日産/富士重工 (R5) 新スペースアロー

リムジンバスでは96年以降集中導入をしていた日産・ユーロツアーが生産中止になることから、日産の後継車種になる新スペースアローが導入される事になった。
1999年〜2000年に木更津線や成田線用にKC-RA531型が富士重工の7Mボディで数台導入されたが、2000年6月にKL-RA552型が日産から出ると、ボディも富士重工の1M(21M)という新しいデザインになり、リムジンバスでもこの型が集中導入された。
独特の見た目からリムジンバスでは「でこっぱち」の愛称で親しまれた。
このKL代(排ガス規制の世代)からは日産車だけでなく、三菱ニューエアロバスや日野セレガRが5年ぶりに導入されることになったが導入台数は「でこっぱち」が多く、ユーロツアーとならび「でこっぱち」もリムジンバスを代表する車種であった。
「でこっぱち」は2000年11月から導入が始まり、2002年5月にL310-312が箱崎にL611-612が昭和島に入るまでの約1年半に渡り導入されたが、ボディを作っていた富士重工がバス事業から撤退したため、2002年10月からは同一のKL-RA552型で名前もスペースアローのままだったが、西工ボディになり、親しみある「でこっぱち」から精悍なフロントにかわり、見た目が全く違う姿になった。

リムジンバスの「でこっぱち」は、ユーロツアー同様、乗降扉と荷物室のロックが連動しており、乗降扉を閉めると「スコンッ」と荷物室へロックがかかる音がするのが特徴。

珍しく「でこっぱち」は路線車(限定)のみの導入で貸切車としての導入はなかった。

〜でこっぱちの変化〜
「でこっぱち」は大きくわけ、下記の7つの変化があった。
(1)黒バンパー・リアスポイラー付で導入

(2)01年から正面にLED行先表示採用(4月導入車は後付)・黒バンパー・リアスポイラーなし

(3)直結タイプでないサブエンジン冷房仕様が箱崎事業所の羽田線用に導入

(4)01年11月よりバンパーがオレンジに

(5)04年4月頃から全車フロントガラスに飛び石防止設置

(6)04年秋頃から公式側後方エンジンルームに全車ルーバー増設

(7)黒バンパー車がオレンジバンパー+パンダライト(黒ぶちのヘッドライトベゼル)に

「でこっぱち」は変化の少ない車両で、内装の変化は床の色くらいしかなく、外見が黒バンパー(のちのパンダライト)かオレンジバンパーか。リアはリアスポイラーがついているか、いないかだけの変化しかなかった。
路線車としては前面の行先表示LEDやHIDヘッドライトなど、その後に受け継がれる装備をはじめて施した車両でもある。

〜でこっぱちの運用〜
2000年頃から始まった東京空港交通の羽田空港からの都心以遠の路線拡大には欠かせない車両で、当時「新しい車両」として遠距離・中距離路線にも積極的に投入され、長期間に渡り活躍をした。

00年12月開業:水戸・日立(2ダイヤ)、桐生(1ダイヤ)、宇都宮(3ダイヤ)
01年2月開業:大網(2ダイヤ)
は開業時から「でこっぱち」が充当
00年11月に8台の「でこっぱち」が初めて導入されたが、そのうち6台は12月開業の路線に充当されていたことがうかがえる。
(導入時充当ダイヤの例:C43 羽田15:20新宿1〜回送〜羽田19:15日立4:10羽田)
高崎・前橋・太田はユーロツアー(L615-619)が初代の専用車で、太田は桐生開業に合わせ「でこっぱち」が充当。高崎・前橋は暫くしてから「でこっぱち」に置換になった。
L635-639のニューエアロバスが所沢線を離れ長距離に入りだしたのも、L694-695のセレガRが宇都宮線に充当されたのも2004年頃であり、それまでの間は流通(平和島)長距離線=「でこっぱち」専属だった。
当時の流通は嘱託社員のみで、殆どが羽田線担当であったため、所属車両もトイレなしユーロツアーばかりだったので、遠距離路線はトイレ付の「でこっぱち」が必然的に充当された。

