2.6. UDPの特徴

UDP プロトコル (User Datagram Protocol) は、 IP プロトコルのひとつ表層に位置する非常にベーシックでシンプルなプロトコルだ。 UDP はいかなるエラー検出も伴わないシンプルなデータ伝送を目して開発された。とはいえ、問い合わせと回答で成り立つ類のアプリケーションにも適している。 例えば DNS などだが、 DNS では、 DNS サーバから回答が来なければ、それは自ずと問い合わせがどこかで失敗したことを示すからだ。 TCP よりも UDP プロトコルのほうが向いている場面は他にもある。例えば、エラーやロスは検知したいけれどもパケットの順序は気にしなくてもいい場合だ。そうすれば、 TCP プロトコルに付き物のオーバーヘッドを、ほとんど排除できる。また例えば、 UDP のひとつ上に、エラーやロスの検出機能は備えずシーケンス管理だけを行う独自のプロトコルを作るという利用法も考えられる。

UDP プロトコルは RFC 768 - User Datagram Protocol で規定されている。この RFC は極めて簡潔で、いかにもこのシンプルなプロトコルに似つかわしい。