになっており、本紙が入手した。
 それによると、ディリの南60kmにあるハトリアという町の近くのウルメラ、ファヒ・レボ、レオレマの各村から女性が連行され、昼間は民兵のために強制的に働かされている。
 「夜には、女性たちは民兵のために彼女たちの体を提供することを強いられている」と文書はポルトガル語で書いている。
 またこの文書はその他の民兵の暴力の被害も書いている。 さらにこれによると、武装集団の政治部門である「統一・民主主義・正義フォーラム」のメンバーが5月24日グレノの警察署長と会い、国連チームがその町に到着する前に武器を民兵に隠させるようアドバイスした。

6月1日
Australian Broadcasting Corporation
国連、インドネシア政府に呼びかけ

 国連は、スタッフやジャーナリストの身の安全に対して暴力の脅しがなされていることについて、インドネシア政府が対応するように申し入れた。
 「ジャーナリストや国連スタッフに対してあからさまに脅しをかけている人々は、警察に逮捕されるべきであり、警察は彼らの義務を果たさなければならない。警察は、迫害と暴力のない自由な環境を維持しなければならない」 ウィムハーストは語った。
 
6月1日
Lusa, Dili
武装集団リーダー、ゴルカルの名簿に

 インドネシアの総選挙に向けたゴルカルの東ティモールの比例リストは49人をのせているが、エウリコ・グテレスはそのうち3位、ジョアォン・タバレスは17位、マヌエル・ソウサは22位になっている。

[マヌエル・ソウサは先日のNHKのETV特集に出た紅白鉄隊のリーダー(?)。東ティモールは議席は(今のところ)4つで、エウリコ・グテレスが議員になる可能性はないわけではない。]

6月2日
Australian Broadcasting Corporation
インドネシア軍、村人2人殺害

 ディリから車で東へ90分のところにあるベルマシ村で、インドネシア軍兵士により2人の村人が射殺された。村人によると2人は日曜日に兵士たちがトラックで通り去ったときに殺されたものらしい。国連はこの事件を非難し、調査している。

6月1日
AFP, United Nations
インドネシア、国連事務総長報告を拒否

 1日(火)インドネシアのマカリム・ウィビソノ国連大使は、国連事務総長の東ティモール報告を「誤解を生む」「バランスを欠いた」報告であると非難した。また報告が反独立派の暴力行為を非難し、インドネシアの軍と警察がこれらに対して何ら行動をとっていないと批判している点について、「インドネシアはこれらの批判を相当に深刻な問題だと受け止めており」、すでに政府は治安責任を約束しているのだから「軽々しくなされるものではない」と語った。

6月3日
Sydney Morning Herald
オーストラリア医師団、妨害される

 ハワード首相自らが交渉して赤十字国際委員会の監督下で仕事をすることになったオーストラリアの医師チームが、ディリでの仕事につけないでいる。 オーストラリア援助局によれば、医師チームは5月15日にディリに到着したが、インドネシア政府による制限があってまだ仕事を始められないでいる。なぜ医師たちは非政府系の病院(つまりモタエル・クリニック)で働けないのかとの質問に、スポークスパーソンは「わからない」と答えた。赤十字が公立病院に軍人がたくさんいることに不快感をもっているらしい。医師チームは今、バリにいる。

6月3日
Sydney Morning Herald
ビケケでの殺害が明るみに

 国連はビケケの町に有権者登録センター用建物の借用手続きのため訪れたとき、この2ヶ月間10人の独立派の住民が殺されたと住民が訴えているところの古い学校を検分した。
 その後ABCの記者がそこを訪れ、住民から、Tim 59-79と称する統合派武装集団がインドネシア軍特殊部隊のバックアップを受けて、その学校を拷問・殺害センターとして使っていたという話を聞いた。ABCの記者は犠牲者の名前のリストを見せられたと言う。その遺体は村の近くに埋葬してあるとのことだ。
 ビケケの警察はこの訴えを否定している。
 また国連支援団はリキサでの新たな誘拐事件を調べている。CNRTによると5月18日に20人の子どもと10人の女性が誘拐され、紅白鉄隊に拘束されているというのだ。統合派武装集団は、山に逃げた彼女たちの夫たちがリキサに戻り降伏することを求めており、そうしないと明日にでも女性・子どもたちを殺すと脅している。この主張は第三者的には確認できていない。

6月2日
Lusa, Jakarta
インドネシア、国連を非難

 ユヌス・ヨスフィア情報相は2日(水)あるい政府の会合で、フェイサル・タンジュン政治治安担当相が、国連が統合派だけに武装解除をもとめるのは公平ではないと語ったことを明らかにした。ヨスフィア情報相によれば、独立派はこのところ攻撃を強めており、すでに14回の民間人に対する攻撃、3回の軍に対する攻撃を行い、さらに2つの発砲事件、いくつかの建物放火事件に関与している。ハビビ大統領はこのバイアスに対して何らかの策を講じるようアラタス外相に指示した。
 UNAMETのデイビッド・ウィムハーストは「国連の努力に水をかけようとするディリにいる者たちからのまちがった情報だ」と、訴えを否定した。

6月2日
Lusa, Dili
アナ・ゴメス、被害者に会う

 2日(水)、アナ・ゴメスポルトガル利益代表部代表はディリのヤヤサン・ハック事務所で、東ティモールのNGO代表者100人と会合をもち、そこで人権侵害の犠牲者とも会った。
 彼女はルサに、バザルテテ地区で「殴られレイプされた女性のつらい話がとりわけ悲しかった」と述べた。
 その後、彼女は統合派の統一・民主主義・正義フォーラムと会談した。和解と対話が主なトピックだったが、フォーラムは8月の投票を受け入れると言われたと、彼女は語った。

