「鳥羽・伊勢旅行記」(2000/05/12〜06/30号)
1年ぶりに旅行へ行ったのである。

前回、ちょうど1年前は雪の金沢で、寒いながらも非常に良かった。
今年は近場(電車で2時間位)で暖かい場所ということで「鳥羽」を
選んだのであった。

去年はGWにぎっくり腰、秋には爪を剥がすなど散々で出歩けなかったが、
今年は何回か旅行へ行こうと思っている。
その第一段である。

で、そのレポートをしていくのであるが、最初に結論を書いてしまおう。

    「今までの旅行の中で、最低であった」

そりゃもう、ひどいもんで。
事細かに書いてもいいが実に印象が悪いので、
いろいろな場面において「お勧め度」という形で書くつもりである。

    ・・・その1;近鉄特急(行き)・・・

まずは京都から近鉄特急で鳥羽へと向かう。
所要時間は2時間15分ほど。

京都から鳥羽までは途中駅は、数えてみると76ほどもあるのだが、
特急が止まるのは西大寺、八木、松坂、伊勢市、宇治山田だけ。
さすがは特急と言うところである。
まあ、特急料金まで出して乗るのだから、これ位は当たり前かも知れない。

近鉄そのものはそこそこ乗っているが、特急に乗るのは実に20年ぶりである。
中学卒業時に友達と2人で紀伊半島一周に行ったことがあるが、
その帰りに宇治山田から難波まで乗ったことがあった。
その前は小学校6年位の時に難波〜伊勢市の間を往復している。
これは伊勢神宮お参りと二見浦を見た時。
たった2回だから良く覚えている。

久々に乗ったそれは近鉄「御自慢」の2階建て特急「ビスタカー」である。
ホームにそれが来ているのを見た時は思わず喜んだ。

        が。

実はビスタカーは車内が狭い。
線路の幅やトンネルや駅の構造物との間の距離により鉄道の車両の大きさには
限界がつく(車両限界と言う)。
ビスタカーはその限界をほぼぎりぎりに使っている車両ではあるが、
それを2階に分割すれば、当然1階当たりでは狭くなる。
また、2階に上がるための階段をもうける場所も必要になるので、
長さの中で使える空間も一部削られる。
そのため天井が低く、さらに座席間も狭くなっているのだ。
解る人には解ると思うが、京阪の2階建て車両が狭いのと同じだ。

今回は2階に座れた。そうすると景色が良いのではと思うかも知れないが、
実は鳥羽までの間の景色は大したことがない。
(京阪特急の2階も同じ。)
鳥羽から先は海沿いを走るので良くなりそうだが、
鳥羽までにはほとんど見るべきものがない。
従って2階に座る意味もあまりない。

ってなわけで、せっかくのビスタカーだが余り良い印象ではなかった。
近鉄「誤自慢」な感じだな。
同じ乗るなら1階だけの車両の方が広くて良さそう。
(2日目に鳥羽から伊勢市の間で1階だけの車両に乗ったが、
天井は高いものの座席間はやはり狭かった。これは古い車両だったから
かも知れないが。)

    お勧め度    50%

ビスタカーだからと言って特別料金を取られるわけではないが
(1階の特別シートだけは別料金が必要)、あえて乗る必要もないな。

近鉄で京都から鳥羽あたりに1泊2日または2泊3日で行くなら、
全線フリー切符を買うと良い。大人¥3800(子供半額)。
3日間有効で、葛城山ロープウエイ以外は全部乗れる。
(ロープウエイも半額で乗れる。)
普通に京都から鳥羽の切符を買うと往復で¥4400位だから、
こちらの方が安い。

そうそう、近鉄特急の切符は駅か近畿日本ツーリストに行かなければ買えない。
カードが使えるのは後者だけである。
全線フリー切符は駅でしか買えない(近ツーでは売ってくれない)。
だからカードが使えない。
ということで、切符の購入だけで一苦労であった。

    ・・・

鳥羽に着いてまずは食事。
駅の隣にある鳥羽一番館なるところの食堂へ行く。

海産物を豪勢に出してくれるお店もあるようだが、
今夜はホテルだからそこでそういった物は出るだろうし、
ここは1つ抑えていこう。
と言うことで、どんぶり物にしたのである。
・・・が、この判断が後で大きく後悔する元となろうとは。

