TeaTime(4)
作成日:1998/01/15

宇都宮線沿線事情(新春番外編

JR宇都宮線は,上野駅から大宮を経由して栃木県の宇都宮まで行きます。
この路線,JR高崎線と大宮まで同じなのと,上野駅で使用するホームが共通なことから乗り間違えるお客さんが多いようです。


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ガタゴト,ガタゴト。電車を乗り継ぐ事,横浜から約2時間。
上野駅を基点とする宇都宮線は,だらけきった体でボーっとしている
ビジネスマンを運んで行く。彼の手には一冊の本。

   題名「夢で会いましょう」村上春樹|糸井重里

往復4時間の旅の友となってくれる 1981年に単行本が,そして
1986年に文庫本が発行されたその本を買った時,彼には特に何か意図する
ものがあったわけではない。文庫本なんてそんなもの。
著名な二人が運んで行くタンタンとした小篇は,そんな彼の思い違いを
ユサユサと気持ちよく揺さぶってくれる。
ガタゴト,ユサユサ,ガタゴト,ユサユサ
二つがタイミングよく繰り出される。
まるでよくできたカクテルのように,微妙なハーモニーで心地好くなり,
気がついた時には完全な酔っぱらいになったようだ。

彼は自分が声をかけられている事に気がつく。
  「お客さん,終点ですよ」
JRのおじさんは,時に人に優しい。天使にみえるくらいだ。
秋の宇都宮はとても寒い。目指す駅まで折り返しで1時間弱。
少し親しくなった旅の友が,もう少し付き合ってくれと誘う。
まだまだ酔いは醒めそうにない。

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うーん,やっぱり村上春樹にはなれそうにもない。
めざせ,イトイ・シゲサト。

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