6月2日
Catholic News Service
ベロ司教、状況を批判

 ベロ司教はもし平和が回復されなければ投票はしないほうがいいと述べ、インドネシア軍が独立に投票するかもしれない住民を一掃にかかっていると語った。
 「彼らは家を焼き、若者を殺している。その結果、独立を支持する住民の数は減っている。ディリで家が焼かれ人が殺されているのに、司法制度は機能していない。裁判にかけようという努力すらなく、責任者を投獄する試みもない」
 「みな恐れている。抵抗勢力はもはやディリにはあらわれない。あまりにも危険で、治安が保たれていないからだ。こうした状況下では平和で自由な投票を行うことはできない」
 ベロ司教のこの発言は、彼のアドバイザーであるアーノルド・コーヘンを通じて5月31日の声明においてなされたものだ。
 ベロ司教はその中で、ハビビ大統領とウィラント総司令官は統合派武装集団を投票前に武装解除すべきだとも述べている。
 「インドネシアは人々が自由に投票すれば負けることを知っている。だから彼らは自由な投票を不可能にするような戦略をとっているのだ」
 ベロ司教はさらに、インドネシア軍兵士と諜報部員が1000人以上も統合派武装集団の中に侵入しており、国際的な軍隊の駐留が必要だと述べている。
 「民兵の攻撃があったら、いつも彼ら(インドネシア人)はその中に入っている。彼らは民兵を背後から押し、命令を与え、そして彼ら自身が発砲してもいる」
 「国際的な軍隊がここには必要だ。警察部隊だけでは不十分だ。国際的な軍隊がすべての村と行政ポストに駐留する必要がある」
 そうベロ司教は強調した。
 ベロ司教はまた、インドネシア政府が、東ティモール州政府の役人が統合に賛成する署名をするまで給料を支払わないでいることも非難した。

6月3日
ロイター、ディリ
国連旗、はためく

 3日(木)国連の旗が正式にディリの町にはためいた。
 「われわれはこの瞬間を24年間、待っていた。今日は歴史的な日だ」と学生フランシスコ・ディオノシオ・フェルナンデスは言った。
 約3500人の独立派の人たちが国連旗の掲揚式にやってきて「東ティモール万歳」を叫んだ。
 インドネシア派の指導者ののった車が式典に到着するや、蹴られるなどした。
 群衆はイアン・マーティン団長の要請で平和的に解散した。
 目撃者によればデモの後二人が逮捕されたということで、デイビッド・ウィムハーストが警察に連絡をとっている。
 旗の掲揚式のあとで記者会見したイアン・マーティン団長は、国連が独立派をひいきしているとのインドネシア政府の主張を否定した。とくにフェイサル・タンジュン政治治安担当相(元国軍総司令官)が、統合派民兵だけ武装解除を求めるのは不公平だと述べたことについて、「武装解除の問題は、合意によって扱われている。合意上では、それは東ティモール民族解放軍も含んでいる。私はそれがすぐに東ティモール民族解放軍、インドネシア国軍、そしてすべての政治的グループを含むようになることを希望している」と述べた。
 一方、インドネシア政府はエウリコ・グテレスをディリ県長(?)に任命した。国連はこの任命についてはコメントをしなかった。

6月3日
Australian Broadcasting Corporation
オーストラリア医師、活動できず

 オーストラリアの外科医と麻酔医がインドネシアの官僚制と軍隊によって東ティモールでの仕事ができないでいる。
 オーストラリア援助局のスポークスパーソンは、医師チームはまずインドネシアの保健省の認可問題でもめたが、それが解決したのち、今度は(東ティモールの)病院に軍がたくさんいることと彼らに対する制限が多くて、活動できず、外科医と麻酔医は東ティモールを出て、インドネシアで東ティモールにもどれる日を待っている。
 チームの中の看護婦はディリにいて訓練、カウンセリングをすることが許されている。

6月4日
ソリダモル
独立派活動家、誘拐さる

 国連旗の掲揚式に参加しようとしたロペス・ダ・クルスの車が破壊された事件に関連して、ナザリオ・アムサ(32)という独立派活動家がディリのアロル地区で夜9時 45分ごろ、誘拐された。誘拐犯人は、目撃証言によると、アントニオ・ランボというアイタラクのメンバーで、ナザリオは骨折し、首のところがはれあがっている。
 現在ナザリオはまだアイタラクの司令部にいて、東ティモール学生協会(Impettu)のメンバーエスタクと国連スタッフコーリン氏がアイタラクの司令部を訪れ、国連へのナザリオの引き渡しを求めた。また国連は警察にこの誘拐と拷問の事件に対処するように求めた。
 ナザリオがロペス・ダ・クルスの車の破壊に加わっていたかどうかについては、ソリダモルの聞いたところではかかわっていないとの証言があがっている。
 一方、マテウス・マイアディリ県長は、国連はこの破壊事件について責任がある、なぜなら国連は平和を維持する責任があるからだ、と述べている。

6月4日
Lusa, Washington
米国務省、旅行に警告

 3日(木)米国務省は東ティモールとアチェへの旅行を危険だとして警告を発した。

6月4日
Australian Broadcasting Corporation
豪領事、任命

 東ティモール領事は元ソロモン諸島高等弁務官のJames Batleyが任命された。来週にも着任する。

6月4日
ソリダモル
国連:避難民は帰還を

 国連ティームのデイビッド・ウィムハーストスポークスパーソンは、西ティモールなど東ヌサ・トゥンガラ州に避難した東ティモール人に帰還するよう呼びかけ、一方警察には彼らの安全を保証するよう呼びかけた。
 一方、東ティモール全土にいる国内避難民(IDP)はカリタスの調査で44388人、インドネシア政府の社会福祉省の調査では14236人いる。また女性人権委員会は以下のような数字をあげ、避難民はビニールテントの屋根の下に暮らしている、飲み水が問題で下痢などのおそれがあるといった状況を指摘している。