    ・・・その2;鳥羽水族館・・・

鳥羽での最初の目的地は鳥羽水族館である。
駅から近鉄に沿って少し(500mくらいか)歩いた所にある。
ゆっくり歩いて10分ほどか。

歩きながら気がついたが、ここは海の際であるにも関わらず潮の香りが全くしない。
新潟の家の近辺では潮の香りがぷんぷんしているのだが、ここはそれがまったくない。
波がほとんどないからかも知れない。
あの香りは海の水が波で飛び散って空気中に広まることで出るものだから。
折角の海辺なのに、それがないと言うのは何かちょっと変な感じがする。

    ・・・

{観光地案内}
    鳥羽水族館

    年中無休
    3/21〜11/30    8:30〜17:00(一部例外あり)
    12/1〜3/20  9:00〜17:00(一部例外あり)

    大人    ¥2400
    子供    ¥1200(小・中学生)
    幼児    ¥600(3才以上)

    http://www.aquarium.co.jp/

この鳥羽水族館は横にかなり長い建物で3階くらいあって、
左右どの階から見て回っても良いようになっている。
それは良さそうに思うかも知れないが、実は、人がバラバラに動いてしまうため、
混雑度が上がってしまう。
空いている時には良いのだが、この日みたいに混んでいる時には
ちょっと考えものである。

入り口は行って階段を登ったところにいきなり大きな水槽がある。

    「いやぁ、魚がいる。」

まぁ、当たり前ではあるが、何か水族館っていいなぁ。
すばしっこく泳いでいるのがいると思えば、のんびりしているのがいたり、
ひたすら底や壁にくっついて寝ているのがいたり、
見ているだけで飽きない。
久しぶりに水族館というものに来たが、私には水族館はあっているように思う。
(一部の人は知っていると思うが、前回行ったのは海遊館である。
その時一緒に行った人が今の嫁さんである。)

この館内では、かなり多くの展示スペースに分かれていて、それぞれに
特徴を持って展示してある。
ここの最大の特徴は、人魚のモデルになったと言われるジュゴンや
マナティーがいることらしい。おもな展示は次の通り。

コーラルリーフダイビング
            入り口直ぐにある展示。
            いろんな魚と亀がいる。まあ、一般的な水族館の感じか。
古代の海        カブトガニとかオウムガイ
海獣の王国      アシカやオットセイ
伊勢志摩の海・日本の海
            スナメリ(いるか)、タカアシガニ
ジャングルワールド  マナティー、ピラルク
森の水辺        蛙、亀(ここは見られなかった)
極地の海        ラッコやイロワケイルカ
            ラッコってでかいな。
人魚の海        ジュゴン
日本の川        イワナ、ニジマス、アマゴ、ドジョウ、フナ、イモリ
            ここが一番落ち着くかな。
ペンギン        これは野外にある
カワウソ        これも野外にある
            今までカワウソとラッコが似ていると思っていたが、
            結構違うと解った。カワウソは小さく、動きが俊敏だ。
            鳴き声は鳴きうさぎみたい。
マイクロ水族館      ミジンコとかアミとか、プランクトン類の展示。
            説明もあるらしい。
特別展示        今回はタツノオトシゴとクラゲをやっていた。
            クラゲは面白い

どこの展示だか忘れたが、ナマコ、ヒトデ、磯巾着の展示とかもあった。

ジュゴンは世界でもここだけで飼育されているらしい。
初めて見たが、とても大きい。
その割りに水槽が小さいのがかわいそうではあった。
(ジュゴンだけなく、ここは水槽が全部小さく感じる。)

水槽の数は結構多く、見るべきところも多く、入場料分は見る価値はあると思う。
今回のように人が多いと流されてしまってじっくり見られないのが残念だが。

そうそう、300円位で「鳥羽水族館ガイドブック」を売っているが、
これはなかなか良いのでお勧め。

そう言えば、ここの入場料はやけに高く感じるが、
このガイドブックによると、結構いろいろと手間がかかっているようである。
単に水槽があって、そこに魚を泳がせているだけではないわけね。
学術研究とかもしている真面目な水族館のようである。
さらに、マナティーの餌代はけっこうかかるとか。
アマモという特別な海藻しか食べないらしく、これを韓国から輸入してるんだとか。
(飼育動物の中で一番高い飼育費と書いてあった。)

あと、展示とは別にアシカのショーがある。
これは特に派手なものではないが、面白い。
実際のショーの時間には混みすぎて良く見えなかったが、
間の時間にリハーサルをやっているので、これを見た方が良いかも。