「でこっぱち」が導入されていた期間は津田沼・宇都宮・日立・桐生・大網・亀有・吉祥寺・所沢・国分寺・中野と羽田からの新路線ラッシュの時期であり、多くの路線の開業式典にも600番台の「でこっぱち」が登場した。
共同運行の関係上、津田沼・亀有・国分寺はトイレ無車が多く、所沢のみエアロバス(L638-639)が専用車となっていたが、それ以外の路線では「でこっぱち」が活躍していた。
このような路線拡大のため、昭和島所属の52席の「でこっぱち」が路線が開設される度に流通へ転属していく状況で、確かではないが2002年早々には580番台(10252R5)が後半にはL525〜(11152R5)の車両が転属していた。
「でこっぱち」は、羽田からの中・長距離路線を一手に引き受けている平和島事業所(流通)で、まさに一時代を築いた車両である。

導入時は大栄・昭和島所属車では全車本線(成田線)運用に充当、箱崎はサブエンジン車のみ羽田線運用で残りは本線運用。流通で成田に行く運用は、その後ごくわずかに出来たばかりの頃で、そのわずかな運用に加え、羽田長距離線運用に充当されていた。
(箱崎の成田線ダイヤ 新宿駅西口6:00発成田行は箱崎在籍中、長期に渡り最後まで充当されていた)

昭和島の補助席付52席車両の流通への転属はさらに続き、2004年末にはL532-534と西工のL590の4台を残すのみとなっており、当時昭和島の成田戻りダイヤが担当していた、共同運行路線(補助席付限定運用)の18:35多摩(D)、19:35多摩(D)と小岩(T)の3運用に充当のために残っているような状況であった。2017年現在は成田戻りのダイヤが多くの羽田発共同運行路線に入っているが、当時共同運行路線へは3運用しかなく、「でこっぱち」が活躍をした2000-2017年の間での羽田発の各路線の拡大と発展がうかがえる。まさに「でこっぱち」があっての羽田発の路線拡張だったといえよう。

2004年春頃の流通の成田本線ダイヤは9本(うち羽田線付は新浦安の1本のみ)しかなく、これと別に宇都宮3本の頭に成田往復がついており、トイレが必要で運賃箱が不要なこの12ダイヤにも「でこっぱち」(とL694-695のセレガR)が張り付いていた。
ちなみにこの時期、羽田19:35発は日吉・小岩・多摩と3台の「でこっぱち」が同時に並んで出発する「トリプル・デコ出発」の場面が毎日のように見られた。

L304→L260→L579
羽田が新路線ラッシュで沸いていた頃、2002年3月に成田地区からも遠距離路線として開業した熊谷・伊勢崎線の初代専用車も、箱崎にL304 として導入された後、新路線に合わせすぐに大栄に転属になったL260の「でこっぱち」であった。(2003年にM86のL226/227が導入されるまでの2年間に渡り専用車)
このL304->L260は転属の多い車両でその後L579として流通に転属することになり、転属後暫くしてから長年通いなれた熊谷(羽田〜熊谷線)に充当されることもあった。L579は最後には昭和島常駐の訓練車になったことから4運行事業所全てに所属した初めての車両ではないだろうか。合わせて、王道の成田本線運用から、地方路線に至るまでありとあらゆる路線で運行された貴重な車両といえよう。最後は羽田地区の訓練車にもなっていたため、定かではないが行ったことがないのは「草加・新越谷」「ふじみ野」「新横浜」「市川・行徳」と「豊洲〜錦糸町」くらいではないだろうか?

〜でこっぱち・流通に集中〜
箱崎・大栄では導入後長きに渡り活躍を続けたが、昭和島の車両は、2005年からのAT車(R2)が大量導入された後に、流通に転属が加速化し(2010年には完了)、流通には羽田地区の「でこっぱち」が一手に集まりかなりの大所帯(39両)となった。羽田発着の長距離運用も流通へのAT車導入(2012年頃は殆どがAT車)で運用を順次ゆずりはじめ、2014.3頃にエアロエースが長距離線に投入されるようになってからは、完全に長距離路線からは撤退した。

〜でこっぱちのラストスパート〜
2014年以降流通に所属していた初期車両01152,10252が運賃箱も外され再び本線運用に戻り、特に当初昭和島所属で本線運用だった580番台の車両は成田空港に久々に姿を見せる形になり、最後にふさわしい活躍の場が与えられた。
大栄や昭和島では古参車が入らないYCAT線にも流通運用では入ることがあり、この頃久々にYCATで「でこっぱち」を見ることもできた。

