「飛騨古川;ちょっとだけ」(1997/06/11〜06/13号)
今回のゴールデン・ウィークには飛騨古川と立山アルペンルートに行ってきた
のである。古川は2回目、アルペンルートは初めてである。
さて、あらかじめ答を書いておくのだが、この2カ所、おすすめである。
しかも、両方とも2回以上行った方が良いと言いきってしまうのである。

飛騨古川は、飛騨高山のちょっと先にある町である。
距離的には近いが余り知られておらず、穴場である。
GWでも、ほとんどの人が高山で降りてしまい、
こともあろうに清掃のおっさんが車内清掃を始めてしまうほどの
すきようである。

飛騨古川は天領であった高山とは違い武家屋敷もないしお寺も少ない。
しかし、町は適度に整備され見る価値のある展示館もある。
町の中心に瀬戸川という小さな川があって、多くの見るべき場所は
この川の回りにある。

なんといってもすいているのがよい。
どんなに良いものであっても、混みすぎていると十分見ることが出来ないことが
あるが、ここではそういう心配はまず無用だ。
どこでも十分見て堪能できる。

実はこの町にも山車がある。見た目高山のそれに似ているが、
その祭の勢いというか激しさはその比ではない。
非常に勇壮なものである・・・らしい。
たしか4月に行われるので見たことはない。
山車は普段は町の中に点在する倉にしまわれているが、
数体は例の瀬戸川のほとりにある展示館(名前は忘れた)で展示されている。
京都は祇園祭の山鉾は有名だが、ここのものも負けず劣らず
歴史があり美しい。

        ・・・

瀬戸川の回りは白壁の土蔵が立ち並んでいる。ここはおすすめの写真スポットである。
さらに、ここにはにはおっきな鯉が泳いでいる。
餌も売ってはいるが、やっても余り食べてくれない。
ちょっとがっかりである。

鯉に餌をやるなら、起し太鼓の里(=飛騨古川まつり会館;例の山車の置いてある
展示館)の中庭の池がよい。
ここの鯉は飢えているのか、餌をやるとすごい勢いで集まってくる。
ほんとにすごいので、鯉と遊びたい方はどうぞ。

そうそう、瀬戸川って、水は余りきれいじゃないです。
それが残念。

もう1つおもしろい展示館(飛騨の匠文化館)が起し太鼓の里の横にあって、
ここでは「飛騨の匠」と呼ばれるこの地方から出た優秀な建築家(?)たちの
技術などを紹介している。飛騨の匠がいかに珍重され、全国で偉大な建築を創ってきたかが良くわかるが、
それと同時に、その技法に触れることが出来る。

たとえば、釘をまったく使わないで建築物を創る技法などは、
一種のパズルのようである。
とある組木があるのだが、それがどうやってなっているのかがわからない。
丁寧に分解して、元に戻そうとするが駄目である。
よほど柔軟な頭と3次元的立体を把握する力を必要とする。
昔の人はおそらく、山の中など自然の中を歩く中で、自然のおりなす造形から
その手法を見いだしたのであろう。
それは観察とひらめきともいえようが、今の日本に一番欠けているものではないか、
などと思ってしまうのである。

あと1つ、駅の向こう側に山樵(さんしょう=きこり)館と古川町郷土民芸会館
というのがあるのだが、今回は時間がなくて行くことが出来なかった。
ちなみに、先の2館とここ2館で4館共通入場券1000円がある。
2館行けば元が取れるのでお勧め。

この、飛騨古川の町、面積的には狭いので5時間もあれば十分廻れると思っていたが、
なかなかどうして見るところが多くてそれくらいでは足りない。
私は実は2回目なのだが、それでもまだ見ていないところがあるのだ。
後1回、今度は1日泊まる位の気持ちで行った方がよいであろう。
近く(とは言えないかも知れないが)には温泉やYHもある。

この町のおみやげとしておすすめなのは「ろうそく」。
町の中に手作りで和蝋燭を創っている店(三嶋屋)がある。
作っている現場も見ることが出来る(というか、店の中で作っている)。
和蝋燭というのは、いわゆる一般的な白い洋蝋燭と違って芯も全体も太く、
炎が安定しているの特徴である。
私もここで買ったものをお盆などで仏壇で使うのだが、炎がきれいである。

あと、この町には酒屋と味噌屋がある。
酒屋は行ってないのでわからないが、味噌はおいしい。
勿論手作りで、見た目白味噌なのだが、味はむしろ赤味噌に近いようである。
風味はすばらしい。小さなお店なので、気を付けないと見つけられないかも。

そうそう、その辺のお店に売っているたまり醤油を使った軽いお煎餅
(ずばり「飛騨高山溜まりせんべい)もおいしい。
このあたりが古川のおすすめおみやげといえよう。

時間がきたので再び特急ひだ、普段は富山行き、この日は臨時で金沢行き
に乗って富山へ向かう。
(書かなかったけど、最初名古屋から古川へも特急ひだに乗っていた。)

        ・・・きっと、いつか、続く・・・

(と書きながら続かなかった)
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