    お勧め度    77%

貸しうば車があり(無料)、スロープやエレベーターも完備されているので
小さな子供連れやお年寄りでも行きやすい、かもしれない。
(うば車は助かった。)

    ・・・いきなり{土産物紹介}・・・

    伊勢志摩漁火 元祖浜焼き
        「さざえ」

    秘伝 グリコーゲン仕込み

    漁火食品株式会社
    150g ¥1050

鳥羽水族館内の土産物屋で売っていたもの。
その場で試食した時にはおいしいと思って買った。
「ここでしか売ってない」と言う言葉に釣られた感じもある。

家に帰ってから箱の裏を見る。
うわぁ、いろいろと入っているぞ。

  さざえ、醤油、鰹節抽出液、みりん風味調味料、調味料(アミノ酸など)、
  ソルビトール、ビール酵母、保存料(ソルビン酸K)、カラメル色素

「天地の恵みに感謝して」等と書いてあるが、これでは本当に
感謝しているとは思えんなぁ。まあこの手の土産物なんて
こんなもんかも知れないけど。

家に帰ってから冷静になって食べてみる。
う〜ん、味が濃い。
あからさまにまずいと言うほどでもないけど、どうも味付けの汁が効きすぎ。
もっと薄い方がいい。少し水洗いしたぐらいで調度か。

若干苦味があるのは「ニコチン酸をかなり含んでいるせい」と
箱にある説明書きにあるが、これって入ってていいもの?
さらに「肉は刺身が栄養価が高く」って書いてるけど、
いいのか、こんな刺身でない物の箱にこんなこと書いて?
要するに、暗に「買うな」って言ってるわけ?
(ちなみにその説明を書いているのは「鳥羽水族館長」。)

1ヶ月後、結局、ほとんど食べずに棄ててしまった。
冷静になると、それほどおいしくはないわけね。

    お勧め度    52%

これなら、素直に店で栄螺の刺身か壷焼き食べた方がよさそう。
「宮内庁御用」とも書いてあるけど、こんなもんほんまに
入れてるとしたら、宮内庁も馬鹿にされてるぞ。

    ・・・その3;クリスタルCD・・・

鳥羽水族館は5時で閉まってしまう。この日は特別に5:30までだったようだが、
それでも海遊館に比べれば早すぎる。
田舎の水族館だからしかたないのか?

もっとも、1時に入ればゆっくり回っても4時過ぎには全部回れる。
(お土産コーナーとアシカーショーを見なければ。)
と言うことで、4時半頃にそこを出た。

しかし、他に回るべき場所はと言えば、歩いていける範囲にあるのは、
観光本によると「ミキモト真珠島」と「オルゴール館」位である。
「ミキモト真珠島」は真珠で有名なミキモトの総本山(?)であるが、
水族館のほぼ真横、島との間は橋がっかっていて歩いて渡れる。
場所的には十分近いがここを見て回るには時間がない。
ここももう直ぐ閉館(閉島?)だ。

しかたないのでオルゴール館へ向かった。
実際にはオルゴール館には入らず、その下の階にあるお土産屋だけである。
大人はオルゴールを見て楽しいかも知れないが、子供は退屈だろうからである。

あっ、しかしこの中はオルゴール他、細かい細工の物が多いのでそれはそれで危ないなぁ。
とりあえずふらっと見ていると店のBGMでよさげな音楽が。

なんでもクリスタル音楽とかいうもので、巷の有名曲を
オルゴールとガラスハープのようなもので奏でたもののようだ。
その曲がなかなかに気に入ったので、CDを買うことにした。

    ・・・

{CD紹介}

    「クリスタルメロディー
        宮崎駿作品集 I/II」

    それぞれ CD1枚
    カムランド
    それぞれ ¥1500(税別)

宮崎駿の映画の音楽を、オルゴールとガラスハープのようなもので
奏でたCDである。
多分、本物ではなくてシンセサイザーで演奏したものだろうけど。

その音色はだいたい想像してもらえば解るだろうが、
基本的には線の細い落ち着いた音なので、
聞いていたら気持ちが安らぐような感じになるだろう。
店で聞いた時にはそう思った・・・が。

ところがどっこい、期待は見事に裏切られる。
キンキンと高音がきつすぎるのだ。頭につき刺さるような感じ。
(ちなみに私は高音好きなのだが、それでもこれはだめ。)
曲調自体はのんびりとした感じなのだが、
この音色のきつさがどうにも耳障りで駄目。

うちのステレオでは高音を目一杯絞って(弱めて)何とか聞ける程度、
ラジカセでもきつすぎてだめ。
一体あの店ではどんな装置で音を出してたのだ?