そんな「でこっぱち」も13年度から廃車が始まり、14年度からは置換が本格化した。
2014.12には箱崎のL305,306,311が、久しく「でこっぱち」が1台もいなくなっていた昭和島に転属しL592,593,594となり(別途流通にも1台。流通から箱崎にも1台転属)、この3台も昭和島ダイヤの本線運用に入り、懐かしの路線で最後の活躍をすることになった。
2016.3.9のバスタ開業直前から大栄のL211に加え、昭和島に転属したL593,594にもバスタラッピングが施された。この2両はある程度ダイヤも固定化され運行回数の多い羽田線ダイヤで最後の花道を飾る形となった。バスタにも良く登場し、バスタ開業のタイミングであったため、その姿を目撃されることも多かった。
2015年3月からはL533も流通から昭和島に転属し運賃箱付で羽田線で運用された。
「でこっぱち」導入時の昭和島ダイヤでは全車本線用だったので、昭和島の運賃箱付で羽田線ダイヤに投入されたのは導入後14年目にして初めてだった。
2015年に入ってからは、流通へ転属したL518が昭和島に、箱崎に唯一残っていたL312がL529となって天空橋に転属した。ちなみに、このL518,529と304という社番は「でこっぱち」では別車両が2回使っていることになる(初代と二代目が存在した)。
2015年2月にはサブエンジン冷房のL411-416がエアロエースのL431-436に置き換えられ、サブエンジン冷房もリムジンバスからは一旦幕を閉じることになった。丁度2/22の東京マラソンの日が置換の最中のようで、新車のL431-433あたりまでがサブエンジン車に混じり確認できた。ほぼ都内をいったりきたりしていたサブエンジン車が先に置き換えられたのは意外な感じであった。
2016年に入ってからは10442以前の車両は教習車・ランプ以外は全廃となった。
羽田地区ではL578,579,580がユーロツアーの訓練車と置き換わり2013.12から昭和島常駐で訓練車となっていたが、2016.12に西工車とエアロバスに置換となり廃車となった。

2016年末には東京空港交通本体管理の車両はなくなり、2017年に入るとLPSで受委託車両としてL170(元L533)が、LPS車両としてLP25(元L525)の2台が残る形となった。
受委託車なので運用も限定されており、L170は成田羽田や羽田四街道ダイヤを中心に運行をされ羽田空港にも良く姿を現している。
(HND→NRT 11:45発、11:55発が2本連続LPSの受委託便で運行しており撮影できる可能性が
高い。12:00発TDR方面もLPS担当便だがこちらは、ほぼ西工ATが入る)

LPS本体運行(LP社番の車両)はディズニー〜羽田〜高崎前橋程度の運用しかなく、LP25は運賃箱がないため羽田〜ディズニーの増便か定期便しか活躍の場がない。

デビューから17年、「でこっぱち」は2018年1月4日に公式HPで2017年度中の廃車が発表されていたが、2018年1月10日に1月中のまでの運行と公開された。
また2018年1月5日分よりわかる範囲での運用も公開され、リムジンバスとしては非常に珍しいケースとなっており、最後の乗車を楽しむ方、撮影を楽しむ方も見受けられている。
1月末には、車内と車外WIFIステッカー上にfacebookでも公開されているお手製ポスターが掲げられた。
1月末で廃車かと思われたが、L170は2月に入ってからも運行情報が公開され、、最終的には2月9日が最終運行となった。LP25は3月に入ってからも運行されている。

L170
2018.01.05 NRT(2)8:15-HND(intl)/(Dom)11:45-NRT(3)
2018.01.06 NRT(2)7:35-HND(intl)/(Dom)11:55-NRT(3)
2018.01.09 千代田7:15-HND(intl)10:40-千代田14:40-HND(intl)
2018.01.10 千代田12:20-HND(intl)15:40-千代田/HND(intl)20:40-千代田
2018.01.11 千代田7:15-HND(intl)10:40-千代田14:40-HND(intl)
2018.01.12 千代田7:15-HND(intl)10:40-千代田14:40-HND(intl)
2018.01.17 千代田12:20-HND(intl)15:40-千代田/HND(intl)20:40-千代田
2018.01.25 NRT(2)7:35-HND(intl)/(Dom)11:55-NRT(3)
2018.01.31千代田12:20-HND(intl)15:40-千代田/HND(intl)20:40-千代田(公開されず)
2018.02.06千代田12:20-HND(intl)15:40-千代田/HND(intl)20:40-千代田
2018.02.07千代田7:15-HND(intl)10:40-千代田14:40-HND(intl)
2018.02.08NRT(2)8:15-HND(intl)/(Dom)11:45-NRT(3)
2018.02.09NRT(2)8:15-HND(intl)/(Dom)11:45-NRT(3)