東ティモールの国内避難民

県     難民の数          
Dili     2.579
Liquica   14.000
Maliana   12.000
Ermera   12.000
Manufahi    312
Atambua    400
Suai      3.000  

Sumber: Laporan Komnas Perempuan  
(出所:女性人権委員会報告)   

5月31日
Publico, Lisbon
アビリオ・アラウジョの第3の道

 「第3の道運動」を率いるリスボン在住のアビリオ・アラウジョ(元フレテリン海外代表部長、その後党を追放された)は、東ティモール人の多数が自治を選択するだろうと語った。住民はより安全な方法を選ぶだろうという予測だ。
 「第3の道運動」は投票に際してまだ細かなことを決めていないが、自治に対して条件付き賛成を与える幅広い戦線の一部となるだろうと彼は語った。
 彼は自治の改善をもとめるつもりだが、それはインドネシア軍の常駐を認めない、地域の行政府長の直接選挙、ポルトガル語圏諸国会議のオブザーバーステータス、二国間関係をむすぶ権限、国際金融機関との直接交渉の権限などを含んでいる。
 これは国連がポルトガル・インドネシアに提示した内容とほぼ同じで、その後インドネシアがそれをかなり希釈してしまった。
 アビリオ・アラウジョは、ポルトガル政府がどのような自治案であれ東ティモール人は拒否するであろうとして、インドネシアの自治案を了承してしまったことを批判した。

特別アナウンス
インドネシア政府厚生省東ティモール地方事務所、医者を募集

インドネシア政府厚生省東ティモール地方事務所は東ティモールではたらける医師を求めている。同事務所のクリシュナジャヤ氏によれば、今回の募集の任務期間は3ヶ月で、国連と世界保健機構(WTO)の保護のもとで働くことになっている。一月の手当は250万ルピア(約400米ドル?)。条件はまだ非常勤準公務員(PTT)または非常勤医師。連絡先は以下。Kanwil Jl Madukoro Blok AA-BB No8 , telepon 612324, 612426, faksimile 612329.(A18-14g)

6月7日
Lusa, Dili
ベロ司教、投票せず

 ベロ司教はインドネシアの総選挙で投票しなかった。教会があるレシデレ投票所所長が、投票受付終了後、明らかにした。

6月7日
Radio Australia
リキサは投票の行列

 リキサは統合派民兵によって3ヶ月間も支配されている。投票開始前からリキサでは住民が投票のため行列をつくっていた。しかし彼らの中に笑顔はなかった。投票所をトランシーバーをもった人物がうろうろしていた。彼は聞くと政府の役人でもないし民兵でもないと答えたが、投票所を出て住民に聞くと民兵がいたという人がいた。

6月7日
Lusa, Dili
国連スタッフ、脅迫される

 国連東ティモール支援団は雇ったローカル・スタッフに対する脅迫についてインドネシア当局に報告し、保護を与えられるとの保証をえた。デイビッド・ウィムハーストが7日(月)に語った。
 デイビッド・ウィムハースト自身も彼の通訳が6日(日)夜脅迫を受けている。

6月7日
Australian Broadcasting Corporation
エウリコ・グテレス、選挙に出馬

 エウリコ・グテレスは東ティモール州議会のゴルカル候補者となっている。また彼と彼の民兵たちは(政府の正式な警察予備隊となる)パム・スワカルサ(民間警備隊)に任命された。

6月6日
Washington Post
統合派、メガワティを支持

 先週、ディリでは2000人がメガワティを支持する行進を行った。最近のインタビューでメガワティは、「6月7日に総選挙をやって8月8日に投票というタイミングをみれば私は(直接投票を)遅らせるのに賛成だ」とコメントしている。
 東ティモールの闘争民主党代表のロニー・フタガウルは「メガワティは、真の問題を見よ、まず東ティモールを開発し、人権を尊重し、彼らを同等に扱おうと言っている」と語る。
 しかしレアンドロ・イザークは「もしメガワティが人々の決定を受け入れることができないのなら、この選挙には参加すべきではない」と言った。 皮肉なことに統合派の指導者たちは、メガワティの政策を支持するようになっている。
 バジリオ・アラウジョは「メガワティの支持者なのに独立を望むのは、まちがったレールに乗っているようなもの。彼女は交渉を振り出しに戻し、すべてが変わってしまうことだってある」と言っている。

6月7日
Sydney Morning Herald
州政府、統合を宣伝

 インドネシア占領下の東ティモール州政府は、その予算の10-20%をインドネシアとの統合を宣伝するために使うよう指示を出していたことが、リークした文書で明らかになった。
 本紙が入手した文書のコピーはアビリオ・ソアレス州知事が先月署名しており、州政府役人にキャンペーン用に現金を寄付するよう指示している。
 「すべての部局は、1999/2000年度予算から、チームが関係する部局すべてと協力して行う自治案の情宣のため10-20%を提供することが期待される」などと書いてある。
 国連支援団はこの文書をすでに見ており、その信憑性を確認しているところだ。 文書はさらに「投票に際し、われわれがもつすべての資金・潜在力を、成功に向けて最大限にすみやかに利用しなければならない」と書いている。
 イアン・マーティン支援団長は5日(土)、州政府役人がその地位を使って投票の選択肢について宣伝をすることを禁じている国連の合意が守られていないとの不満を表明した。
 

6月7日
Lusa, Lisbon
フィンランドがEUの議長国に

 フィンランドのサトゥ・ハシ協力・開発・環境相は、7月1日から12月31日までの半年EUの議長国をつとめるフィンランドは、東ティモールに特別な関心を払うと述べた。ハシ協力・開発・環境相は、ラモス・ホルタと2度会ったことがあり、インドネシアの占領期を通じて東ティモールでの事態の進展を関心を持ってフォローしていたと言う。