Iの最初の曲が最低、その後の曲は少しましだがいいものではない。
そうなると、編曲も悪く感じてしまう。
IIは全体的にましなので、聞くならこちらだけか。

    お勧め度    30%

高音の出ない再生装置を持っている人向け。
元の曲が良いからまだ救われてるけど、オリジナル曲だったりすると
聞くに耐えんかも。
他の有名曲のシリーズもあるようだけど、この調子じゃお勧めは出来んな。

    ・・・

ってな感じで、実に期待を裏切るCDであった。
お土産第2段は大失敗。

そういえば、このあたりにはお土地柄真珠屋がたくさんある。
あんなに並んでいて儲かるのか?と思うほどである。
それはいいとして、その店の自動ドアのセンサーがほぼ全て
うちの会社の物であった。国内シェア60%はだてではないらしい。
(ちなみに近鉄鳥羽駅横、鳥羽一番館のそれは競合メーカーの物であった。)

    ・・・その4;ホテル・・・

水族館及びオルゴール館の直ぐ横、真珠島への橋のたもと近くに
船付き場がある。ここから、今日泊まるホテルへ渡る船が出ているのだ。
そう、今日泊まるホテルは島にあるのだ。
ホテルの名は「ニュー美しま」。

実は私は小型の船に弱いのだが、幸いホテルまでは5分もかからないので
何とか大丈夫だった。

受け付け。

    えっ、食事は部屋に運んでくれるんじゃなくて食堂?
    しかも7時から?(ここに着いたのは5時過ぎ)

うちは子供連れだから、出来れば部屋でゆっくり食べたかったのだが。
まあ、混んでる日なので仕方あるまいか。
(後で解ったことだが、ある程度の人数がいれば部屋に食事を運んでも
らえたようである。)

受け付けを済ませて部屋へ案内される。
とは言え、入り口まで。中に入っていろいろな説明などはなし。

    やけに古い部屋やなぁ。

景色は一応海は見えるけどたいして良くない。
ホテルの裏の施設が見えてしまうせいもある。
対岸のホテルの明かりは綺麗だけど・・・って羨ましがらせてどうする。

部屋でそれなりののんびりして、でも時間が潰せなくて、
ゲームコーナー(捜したぞ)に行ってゲームをし、
さらにフロント横のテレビを見ていたがそれでも時間がつぶせないので、
しかたなく、ちょっと早いが食事をしに食堂へ行く。

    ・・・

ありゃ、他の人はもうすでに食べてる。終わりかけのところもあるな。
おいおい、うちの部屋の番号がないぞ。
文句を言ったら、ある席の用意をうち用にした。
良いのか、そこの人が来た時どうするんだ?

で、食事は・・・えっ、これだけ?
何か非常に少ない。まずは細かいのがいくつか。取り立てて言うような物はない。
鍋もあるんだけど、白菜が2切れだけ、春菊が1つかみ、
魚や貝は1人1切れしかも小ぶり。
後から追加が出てくるかと思い気や全くなし。

    おい、こんな鍋あるか?

かなり遅れて刺身が出てくる。
伊勢海老が一応あるが、とても小さい。味もほとんどしない。
他の刺身は、こりゃ冷凍だな。味がない(と言うか水っぽい)。

いつまでたってもご飯や味噌汁が出てこない。
出てこないから思わず言ってしまった。

    「これで全部か?」

催促してやっとそれらとメロン+お茶が来る。
だいぶ待たされたのですでにおかずとなる物はないし、
おなかも張ってしまっている。
炊き方のまずいご飯、インスタントと思しき味噌汁、堅くて全部皮かと思うような
メロン。とりあえず食べてさっさと退散する。

ビールを1本頼んでいたら、帰りにサインを頼むと言う。
こういうところだけ急かしやがる。
(しかも中瓶1本700円も取りやがった!!)