LP25
2018.01.28 HND(Dom)9:05-TDR増便
年末以降2-3回は稼働した模様。
2018.01.31 HND12:00-TDR13:30-HND16:30-TDR(定期便)
2018.03.03 HND12:00-TDR13:30-HND16:30-TDR(定期便)
2018.03.04 HND12:00-TDR13:30-HND16:30-TDR(定期便)
2018.03.06 HND12:00-TDR13:30-HND16:30-TDR(定期便)
2018.04.03 HND12:00-TDR13:30-HND16:30-TDR(定期便)
2018.04.10 NRT10:40-TDR12:57?-NRT
2018.10.26 HND12:00-TDR13:30-HND16:30-TDR(定期便)

「でこっぱち」はリムジンバスで21世紀前半を駆け抜けた記憶に残る車に違いない。
「でこっぱち」の最後に運用公開頂き、撮影・乗車のチャンスを下さった関係者の皆様に感謝申し上げます。

導入車両(導入時社番)は67両
676,677,678,679,680,690,691,692
580,581,582,583,584,585,586,587,588,589,693(羽田地区19)
※主に600番台が流通所属。
304,305,306,308,309,310,311,312(箱崎8)
270,263,264,265,266,267,268,269,277,278,279(大栄11)
411,412,413,414,415,416(箱崎羽田6)
517,518,519,520,521,522,523,524,
525,526,527,528,529,530,531,532,533,534,610,611,612(昭和島21)
649,650(流通2)

黒バンパーの初期導入車。
2000年11月2001年2月に導入された初期車はトイレつき52人仕様。当初は昭和島に多く導入されたが、順次平和島にうつり、羽田からの地方路線に充当されていった。当初はユーロツアーを使用していた高崎・前橋、太田線もスペースアローに置き換えになった。
2001年2月までの車両は正面に行先表示LEDがついていない。


品川200か390
584-10252R5
2001年2月までの納入車はリアにリアスポイラーが装備されているが、その後の車種はリアスポイラーは装備されなくなった。

黒バンパー時代はリアのバンパーも黒だった。

品川200か364
676-01152R5


2001年4月には成田線用としてL517-520が昭和島に導入された。補助席のない42人仕様となった。
このロットは写真のように当初正面行先表示LEDがついていなかったが、その後LEDが設置された。

品川200か411
517-10442R5

 

内外装で塗装変更がされるなか、2007年7月最後の方まで黒バンパーで残っていたL523。
リアスポイラーなし。

品川200か439
523-10642R5
2001年秋に西武バスのイベントに参加したL520。9.11の影響で開業が遅れていた所沢〜羽田線の宣伝にやってきた。
昭和島所属のL520は平和島に移動する10年弱近く所沢線に入る事はなく、L638-639のエアロバスが開業時の所沢線専属となった。
この頃にはLEDも設置されたが、正面ガラス上部のグリーンスモークがされた場所に設置されたため少々見難い。2001.6導入車からはこの位置だけはスモークされていない。
品川200か414
520-10442R5

2001年6月には箱崎事業所で当時は箱崎・臨海〜羽田を全便担当していた400番台の車両にサブエンジン型の車両が入った。数年後には秋葉原・豊洲・九段・池袋・津田沼・多摩センターなどにも進出したが、当時は箱崎・臨海・新宿・葛西程度しか担当していなかった。
トランク数が少ないが、羽田路線なので問題はない。
2001年6月の車両からはLEDが設置されたが、当初はLEDにカバーがなく、車内からみると銀色むき出しで設置されていた。
今は設定のない、夜の臨海・TCAT便に入るL413。
旅客さんも懐かしい白のシャツにオレンジのスカート姿。

品川200か444
413-10655R5
2001.11月導入車からはデザインが大きく変わり、オレンジ一色のバンパーとなった。同時期に入った、エアロバス・セレガRもオレンジバンパーで納車された。

デビューしたてでピカピカのL527。成田空港行として新宿を出発。

品川200か496
527-11152R5
成田空港でならぶ黒バンパーとオレンジバンパーのリムジンバスの1M。
左は東京駅・九段行(TCAT・東京駅・パレス・グラパレ)のL517
右は2004.9に閉館した羽田東急行(羽田空港経由)
2010年現在双方とも平和島所属だが、撮影時は昭和島所属。