6月8日
The Age, Dili
エウリコ、民兵の再編を弁護

 統合派民兵組織の強硬派指導者エウリコ・グテレスは今日、彼の民兵組織が正式な警察の補助部隊となったことを弁護した。そしてそれは中立なものになるだろうと語った。
 東ティモール司令官トノ・スラトマン大佐は先週末、警察の補助部隊の役割を支持すると語った。
 国連の合意によれば民兵組織は解散するものとされており、人権団体は今回の組織の再編を「法的ナンセンス」と言っている。 エウリコ・グテレスはもし国連がスタジアムか何かにファリンティルを連れてくれば、われわれもアイタラクなどを連れてきて武器を置くことができるなどと語った。

6月8日
AP, Dili
コフィ・アナン演説を放送

 今週後半にも、コフィ・アナン国連事務総長の投票についてのあいさつがインドネシアのテレビとラジオを通じて東ティモール全土に放送される。

お知らせ

月刊『現代』(講談社)1999年7月号が、元共同通信記者で現在同志社大学教授(新聞学)の浅野建一氏のシャナナのインタビューを載せています。138-139ページ。ごらんください。シャナナは日本のように軍隊のない国にしたい(これは勘違いでしょう)、独立後の支援を各国に求めたい、日本には戦争賠償を求めないつもり、といったことを話しています。

6月8日
AAP
キリング・フィールド

 カトリック教会筋によれば、スアイの西18kmにあるサレレ村では民兵組織のメンバー自身が大量殺害が行われたことを報告した。 匿名の民兵組織メンバーによると、東ティモールの南西部では2月から4月にかけて400-500人の独立支持派の住民が殺害された。 サレレ村では、統合派民兵たちが住民を遠くへ連れていって殺し、コム・オアン湖、サヘナ湖といった湖に遺体を捨てたという。 「その中には山の方から来た者もいれば、ディリの者もいる。また近くのベトゥンという町の者もいる。彼らはそれを湖に捨てた。そこにはたくさんのワニがいる。だから彼らはその場所を選んだんだ」と教会筋は語る。

6月8日
Australian Broadcasting Corporation
豪国防省、インドネシア軍を批判

 オーストラリア国防省のヒューイ・ホワイトは、インドネシア軍が統合派民兵に武器を与え、また彼らを鼓舞していると批判した。

6月8日
Lusa, Dili
豪領事、到着

 オーストラリアの東ティモール領事に任命されたジェームズ・バトリーが東ティモールに到着した。1974年に豪領事館が閉鎖されて以来のことだ。

6月8日
Lusa, Jakarta
カーター、シャナナと会う

 8日(火)元米国大統領のジミー・カーター氏は民家に軟禁中のシャナナ・グスマォンと1時間にわたって会談した。カーター氏は東ティモール人が彼らの権利を行使できるよう平和で民主的な環境をつくることにあらゆる可能なことをしたいと語った。カーター氏は韓国のKim Keun Tae氏と南アの元首相Tokyo Sexwale氏という二人の元政治囚とともに、シャナナに面会した。
 カーター財団のコミュニケは、シャナナを東ティモール独立運動の認められた指導者であるとし、国連は東ティモールのインドネシアによる併合を認めていない点を強調するものだった。

FORTILOSは6月10日にジャカルタでロジャー・クラーク教授(ラトガース大学)による東ティモールの国際法的側面についての講演会を行う。クラーク教授は長年東ティモールを国際法的にみてきた専門家。シンポジウムにはハビビ大統領の外交顧問であるデウィ・フォルトゥナ・アンワル氏、人権弁護士のアブドゥルハキム・ガルダ・ヌサンタラ氏、ルフト・パンガリブアン氏なども参加。ベロ司教も招待されている。

6月9日
Lusa, Dili
インドネシアのリエゾン大使

 インドネシア政府の東ティモール問題リエゾン委員会の代表をつとめるアグス・タルミジ大使は、9日(水)ディリで軍・警察関係者と会談したのち、記者たちに、国連と協力し、民兵問題などに取り組むことを明らかにした。
 記者にエウリコ・グテレスが民間防衛隊の隊長に任命されたことについて、タルミジ大使は、問題はグテレスより大きい、などと答えた。「エウリコ・グテレスだけじゃない。投票の失敗を導こうとする者たちすべてが問題だ。われわれはこの問題に対処する策を講じる」と語った。

6月9日
Australian Broadcasting Corporation
インドネシア軍、警戒態勢で増派

 今日、記者会見でトノ・スラトマン大佐は、東ティモール周辺の空域に所属不明の飛行機の飛来が5回あったこと、またヘリコプター離着陸施設をもった船が目撃されたことを明らかにした。さらに軍による監視では、東ティモールの東南部で、プーマ・ヘリコプターが2度着陸したことも報告されている。これらの侵入は独立派ゲリラへの武器搬入ではないかと疑われている。
 スラトマン大佐は、ウィラント司令官が、空軍と海軍に東ティモール周辺域を警備するよう命令したことを明らかにした。

6月9日
Australian Broadcasting Corporation
フレテリン、ダーウィンにラジオ局

 フレテリンのマリ・アルカティリは、ダーウィンに東ティモール向け放送を行うラジオ局を設置すると語った。放送は3言語で行われ、来月初めには始まる。

6月9日
Lusa, Lisbon
ポルトガル先遣隊、出発

 東ティモールへのポルトガル政府オブザーバー訪問を準備する先遣隊が、来週月曜日出発する。

6月9日
Lusa, Dili
東ティモールではゴルカル先頭

 9日午前8時、開票率60%で、東ティモールではゴルカルが55.6%と首位にたっている。闘争民主党は30.8%で2位。3位は(以前からの)民主党で3.1%をとっている。