折角昼ご飯を我慢してまで望んだのがこれとは。
もしこれで8000円追加すれば出ると言っていた特別料理を
頼んでいたらもっと後悔していただろうて。
(回りで食べている人のそれを見ても、大したことはなさそうだった。)

    ・・・

風呂はどうだろうか。せめてましだろうか。
・・・あぁぁ、普通。景色も良くない。妙にぬるい。
ここの風呂が温泉でないことは知っていたが、
これでは―寸広いだけの風呂ではないか。

唯一の慰めは、風呂に入っている時に狸が庭に現れたこと位か。
ふと外を見ると狸が来て横切っていった。
で、しばらくするともう1匹連れて戻ってきたのだ。
(2匹が何をしてたのかは秘密。そんなこと言えない^^;)
しばらくその様子を見ていたが(おい)、これが今回このホテルで
唯一良かったことである。

    ・・・ここで唐突に{飲料紹介}・・・

    十萌茶(ともえちゃ)

    大塚ベバレッジ(株)
    340g ¥150(このホテルだから)

ホテルは暖房が入っているせいか空気が乾燥していることが多い。
ここでも喉が乾いたのでお茶を買ったのがこれである。

今はやりの和風ブレンド茶であるが、これには名前の通り10種類、
はとむぎ、大麦、緑茶、烏龍茶、玄米、はぶ茶、バナバ茶(なんじゃろ?)、
アガリスク、霊芝、はま茶とビタミンCが入っている。

飲み口は、冷たいはずなのにぬるく感じる不思議な感じ。
味はほとんどしない。
あえて言うなら少しだけ玄米茶の味が出てくる感じか。
味はないが癖もないので結構飲めるかも。

    お勧め度    65%

    ・・・

後はざっと書いてしまおう。
先に書いたゲームコーナー、あるにはあるがわかりにくい場所で、
暖房も入っていずに寒かった。
ジュースは150円。いくら島だと言っても高すぎないか?
髭そりは別売。部屋風呂もあるのだが、そこにはシャンプーなし。
翌朝の朝ご飯も最低。どこぞの定食屋の方がよほど良い。

翌朝ホテルの回りを少し散歩してみたが、これがまた汚い。
ゴミが「たくさん」散乱してる。
少しは綺麗にしておけよ。

フロントには伊勢海老の飾り物があるが、この上がほこりだらけである。
おいおい、フロントと言えばホテルの顔だろうが。
そこがこんなに薄汚れててどうするね。

と言う感じである。
実に最低なホテルであった。
これで1人15000円も取りやがるのである。
これをぼったくりと言わずしてなんと言おうか。
(繁昌期と言うことで、いつもより上げてやがる。)

はっきり言って、これは詐欺同然である。
海沿いにあるホテルで、何でここまで悪い海産物を食べさせられんといかんのだ。
仲居もフロントも愛想悪い。

宿泊人数が多くて行き届かないのならわからんでもないが。
ぱっと見る限り、ロビーでもそんなに人と擦れ違わないし、
食堂で見た人の数も知れてるし、そんなに人が多いとは思えない。
単なる手抜きだ。

駅から近いってんで、良い気になってるんじゃ無いか?
安けりゃ納得も行くが、これで高いのだから始末が悪い。

    お勧め度    0%

おぉっと、初めての0%だ。マイナスは出したことあるけど(^_^;)、
0は初めて。それだけ悪いと言うこと。
どこをどうとってもお勧めする点はない。

同じぐらいの料金の「ホテル」でも、去年の金沢は「かなや」や
別府の「ビューホテル」とは比べ物にならない。
ビジネスホテル以下である。
奉仕すると言う精神がかけらも感じられない。
絶対に泊まる価値なし。世のため人のため、こんなホテルは潰した方が良い。

    ・・・その5;伊勢神宮内宮・・・

実に最低な気分だったのでこんなところに長居は禁物、
食事を済ませてさっさと出かけることにした。

例の真珠島に行っても良かったが、このホテルの性で鳥羽全体に対する
印象が非常に悪くなったので、やめて伊勢に行くことにした。
思えば伊勢神宮に行くのは23年ぶり位である。

鳥羽から近鉄で伊勢市に向かう。が、ここで問題が。
このあたりは特急は非常に多いが普通列車が少ない。1時間に3本位か。
で、寒空の下待つわけにも行かないので特急に乗った。
たった2駅。各駅停車でも6駅、15分位だろうか。
なのに、特急料金500円(*2人分)も取られた。
高すぎないか?近鉄。
乗車券はフリー切符があるのでタダだけど(じゃない!)。