品川200か411
517-10442R5
品川200か611
534-20452R5
2001年4月以降納入車のリアにはリアスポイラーがない。
写真は白バンパーになった後のL520。
2001.11以降導入のオレンジバンパーの車両と下に出てくる内外装で塗装変更した車両は写真のような白バンパー姿。

品川200か414
520-10442R5

2006年頃の内外装(再塗装)時から黒バンパー車は写真のようにオレンジバンパーにはなりきらず、パンダ目(ブラックべゼル)のオレンジバンパーとなった。
日の出前(4時台)に羽田空港行として出発を待つL578。
早朝の各地からの羽田空港行で「でこっぱち」は活躍した。華やかな空港とはまた違ったシーン。

品川200か1104
578-10252R5
和光市駅
2006年頃の内外装(再塗装)時から黒バンパー車からパンダ目オレンジバンパーにならなくてはいけない中で何故か、オレンジバンパーに塗装変更されてしまったバスがある。
写真のL523とL524の2台だけが該当。

品川200か439
523-10642R5
サブエンジン(屋根上に冷房がなく、トランクの位置に冷房装置がある)の400番台の車両も塗装変更された。
開設後箱崎事業所が全て担当している、秋葉原・目白系統。
2015年2月にエアロエースが代替で導入となり、廃車となった。これによりサブエンジンエアコンの車両がリムジンバスから全廃となった。

品川200か441
411-10655R5
2012年9月に奇跡的に成田にあらわれたL412。
箱崎事業所のサブエンジン車(羽田線)のダイヤは余裕がなく、かつトランク容量も少ないサブエンジン車両が成田に来るのはめったにない(ほぼあり得ない)。
車両故障か何かで急きょ来たのか、増便でなく定期便での運行のようで、TCAT・芝行で折り返していった。
荷物室が一つ少ない珍客の登場に成田の係員もびっくり。

品川200か443
411-10655R5
コックピット。
前期型車両はコクピット左側のバックアイが白黒のブラウン管型。(Panasonic製)
運賃箱と音声合成は新型に交換されている。

L411
  コックピット。
2011年には昭和島からデコッパチはいなくなり(2015年に復活)、平和島に移籍したため、殆ど車両には運賃箱がついている。(箱崎・大栄の成田線車両にはついていない)
音声合成は途中から新型に切り替えられたため、右の液晶が音声合成。運賃箱に半分隠れているのがバックアイと2つの液晶がある。

L532
東京空港交通・リムジンバスの1Mは、ホイールパークブレーキが左側でなく、運転席右側についている。
ホイールパークの上には、照明の明暗調整装置がついており、見るからに操作しづらい感じ。
運賃箱の設置を意識して右側設置になってしまったのだろうか。
車内のシートのモケットは内外装時にも変更されなかった。
床面は後期車両のデザイン。

L532

リムジンバスのでこっぱちの車内

成田200か1009
LP25
東京空港交通のでこっぱちの補助席。
平和島事業所所属の車両が52人定員の補助席付車両だった。
補助席も正座席と同じ柄となっている。
また前期車と後期車で床面の柄が異なるのがわかる。(L587は前期車両)

品川200か393
587-10252R5
東京空港交通のでこっぱちの車内前方。
運転席部分が半円形の独特の形状をしている。

客席と運転席部分のダクトが半円形の丸みを帯びた形状をしており、ガラスの上の部分も丸みを帯びた形状になっている。このあたりが、外から見て「でこっぱち」といわれるようになった所以か。

品川200か1107
306-10642R5
デコのフロント部分。
廃車間近のLP25での一枚。

LP25
2018.3.4
車内照明まわりが他の車両と違い、おしゃれ。
青紫のデザインが施されている。

LP25
でこっぱちのトイレ。
かなり狭いトイレとなっている。

L306
リムジンバス長距離路線の申し子が「でこっぱち」。
水戸日立、前橋高崎、館林桐生、宇都宮方面などでも活躍をした。宇都宮は当初運賃箱不要だったため、セレガRのL694-695が充当されることもあったが、2006年9月に係員のいない佐野新都市に乗り入れてからは運賃箱付車両での運行となり「でこっぱち」運行比率も上がった。
中距離の多摩・埼玉方面はTRC所属の最後(2016年)まで活躍をした。
品川200か612
649-20452R5
佐野新都市(2009.10)
01152や10252の初期車両は、当初NRT1往復後に宇都宮線など遠距離線に入っておりNRTにも姿を見せていた。その後は運用形態がかわりNRTにはあまりあらわれず、羽田発着遠距離線で長らく活躍をしていたが、AT車や一旦は成田線用に入った2013年導入のエアロエースがすぐに運賃箱を取り付け遠距離線に投入されるようになったことで、最後に再び運賃箱を外され本線用車両として活躍の場が与えられた。2015.1時点では訓練車を除くとL586を残すのみとなっていたが、2015年年末に廃車となった。