6月9日
ロイター、ディリ
警察署長、エウリコを弁護

 エウリコ・グテレスがディリの民間防衛隊隊長に任命されたことについて、東ティモール警察署長ティンブル・シラエン大佐(警)は、「私はエウリコ・グテレスがいかなる掃討作戦もやったとは聞いていない。もしそれが起きて法律が違反されたら、それは警察に報告されなければならない」と語り、エウリコは罪をおかしていないと弁護した。
 4月17日のディリでのアイタラク(統合派民兵組織)の行動をみた目撃者たちは、彼が配下の者たちに「インドネシアとの統合を裏切ったすべての者を一掃するように」「必要ならつかまえて殺せ」と命令していたと言っている。
 国連支援団はグテレスの任命文書を検討しているところだ。
 シラエン大佐は国連は根拠のないうわさでもって警察に調べるように行って来ることが多いと不満を述べた。「国連から受け取った80件のうち、たったの2件だけが事実だった」と語った。そして国連に訴えの情報源をあかすよう求めた。

6月9日
ロイター、シドニー
準備は時間との闘い

 国連は今週ダーウィンに、機材・資材を搬入する供給センターを開いた。携帯電話、事務用品からコンピューター、エアコンまですみやかに調達し送らなければならない。
 400人の国連ボランティアと272人の文民警察官、60人の軍事連絡要員は、ダーウィンで訓練を受けたのち、東ティモールに出発することになっている。 とくのボランティアの派遣は急務だが、それには400台のジープが必要でこれがないと東ティモールの中を動けない。ジープは6月25日から10日間でディリに空輸される。
 ダーウィンとディリの間はハーキュリーズC-130輸送機が資材・スタッフの輸送にあたっている。

6月11日
ソリダモル
メガワティ、投票を保証

 ソリダモルに近いメガワティ支持者によると、闘争民主党が選挙に勝った場合、東ティモール問題解決のための投票を遅らせることはもちろん、交渉を切り直すことはないということだ。メガワティが対外的に締結された協定には忠実であるだろう、ということらしい。

6月10日
Australian Broadcasting Corporation
国連脅迫される

 デイビッド・ウィムハーストUNAMET報道官は、支援団があらゆる種類の脅迫を受けていることを明らかにした。ディリの支援団本部は郊外にある学校を使っているが、木製のバリケードが2つと1人か2人の制服を着たガードマンが立っているだけだ。地方では国連職員はまったく危険にさらされているといえる。

6月10日
Australian Broadcasting Corporation
ホルタ、東ティモールへ

 ジョゼ・ラモス・ホルタは7月10日頃、ノーベル平和賞受賞者とアメリカ人俳優と一緒に、インドネシアが許可しようがしまいが、東ティモールに行くと語った。同行者は彼の身の安全を確保するため。

6月10日
AFP, Dili
国連スタッフの展開

 デイビッド・ウィムハーストUNAMET報道官によれば、これから国連はスタッフを東ティモール全土に展開する。
 300人以上のスタッフがダーウィンで研修を受けた後、11の地域(県)に配置される。国連ボランティアはダーウィンで2日間の研修を受ける。その後、96人がディリ、アイレウ、リキサに、66人がバウカウ、マナトゥトゥに、28人がロス・パロスに、 28人がビケケ、44人がマリアナ、76人がスアイ、22人がオイクシ、40人がエルメラに行く。
 8つの町には登録センターが設置される。それらはディリ、バウカウ、ロスパロス、スアイ、オイクシ、マリアナ、エルメラ、ビケケである。 

6月11日
AFP, Dili
登録所開設

 来週月曜日、ディリに最初の登録所が開設される。ただし登録作業がいつ始められるかは明らかでない。イアン・マーティン団長は、安全な選挙キャンペーンをする条件はまだ存在していないと言っている。

6月11日
ロイター、国連
軍事連絡要因50人を承認

 インドネシアは軍事連絡要因を50人、承認した。

6月12日
Sydney Morning Herald
国連、治安に懸念

 イアン・マーティン国連支援団長は、10日(木)に東ティモール州政府、地方軍司令官、警察署長らとの会合で、とくに2県において治安が芳しくないとの問題を提起した。
 2県とはボボナロ県(マリアナが県庁所在地)とスアイ県だ。州政府はこの2県で治安上の問題があるというイアン・マーティンの報告を否定した。 デイビッド・ウィムハースト報道官はこの返答に対し、「スアイに問題があることはみんなが知っている。地方政府がそれを確認できないということが、解決すべき問題があるということを意味している」と記者会見で語った。
 今月初め、カトリック教会筋は、2月から4月にかけてスアイにおいて統合派民兵が500人にものぼる独立を支持する住民を殺害し、ワニのいる湖に投棄したと発表した。
 デイビッド・ウィムハースト報道官は、登録を行える十分な安全はまだ確保されていないと語った。
 メアリー・ロビンソン国連人権高等弁務官は、エウリコ・グテレスの警察補助部隊任命は「自由で公正な投票という展望に確信をいだかせなくするものだ」と非難した。

6月11日
Lusa, Canberra
ホルタ、東ティモールへ

 ジョゼ・ラモス・ホルタは7月10日頃、ベティ・ウィリアム(アイルランド)、オスカル・アリアス(元コスタリカ大統領)、リゴベルタ・メンチュ(ガテマラ)の3人のノーベル平和賞受賞者とともに東ティモールに行くつもりだと述べた。この旅行は、東ティモール人指導者に移動の自由を保証した5月5日の合意にもとづくものだと語った。

6月11日
Lusa, Lisbon
ポルトガル派遣団

 10日(木)ポルトガル政府は、派遣団の最初の一団が7-10日以内に東ティモールに行くことを明らかにした。ポルトガル派遣団は40人で構成され、団長はペレイラ・ゴメス元国防相。