伊勢神宮は内宮(ないくう)と外宮(げくう)の2つに分かれているが、
まずは遠い内宮から行くことにする。

伊勢市駅前から内宮までのバスが出ている。
結構乗客はいると思うに、実は駅前から一番遠い所にあるバス停である。

しかし、待てど暮らせどそのバスが来ない。
予定時刻は20分以上過ぎて次のバスまで来てもおかしくない時間なのに。

等と言っていたら来た。
ここで乗る人はそんなに多くなく席にも座れたが、次の外宮(げくう)
で大量に乗り込んできた。
しかも、やはり混雑しているのだ、道が混み混みでバスが前に進まない。
遅れた理由はこれか。
座れていてもしんどい位だから、立っていたら倒れていたかも知れん。

ある所まで来た時、客の一人が「ここで下ろしてくれ」と言った。
確かにここから歩いていけるだろう。
このまま進まないバスに乗っているよりその方が良い。
バスの乗客のほとんどが手前のバス停までに降りてしまった。

私たちは子供も寝ていることもあってそのまま最後まで行った。
実は、内宮手前から道の一方を塞いで相互通行にしてあって
バスは一気に前に進んだのであった。

が、そこで気がついたのは、このバス、内宮1つ手前までと内宮では
料金が90円も上がってしまうと言う事実である。
手前のバス停からも大した距離ではないから、
歩いて行った方が良かろう(バス;1人410円位)。

    ・・・

内宮の本殿は鳥居からだいぶ奥まった所にある。
1キロ位あるかも知れない。
人が多いので子供を抱えながらの前進は大変だ。
さらに、本殿前でゆっくりお参り出来ないのも困ったもんであった。

神社というものは、多くの場合その境内に分社を持っている。
伊勢神宮も例外ではない。
さすがに伊勢神宮ともなると、分社でも大きい。
で、こちらは行く人も疎らなのでゆっくりお参り出来る。
ちゃんとお祈りしたいなら、こちらの方がお勧めかも知れない。
(無礼な書き方か?)

しかし、伊勢神宮はさすがに広い。
回りの山、流れる川にも雰囲気がある。
日本の聖地と言う感じがする。
そうそう思い出した。
境内はもちろん禁煙、さらに犬連れでの参拝も厳禁である。
入り口の鳥居前に警官がいて、きびしくチェックしている。
当たり前と言えば当たり前のことだけど、
こういうマナーすら守れない馬鹿がいるのも事実なのである。

    ・・・その6;おかげ横丁・・・

内宮の鳥居の横から土産物屋が続いている。
ここを「おかげ横丁」という。

お昼はここで食べることにする。
なにやら松坂牛を使った「牛丼屋」を見つけたので入ることにした。
さらに良いことに、このお店は禁煙である。

{食べ物紹介}
    「寳来亭」
        松坂牛牛丼 上
        ¥1700円位

確かに肉はやわらかい。
が、―寸味付けが強すぎる。これでは折角の肉の味がしない。
一緒に乗ってる丸人参やパセリ、フライドポテトも合ってない。
そこに牛丼よろしく煮込んだ玉ねぎなどがあるのがミスである。
(ミスマッチではない。マッチしてないから。)
要するに素材がバラバラにご飯の上に乗っているだけに感じるのだ。

    お勧め度    50%

値段のわりにおいしくないと言えよう。
残念ながら、全体のバランスとしては吉野屋の方が上である。
もう少し肉の味とは何かを考えるべきである。
禁煙なのは素晴らしいのだが。

    ・・・

食事を済ませたので、横丁をゆっくり回ることにする。
おいしそうな物がいくつかあるが、食べたのは松坂牛入コロッケのみ。
人が多すぎて、頼める前に嫌になってしまうわけ。
でも、これが今回食べた物の中で一番おいしかったかも。

    ・・・

この通り中に有名な「赤福」の本店がある。
が、私は余り好きではないのでパス。
でもすごい人だかりである。
出来たてを良いお茶で食べられるのだから、
そこらへんで買えるものとは違うのかも知れない。

{観光地案内}

    「五十鈴蔵」

    入場料100円

この赤福本店の隣に何やら蔵があって、そこで伊勢神宮で
執り行われる行事の模様を人形で綴った展示があった。
それがここである。

何気なく入ったのが、これが意外にも秀逸。
かわいい人形の姿を借りて、実に見事に祭礼がわかるようにしてある。

遷御(宮を新しく立ててお移しする)等の祭礼は何十年に一度だが、
かなり多くの祭礼が毎日行われているらしい。
それが今も2000年前の昔と変わらぬ方法で行われていると言う事実は
意外でもあり、新鮮でもあった。
これからもこの伝統を守って欲しいものだ。

