あとがきに換えて 雑感など



 7月18日に今回の山行最後の羅臼岳に登った後、一月半かけて、やっと、形がまとまりました。いかがでしたか。楽しんでもらえましたか。

 山に登る以上にたっぷり時間を費やしたのが、花の名前調べでした。何しろ、登山以上に花に付いてはまったくの素人。同じ花のように見えて、咲いている場所によって変種があったり、その違いが丈だったり、葉の形だったり。まぬけなことに花だけアップで撮って葉がまるきり写っていないなんて事があったり・・・。前文にも書きましたが、名前に関してはかなり、怪しいです。以後、それぞれの撮影場所に付いて少し書いてみます。

 最初は「原始ヶ原」。これは富良野岳への富良野側登山口。行きの林間コースは遊歩道程度の楽な道のりだったのに比べて、帰路の滝コースのハードさには、びっくりしました。激流の上に掛かる丸太橋なんて、命の危険を感じたくらい。それでも、次々に現れる滝の見事さは行程の険しさを忘れさせてくれました。

 2番目は「富良野岳」。山頂付近は雲の中で展望はききませんでしたが、花の写真を撮りながらのんびり行った山行はすごく楽しいものでした。十勝岳温泉から入るルートは標高差をかなり稼げて楽に登れます。

 3番目は「夕張岳」。夕張方面から登りました。登山口にたどり着くまでの林道の長かった事。それにも増してお花畑のある山頂直下までひたすら登りづめなのには参りました。ここも山頂付近は雲の中。全く展望が利きませんでした。

 続いて「芦別岳」。この山、実は私が住んでいる借家の台所の窓から見えるのです。裏山という感覚。ところが、山頂まで往復の距離の長かった事。いくつもの山を上り下りしてやっとたどり着く、ずいぶん奥行きのある山だなあというのが一番の感想です。この日も雲が多く、富良野市周辺の平野部の展望だけは楽しめました。

 5番目が「斜里岳」。ここからは、「花の師匠」K氏とは別れ、単独登山に。行きの沢コースは何度も渡渉しつつ、次々に現れる滝を楽しみながらの変化に富んだ最高に楽しいコースでした。山頂直前に現れるお花畑も見事。ここは、今までと異なり、下界は雲の下。山頂のみが快晴。大気圏の外まで透けて見えるような深い空の色が印象的でした。

 最後は「羅臼岳」。残雪が多いと言う情報で岩尾別方面から登りました。この時期になると山行に体が慣れてきたのか、すごく楽な行程でしたが、羅臼平手前の雪渓の長さに驚きました。山頂にたどり着いた頃は快晴。ところが、オホーツク側から吹き上がってくる雲にどんどん覆われて下山の途中でとうとう雨に。

 日頃の生活態度が影響したのか、山頂からの展望にはほとんど恵まれませんでしたが、花を観る登山がこんなに楽しく、心を豊かにしてくれるものだとは知りませんでした。

 最後に感謝を込めて「花の師匠」、川崎のK氏の写真を。 Shishou



1997年8月31日記


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