6月11日
国連安保理決議1246

骨子

1. UNAMETの設立を決定する。任期は8月31日まで。
2. 280人の文民警察官任命を承認する。
3. 50人の軍事連絡要員任命を承認する。
4. 政治部、選挙実施部、広報部を設置する。
5. ポルトガル、インドネシアが同数の代表団を送る。
6. 事務総長がインドネシア政府と派遣団の地位についての取り決めを早急に締結することを歓迎。
7. すべての方面が派遣団に協力するよう呼びかけ。
8. 投票方法を了承。
9. インドネシア政府の治安に関する責任を再度強調。
10. インドネシア政府の閣僚級代表団決定を歓迎。
11. 武力行動を非難する。
12. すべての方面に投票実施の条件づくりを求める。
13. 平和・安定委員会が機能するよう求める。
14. 事務総長に安保理に継続して報告するよう求める。
15. 問題に関心を継続して払うことを決定。

6月11日
Africa News Service
ザンビアから32人が支援団に

 11日(金)ザンビアの国連コーディネーターは、ザンビアから32人がUNAMETに参加すると発表した。アフリカの国としては最大の参加者数となる。ウガンダからは10人が参加する。

6月12日
AFP, Dili
支援団、新聞広告を開始

 今日から8月8日まで、スアラ・ティモール・ティムール紙の最後のページに、投票についての国連の宣伝がインドネシア語、英語、ポルトガル語、テトゥン語でのることになった。

6月9日
英、文民警察を7人派遣

 ジェフ・フーン英外務政務次官は、東ティモールに出発する7人の文民警察官に会った。

6月11日
AFP, Jakarta
CGI日程決まる

 インドネシアへの援助国・機関が構成するインドネシア協議グループ( Consultative Group on Indonesia)の年次会合が7月28-29日、パリで行われることが発表された。

6月12日
Antara, Lisbon
アビリオ・アラウジョ、国民党を結成

 元フレテリン党首のアビリオ・アラウジョは、8月8日以後に、ティモール国民党(Partido Nacionalista Timor)を結成すると語った。インドネシア領内の自治を最善とする主張をかかげる。

6月12日
AP, Washington
米文民警察は30人

 アメリカは東ティモールに30人の文民警察と3人の軍事連絡要員を派遣する。

6月12日
Kyodo, Dili
民兵殺される

 12日(土)、インドネシアの警察はインドネシア派の民兵が一人殺害されたことを明らかにした。ベロ司教宅前の海岸で住民が死体を発見した。エウリコ・グテレスはファリンティルが背後にいると語った。二人の国連スタッフがアイタラクの本部をおとずれ、弔辞をのべた。

6月13日
The Sunday Observer [Guardian UK]
州政府の合意違反

 本紙はソアレス東ティモール州知事が「ソシアル・セイフティ・ネット」用予算を自治宣伝のために使うことを許可した文書を入手した。文書は、州知事がエウリコ・グテレスの民兵組織などに資金を与えることを承認したことをうらづけるものだ。 予算は食糧供給、住宅改善事業など用だが、25%しかまだ使われていない。残りは腐敗した役人によって横領された可能性もある。

6月13日
インドネシア、ホルタの東ティモール入りを不許可

 インドネシア外務省は声明を発表し、5月5日の合意にしたがって、ホルタを東ティモールには入れないことを明らかにした。合意では「外国に居住する東ティモール人はそれぞれの居住する国で国連が投票を行い、そこでは彼らは彼ら自身のキャンペーンを行い、票を投じることが自由にできる」と書いてあり、これは東ティモールで自由にキャンペーンできないことを意味しているとインドネシアは主張している。

6月13日
FORTILOS, Jakarta
アニセトの家族、襲撃される

 6月8日(火)、ダダルス紅白隊(民兵組織)がボボナロ県マリアナ郡メモ村の、アニセト・グテレスの両親の自宅を襲撃した。アニセト・グテレスはディリの人権団体ヤヤサン・ハックの代表。家族数人がけがをした。何人かがマリアナの軍司令部に拘束されている。
 民兵たちは家を囲んで石を投げた。中から人が逃げようとしたところをつかまえて虐待した。
 アニセトはメモ村の村長の一件を行政裁判所に訴える手伝いをしたことがあり、村長はその後ボボナロ県長によって解雇された。ボボナロ県長は人権活動家はボボナロに来るなと警告を発しており、「もし来たら対処する」とおどしていた。

6月13日
AFP, Dili
国連ラジオ番組始まる

 13日(日)の夜から、国連は投票についてのラジオ放送を開始した。これから毎回1時間、英語、インドネシア語、ポルトガル語、テトゥン語の4言語で1日3回、8月31日まで放送が行われる。そのための翻訳官が12人いる。 担当者によればカンボジアでは1日15時間の放送をやって、脅迫などを克服するのに役に立った。今回の東ティモールではそれより時間数は少ない。インドネシア国営ラジオ放送との協定によって運営されている。

6月14日
ソリダモル

 東ティモールの投票に際するインドネシア人、東ティモール人への平和の呼びかけ、と題するパフォーマンスがジャカルタで18日に行われる。音楽には今年初めに来日して「マルシナは訴える」(一人芝居)を上演したラトナ・サルンパエットさんが参加する「サトゥ・メラ・パングン」(劇団)も登場する。