    お勧め度    95%

暖房がなくちょっと寒いけど、人も少ないのでゆっくり見て回れる。
今回の旅行で、一番良かったのはここかもしれない。

    ・・・その7;伊勢神宮外宮・・・

このおかげ横丁をつっきると、バス停で言えば数駅分戻った位置に出る。
行きに乗ったバスでは猿田彦神社と言うバス停らしい。
ここから行きに乗ったバスの反対を待っても良いが、
あの道の混み方ではなかなか来ないかも知れない。

ここから別方向に出るバスがある。
これも伊勢市駅へ行く。
伊勢市駅から外宮までは歩ける。
が、バスの運転手に聞いたら、違うバス停で降りて歩いた方が近いらしい。

三交自動車のバスで浦田町行きの反対のバスである。
このバス、メインストリートを走らず途中細い道を通り抜けていくのでめっぽう速い。
(逆に言えば、内宮に行く時はこのバスに乗ればよいと言うことである。
「浦田町行き」の終着「浦田町」で降りればそこがおかげ通りである。
こちらの方が安い。)

教えてもらったバス停で降りて外宮へ向かう。
けっこう遠いじゃないか。
帰りに解ったのだが、これなら伊勢市駅から歩いた方が近い。

    ・・・

そう言えば、伊勢神宮周りと言い鳥羽辺りと言い、
2月のこの時期にまだしめ飾りを付けている家とか店が多い。
しかもそこに「笑門」と書いてある。

「笑門」、実に洒落の効いた書き方だ。
「笑う門には福来る」であろう。

おそらくは1年中付けているのであろうが、
そう言えば、以前行った九州は高千穂でも同じようなことをしていた。
要するに、神におわす国では1年中お迎えの準備を怠らないと言うことだろう。
実に良い風習である。

逆に考えれば、どうして普通のところではしめ飾りを松の内だけで外すのだろう。
1年中していても良いと思うのだが。
まあ、蜜柑が腐ってしまうと言うのはあろうが、
それを外せば、他の部分は結構もつだろうに。
どんど焼きで燃やしてしまうのはちょっともったいない。
何かいわれがあるのだろうか。
今度調べてみるか。

    ・・・

内宮と違い、外宮は鳥居から本宮までの距離が近い。
だから楽。時間の関係か、人が少なかったのも幸いした。
こちらも分社には人が少なくて行きやすい。

以前外宮に来た時のこととして鶏がいたのを覚えている。
境内にいたはずなのだ。
しかし、今日はどこを見てもそれがいない。
内宮だったか?でも内宮にもいなかった。
今日は人が多いから放されていない、と言う考えもあるが、
以前に行ったのは正月期間だから、今日より人は多かったはずである。

そこで警察に聞いてみた(伊勢神宮にはちゃんと出張所があるのだ)。
    「鶏はいませんか?」

すると、ここにはいないが駐車場の向こうにいるとの返事。
ちょっと遠いが駐車場を抜けて行ってみると、独特の匂いと鳴き声がする。

    「おぉ!」

そこには紛れもなく鶏がいた。一応放し飼いにされていて群れている。
また鶏舎もあって、その中には「うこっけい」という種類のもいる。
20数年ぶりの再開である。もちろん当時の彼らではないが、
妙になつかしい。

神社にとって、馬と鶏は神の使いとして崇められている(牛のところもあり)。
鶏は夜の闇を裂く朝を告げる鳥として珍重されるのだ。

おそらく、昔は境内にいたのだと思うが、
時代の要請によりこのような場所に追いやられたのだろう。
「汚い」とか「つつかれた」とか言われて。

鶏は結構綺麗好きだし、つつかれるのだって、ちゃんと見てたら解るから
避けることは出来る。それが出来ないのは、人間がそういう気配を感じら
れくなったほど「落ちぶれた証拠」である。
私がかつて鶏を飼っていたから言う感傷ではない。

離れた場所であるが、まだ彼らがいたことが非常にうれしかった。
その姿を見、鳴き声を聞くと、なぜか気持ちが和らぐ。
将来、出来ることならまた鶏を飼いたいものだが。

外宮鳥居からはちょっと離れるがぜひとも見て欲しい場所である。

    ・・・その8;近鉄特急(帰り)・・・

外宮から伊勢市駅は近い。
帰りの電車は4時に出て京都に着くのは6時過ぎ。
出来れば車内で食べるおかしかパンを買っておきたいが、
駅前(直前)にはそれらを買えるようなところがない。
仕方ないので、駅の売店でおかしと酒のつまみ物と菓子パンを買う。