品川200か391
585-10252R5
2014.7
2015.3の中央環状線山手トンネル開通による羽田線ダイヤ改正の準備か、箱崎事業所のL305,306,311がL592,593,594となり、なんと「でこっぱち」が1台もいなくなっていた昭和島に本線用として転属となった。(かわりに箱崎にはSuper Cabin3台が導入)
2015.2に箱崎のL310(補助なし)が流通のL518として転属したかと思えば、流通のL529(補助付き)が箱崎のL303となりでこっぱちが入れ替えられた。L303は300番台ながら羽田線用として運賃箱付となった。

品川200か1107
593-10442R5
2014.12〜2015.1にユーロツアーのランプバスL806に変わり、でこっぱちがランプバスL807となった。元588号車。
乗降扉部分の車番は消されているが、10252R5だけは消されずに残っている。
TIAT〜JALビル間のクルー輸送を中心に運行されていたが、2017年前半には廃車となった。


品川200か394
807-10252R5
RJTT TATS 1074
 
このL807(L588)の転属により、東京空港交通所属のユーロツアーは、貸切車両も路線車両もランプ車両も全て廃車となった。1996.11から18年1ヶ月に渡りリムジンバスの中心車両として活躍したことになる。


品川200か394
807-10252R5
RJTT TATS 1074
昭和島から平和島に転属し活躍していたL533は2015.3〜運賃箱を付け羽田線用として昭和島に復帰後2016.12からLPSに転属。受委託車両L170として運行。
2017年末からは公式HPでもL170とLPSのLP25が最後の1Mとして(年度中に廃車予定)紹介された。L170は行灯も東京空港交通のままで原形をとどめる最後のでこっぱちだが、車内の無線機は受委託車両のためLPSのものに交換されている。
2017.12から始まった無料WIFIステッカーが取り付けられており、スマホがない時代にデビューした車両が頑張って時代についてきている感があり涙ぐましい。
成田200か1269 
170-20452R5 (2018.1)
2018年に入りL170,LP25とも運用が公開されていたが、LPS所属車両はHND-TDR、HND-前橋程度しか運用がなく、LP25は運賃箱なし・古参車という点を考えるとHND-TDR増便しか運用に入る可能性がなかった。
そんな中2018.1.28にHND(2)9:05発の増便投入が公開された。TDLには9:25頃到着したことを考えると2ビルからの直行になったのだろうか。1月までということを考えると、ほぼこの運行が最後と思われる。
成田200か1009
LP25
2018.1.28にHND9:05/10->TDR9:35/40の増便の為にLPS(大栄)からわざわざやってきたLP25。ディズニーシーで終了後、運動公園左折で回送されていった。
外見は写真でもわかるが、きれいな状態で、廃車間近の16年目の車両とは思えなかった。
このあと、2月9日にL170が廃車となった後、3月に入ってからHND-TDR定期便に充当され周囲を驚かせた。

成田200か1009
LP25
2004年4月頃から新スペースアロー「でこっぱち」のフロントウィンドーの下側、丁度ワイパーブレードのあたりの位置にワイパーの形を切り抜いたような流線型のものが各車に装着された。まさか風きり?と思われたが、どうやら飛び石防止らしい。

わかりにくいが、上から車体の白塗装、フロントガラス、フロントガラスの黒色の部分にワイパー、そして車体の黒塗装、白塗装、オレンジ塗装と続くが、その「フロントガラスの黒色の部分にワイパー」がある部分を注目!
左の533にはないが右の526には存在する。

左:品川200か610
533-20452R5
右:品川200か495

526-11152R5 

続いて、2004年秋にリヤのタイヤ後方にルーバーが増設。
バッテリーの熱を逃すための処置とか。
左が改造前、右が改造後の写真
西武バスのデコッパチには違う形のルーバーが増設されていた。

左: 品川200か601
530-20542R5
右:品川200か1109
310-20542R5