6月14日
Australian Broadcasting Corporation
文民警察隊長はオーストラリア人

 国連の東ティモールへの文民警察隊長として、オーストラリア人の退役警官、アラン・ミルズ氏が任命された。

6月11日
MateBEAN
アイタラクの襲撃事件

 統合派民兵組織の暴力はおさまらない。
 今日、6月11日、ディリ郊外のヘラを拠点とするマテウス・デ・カルバリョ率いるアイタラクのメンバー一団が、工科大学の教員であるチピリアノ・デ・ロザリオ・ペレイラ(29)を襲撃した。
 チピリアノは独立派の重要な活動家とみなされ、追跡を受けていたが、そのたびに逃げていた。
 今回は、薬局にきたチピリアノを民兵らがつかまえようとして、チピリアノは車で逃げた。民兵が彼らが5月17日に工科大学から奪った車で追跡してきたので、チピリアノはベロ司教宅に逃げ込んだ。民兵らの車はベロ司教宅の門の前でストップした。 民兵らは中に入ったが、用事はと聞かれ、シスターに会いに来たといったものの、シスターの名前が言えず、すごすごと帰った。
 しかしこのアイタラクのヘラ隊は、工科大学の学生2人を寮でつかまえている。

6月12日
MateBEAN
インドネシア軍が有権者を確認

 インドネシア内の主要都市でも東ティモール人の投票が行われるが、まだ国連による有権者登録は始まっていない。しかしインドネシア軍はすでに学生たちを訪問し始めている。
 6月10日、チレボンの東ティモール人学生たちを地域の司令部の軍人がやってきて調査した。
 バンドゥンでは6月9日夜、東ティモール学生協会(インドネシア政府がつくったもの)のバンドゥン支部長が外務省から電話を受けた。その夜にでも会いたいということだった。公的な面会は昼間にすべきで別の日にしたいと言ったので、6月13日の夕方に会うことになった。
 一方、ジャカルタのタンジュンプリオク(港湾地区)では、東ティモール人労働者が数十人集められて、自治案についての説明を受けた。またジャカルタ証券取引所で働いている東ティモール人も集められた。命令はザッキー・アンワル・マカリム少将とプルワント大佐という二人の戦略情報部(軍の情報部)員から出ているという。

6月14日
AFP, Dili
手榴弾(地雷?)で子どもが死亡

 14日(月)遊んでいた子どもが手榴弾を踏んだため死亡した。死者は3人のもよう。(その後の報道では2人、1人は負傷。)ベコラ地区での目撃者は地雷だったと言っているが、手榴弾だったとの住民もいる。ベコラ地区は統合派民兵の拠点になっていた。

6月15日
Sydney Morning Herald
東ティモール州政府700万ドルを自治の宣伝に

 東ティモール州政府は、貧困層対策用援助の700万豪ドル以上を、自治の宣伝と民兵組織支援のために使う計画であることが、本紙が入手した文書によって明らかとなった。アビリオ・ソアレス州知事によって今月署名されたこの文書は、例えばアイナロ県長に対し、ハビビ大統領がソシアル・セイフティ・ネットプログラム用に配分した30億ルピア(20万豪ドル)を自治宣伝のために使っていいとしている。
 外交官やアナリストたちは、もしこれらの文書が本物であることが示されれば、インドネシアを金融危機から救うためかなりな額をあたえたオーストラリアなどの諸外国からの国際的援助金の濫用になるだろうと言っている。
 オーストラリアインドネシアに人道的援助として4500万豪ドルを供与している。
 もし政府資金が自治案の宣伝に使われていたとしたらどうかと問われて、国連のデイビッド・ウィムハースト報道官は「それはまったく禁止されていることだ」と述べた。
 また報道官は、住民投票に向けてのキャンペーンは7月20日に始めることになっているとして、東ティモール州政府職員が全土で自治案の宣伝に参加していることを批判した。
 彼は、政府役人は、自治案支持であれ反対であれ、政治的なキャンペーンに参加することは禁じられていると述べた。
 アンベノ(オイクシ)については、その文書は、1999-2000年度用ソシアル・セイフティ・ネットプログラム資金の20%を「社会化」にまわすことをすすめている。「社会化」は政府部内で自治の宣伝を行うことを指す用語だ。
 またさらに5%をパム・スワカルサ(警察補助民間人部隊)に提供する。これは最近の政治的暴力事件に関与した頑固なインドネシア派民兵組織を含んでいる問題となっている治安部隊だ。
 国連東ティモール支援団(UNAMET)は、この警察補助部隊の合法性に疑問を呈しているが、正式な返事はインドネシア政府に対してまだ出していない。
 また2番目の文書は1999年5月21日付けで、ロスパロス県について同様な割合のお金を使うよう指示したものだ。
 文書をみた専門家たちは、東ティモール全土では700万豪ドルぐらいが政治的活動のために使われるだろうと言っている。

6月14日
Lusa, Dili
統合派の葬式

 13日(日)ディリで行われた統合派民兵の葬式に、1000人が集まった。エウリコ・グテレスは行進に先立ち、平静をたもち規律を守るよう訴えた。葬式は、11日(金)にディリのレシデレ地区の海岸で体中を刺されて死んでいるのを発見されたインドネシア人の移民者、ムハマッド・アリ(30)のものだ。

6月15日
AFP, Dili
独立派指導者ジャカルタへ

 CNRTの現地指導者、レアンドロ・イザークは15日、ジャカルタへ向かった。シャナナと面会してファリンティルの武装解除問題を論じる。国連のタムラト・サムエルも同席する。
 インドネシア側の派遣団長であるアグス・タルミジ大使は武装解除の行動規定をいそぐべきだと語った。「この条件がないと、誰もが好きなことをやれ、際限がない。遅くなったが、彼らは何かを結果として出さなければならない」と語った。

6月16日
Sydney Morning Herald
インドネシア政府、援助金濫用を制止

 ハビビ大統領の外交顧問デウィ・フォルトゥナ・アンワル氏は、昨日、政府はソアレス東ティモール州知事の国家予算を自治案宣伝に使いたいという要望を却下したことを明らかにした。まだデウィ氏は、東ティモール州政府についてはたくさんのクレームを聞いているとも語った。
 キャンベラでは、外務大臣の報道官は、オーストラリアのインドネシアへの援助が誤用された証拠はないといった。なぜなら援助は契約されたプロジェクトマネージャーと多国間組織を通じておこなっており、インドネシア政府を経由していないからだと語った。

6月16日
Sydney Morning Herald
投票は延期か?