帰りも近鉄特急である。
行きと同じビスタカー。ひょっとすると全く同じ車両かも知れない。

実は、この車両には致命的な欠陥があった。
自動ドアが閉まらないのだ。
(行きの車両も同じだったから、この種類の車両の自動ドアの根本的欠陥なのか、
やはり全く同じ車両なのか。)

隣の車両とつながる部分(下図の√)、及び階段フロア(同×)との間には
自動ドアがある。後者のドアは問題ないが、前者のドアが閉まらなくなることが
しばしばあるのだ。

理由は2つ考えられる。1つは自動ドアセンサーの故障。
もう1つはこの階段の構造的欠陥によるものだ。

    隣
     ┐┌───┬┬───   ちなみに、隣の車両とつながるのは2階のみ。
      √|      |×|     1階からは中央の階段で2階に登ってから
     ┘└───┴┴───   行く必要がある。

√の階段は隣車両との連結部分であると同時に階段になっている。
そしてこの降りきったところにトイレと洗面所がある。
このトイレの前で待ちっている人に反応してドアが開いてしまうのようでもある。
トイレとドアの間は1メートル以上あるのにセンサーに反応しているとすれば、
これは明らかにセンサーの反応エリアの設定がおかしい。
結果として、ドアは開きっぱなしということになる。

    ・・・

ドアが開いている位、普通ならそんなに目鯨も立てないが、
近鉄特急には大きな制度上の「欠陥」があって、
奇数号車は禁煙だが、偶数号車はそうでないというのがあるため、
隣の汚い空気が流れ込んでくるのである。
(トイレの前に行くと、隣の車両の自動ドアも開いてしまうようである。)
これでは折角の禁煙席も無意味だ。

悪いことに、どういうわけだがこの乗った時にトイレに行く奴らが多かった。
さらに、とあるクソガキが洗面所へ無意味に、何度もなども行きやがるから
もはやそこのドアは無いも同然だったのである。
(あんまりしょっちゅうなので、思わず殴ったろかと思った位。)
お蔭で体中が臭くなってしまった。

この時は相席した女がむっちゃ愛想悪いとかあって、実に不愉快な列車であった。

近鉄にもの申す。禁煙車両とそうでない車両を1号車毎にするのはやめよ。
まとめて分離しろ。
もちろん、自動ドアの欠陥も直せ。

    近鉄特急お勧め度    30%

こんなんなら、高くてもJR参宮線で名古屋まで新幹線で帰った方が良かった。
全く、最後の最後まで悪い感じで終わった旅行であったことよ。

京都に着いたらもうぐったり。
タクシーで帰って、夕食も出前で済ませたのであった。
あ〜あ。

    ・・・総括・・・

このような感じの旅行だったのである。
お土産も含めて実に最低だったことよ。

2日目にはそれなりに良い所もあったが1日目、特にホテルの駄目さが
全てにおいて足を引っ張っているのである。
さらに、混んでる場所に行くと言うのも間違いのもとであった。

で、結論としてこのコースの旅行のお勧め度であるが、

    鳥羽        10%(水族館だけは70%)
    伊勢        60%

と言う低い評価を出さねばらならないのである。

もう一度、きつく言っておくと、

    「ニュー美しまだけは絶対に泊まるな」

である。
こういう、客をなめ切ったホテルは潰すのが肝要である。

1年ぶりの旅行だったのに実に残念である。
私の行った旅行の中で、間違い無く最低なのであった。
不覚。

ということで、ゴールデンウィークには一発気合いを入れて
良い所を捜すつもりで、すでに調査を始めているのである。
今度こそ、良い場所に巡り合えますように。

(2003/01/14追記)
最近伊勢志摩は人気がないようで、どうしようかいろいろと検討はしているようである。
しかし、元マイクロソフトの成毛などを喚んでいるようではだめだ、
とはっきり言っておこう。
こんなくだらんもの(↓ここに内容が書いてあるが、
http://www6.ocn.ne.jp/~iseshima/index.html
http://www6.ocn.ne.jp/~iseshima/page008-2.html
はっきり言って日本語の文章として成り立っていない)聞いている暇があったら、
全国の他の観光地を見て回ることだ。
伊勢志摩の観光産業がいかに傲慢になっているか、そのことを身をもって知るまでは
復活はないと思う。自然に任せているだけではだめなのだ。
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