 オーストラリア政府は投票が8月8日に行われることを依然として望んでいる。そのためにダウナー外相は、さらなるロジスティックス面での支援を行いたい希望だ。

[報道ではオーストラリア外相が2,3週間の延期を望んでいるというようなことが言われていますが、先日、在東京オーストラリア大使館の人と話した時には、これはマスコミが話をつくっているので、実際は8月8日に行われるよう望んでいるということでした。しかし、確かに8月末ぐらいに延期されるとのうわさは絶えません。]

6月15日
米国務省の声明[骨子のみ]

 民兵活動をインドネシア軍が支援しているとの膨大な証拠がある。国連事務総長が6月20-22日に安保理への報告を行う前に、インドネシア政府がこられ民兵を掌握し、東ティモールの治安問題に取り組むことが決定的に重要だ。またインドネシア政府に対しては、ジョゼ・ラモス・ホルタとシャナナ・グスマォンを東ティモールにもどし、投票に参加させることを求める。

6月16日
AFP, Jakarta
インドネシア、ホルタを入国拒否

 16日(水)アラタス外相は、ジョゼ・ラモス・ホルタにビザを発給しないと述べた。外相は、協定にしたがってそうすると述べているが、外交筋は亡命東ティモール人の帰還を阻止する条項は協定にはないと言っている。また火曜日には、米外交官が、ジョゼ・ラモス・ホルタの東ティモール帰国を支持すると発言したばかりだ。また同外交官はシャナナが投票に参加したいと言ったらそれも支持すると述べた。 一方、元フレテリンのアビリオ・アラウジョは自治を望んでいるが、インドネシアを訪問することになっている。

6月16日
BBC
国連、州政府予算濫用を確認

 UNAMETのデイビッド・ウィムハースト報道官は、州予算の一部を自治案宣伝のために使えるとしたソアレス州知事が署名した文書を見たと語った。そして、これはインドネシア・ポルトガル合意に反することで、国連はすでにインドネシア政府に合意による制限について州政府役人に伝えるよう申し入れたと語った。

6月18日
Sydney Morning Herald
支援団長、民兵の武器を発見

 イアン・マーティン国連支援団長は昨日、西部の統合派民兵組織によって誘拐されたという村人たちについての報告をみずから調査した。リキサへの訪問では、民兵の不法な訓練に遭遇し、また手製の武器を発見した。
 「紅白鉄隊の訓練など予想もしていなかったし、また武器はもっていないと彼らは言っていたにもかかわらず武器が発見された。これは警察にすでに問題として言ったことだ」とイアン・マーティンは語った。
 国連の難民機関によると、最近のリキサでの暴力行為で3000人が避難民となっている。

6月17日
AP, Sydney
ホルタ、遅延を支持

 ジョゼ・ラモス・ホルタは17日(木)、投票日を遅らすことを支持すると語った。

6月18日
AFP, Dili
国連、殴打、放火、訓練を目撃

 イアン・マーティン団長は18日(金)、「われわれのチームは紅白鉄隊のことなる部隊が、インドネシア兵によって同伴され、ないしは実際に直接指示されながら、この地域で作戦を行っているところに遭遇した」と語った。 訓練は17日(木)にリキサで目撃されたものだ。 3番目の民兵グループは「個人の財産を燃やし、老人を襲撃し、レオテラ村の村人を追い出そうとしていた」と彼は語った。

6月17日
Lusa, Jakarta
シャナナ、アビリオ・アラウジョと会う

 シャナナは17日(木)アビリオ・アラウジョと会った。内容は報告されていない。

6月15日
Kompas
インドネシア、メディア・センターを設立

 インドネシア政府の投票実施対策団は、インドネシアの情報省と協力して、東ティモールにメディア・センターを開設した。センターの目的は内外のマスコミに対して自治案をより深く理解してもらうための情報源などを提供することである。マスコミ報道がバランスがとれ、社会に混乱を引き起こさないようにする。

6月17日
ソリダモル
独立派活動家、裁判にかけられる

 先月、ハロラで統合支持者の大量埋葬地が発見されたという事件に関連して、6人の独立派活動家が今日からディリで裁判にかけられる。6人は以下のとおり。

Carlito Gomes Martins (20)
Romanus Bere Mau (23)
Caesar de Araujo(23)
Agapito da Silva (26)
Dominggos Lemos Ximenes (22)
RadianoMartins (17)

 また別な5人が泥棒、鋭利物保持の罪で裁判にかけられる。

Claudia Xavier(47)
Saturnino dos Santos (26)
Julio Fernandez (27)
Manekas Xavier (27)
Eduardo de Deus Barreto (48)

 この5人は民兵の攻撃をのがれてエルメラ県長のコンスタンティノ・ソアレス宅に逃げ込んだが、県長は彼らに警察に保護を求めに行くようにいった。結局、警察で彼らは拘留され、ある犯罪事件の証人にさせられてしまった。その事件の犯人が誰だかは教えられてもいなかったという。
 ヤヤサン・ハックのルイ・ペレイラは、これら11人が裁判にかけられるというのがら、警察の中立性が疑われる、どうして独立派だけを裁判にかけるのか、統合派は殺人をおかしても何もされない、と言っている。

6月19日
Sydney Morning Herald
国連、ファリンティルによる人質を釈放

 18日(金)国連支援団と国際赤十字は、ファリンティルの人質となっていた民兵2人の釈放を交渉で救済した。1人は警官でリキサのレオタラ村で釈放された。 インドネシア政府の投票実施対策団は、先週の声明で、ファリンティルが人質にしている36人を返還するよう求めた。


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