「新180円小旅行」(1999/07/23〜08/04号)
前回紹介した150円小旅行は、
        お金がなくてまともな旅行には行けない
        でもちょっと遠くまでは行きたい
        忍耐強い
という条件を備えている人にはぴったりなものであった。

あれはJR近郊区間規則をうまく使ったものであるが
(ちゃんと時刻表の乗っているので違法行為ではない)、
実は1998年12月に大阪近郊区間が大幅に拡大された。
それによって、同じ位の料金でさらに長い時間、長い距離を楽しめるように
なったのである。

残念ながら私はまだそれを実行していないが、とりあえず時刻表片手に
作戦だけは練ってみたのでそれを発表することにする。

        ・・・

以前の近郊区間が具体的にどこまでであったかは覚えていないが、
今回は北は近江塩津という湖西線と東海道線が交わるところまで、
東は柘植(つげ)まで入った。東西線も含まれた。
西にも広がっていると思うが、実は西への広がりはその区間が一方通行しかないので
この近郊区間旅行には使えない。この旅行が可能なのは一筆書が可能なところだけ
だからだ。

理論的には行くことが可能でも、実質的に不可能な行き方もある。
その区間の列車が極端に少ない場合などだ。
結局、ちゃんと一筆書きが可能で、時間的にも1日で帰って来れる行き方というと、
限られてしまうのだ。
(近郊区間旅行は、その日の始発から終電までの間でしか効かない。
翌日に持ち越しては行けないのだ。もっとも、駅から外に出られないの
だから、2日またぎはその時点で駄目と言えるのだが。)

そのような状況を考えて、ちゃんと実現可能なルートが次のものである。
最初にちょっと反則をしているので正確には近郊区間だけではないのだが、
そこは別料金を払えばいいだけだし、まあメインは近郊区間なのだからよしとしよう。

なお、具体的な駅の位置などは時刻表を参照されたい。

        ・・・

今回行く区間は以下の通りである。これを見るだけでいかに遠くまで行くかが解る。
これだけ走って180円である。
ただし、基本的に普通列車のみなので移動に時間がかかるし、
大阪圏/京都圏以外は列車が少ないので、乗り継ぎ時間がかかる。
(とか言いながら、今回の計画ではほとんど完璧な乗り継ぎである。)
従って、早朝から夕方までのほぼ丸1日仕事となる。

                                  近江塩津
                                   /\
                                 近江今津\
                                 /      \
                                京都      長浜
                           /            \
                    大阪                (米原)
                  /                       /
               /                        /
                  /                    草津
                天王寺                     \
                /                          ↓
           /                木津    加茂←柘植
          /                  ↓
         /                    奈良
    /                      ↓
   /                 −−(桜井)
 和歌山←−−−−高田←/

出発駅は奈良線&学研都市線&関西本線の木津である。ここから、関西本線の加茂まで
1駅6キロの切符を買う。180円である。

まずは奈良から和歌山まで行く。

                [奈良線]
木津 6:58 → 奈良 7:09 [桜井線]
                         7:37 → 高田 8:19 [和歌山線]
                                           8:30 → 和歌山 10:33

これでいきなり近郊区間の南の端まで来たことになる。
ここまでは3本の電車を乗り継ぐ。奈良で―寸時間があるので朝食が取れるかも
知れない。また、後々のことを考えると、和歌山で昼食用に駅弁でも買っておくのが
良いと思われる。

        ・・・

次は一気に大阪市内まで入る。この電車は快速のはずである。
この間に早めの昼食を済ませるのも一手であろう。

                        [阪和線]
        和歌山 10:42 → 天王寺 11:46

ここからは―寸時刻が解らないが、大阪に出る。
距離的には京橋(東西線)乗り換えで尼崎に出るのが良いのだが、
残念ながら次の列車に間に合わない(天王寺−京橋−尼崎は44分ほどかかる
らしいので。Win95ソフト「えきすぱ〜と全国版」より。)

               [環状線]
        天王寺 →→→ 大阪
        11:50      12:15
            25分位

ここから一気に北上する。

              [東海道線]
大阪 12:30 → 京都 12:59 [湖西線]
                新快速   13:16 → 近江今津 14:12

この大阪−京都間でお昼を取りたいところだが、ここは混む区間なので取り辛い。
そこで、京都から近江今津迄の間で食べるのが良いであろう。

                          [湖西線]
        近江今津 14:29 → 近江塩津 14:48

これで近郊区間の北の端まで来たことになる。
実はこの近江今津から近江塩津の間の列車は非常に少ない。
(ほとんどがその手前の永原という駅で止まってしまうから。)
その中でこんなにもぴったりと列車が乗り継ぎ出来るのは驚異的であるとも言える。

        ・・・

ここから南下をする。東海道線で2本乗り継ぐ。

                    [東海道線]
近江塩津 14:54 → 長浜 15:22 [東海道線]
                                15:40 → 草津 16:25
                                         新快速

草津で乗換。
                        [草津線]
        草津 16:45 → 柘植 17:28

さらに柘植(つげ)で最後の乗換をする。

                     [関西本線]
        柘植 17:42 → 加茂 18:37

以上、実に12時間以上の長旅である。
180円でこれだけ楽しめれば十分であろう。

        ・・・

この時間は一例であって、これより遅い時間でも行けるかも知れない。
これより前の時間は絶対にないが。

朝が早く到着も夜になるし、途中で食事が出来る保証もない。
従って、朝食/昼食の用意はもちろん、おやつや飲料もいるし、
出来れば暇潰しの道具も用意した方が良いだろう。
さらに、実は最後の問題として加茂から木津方面への帰りがある。
タクシーに乗るしかないと思う。
だから、グループで行ったほうが良いと思う。

        ・・・

ところで、なぜ木津−加茂間を使ったかというと、
この間の列車が非常に少ないからである。1日に2、3本しかない。
だから、この区間を途中に入れるわけには行かないのだ。

さらに、大阪/京都から行くには、先に加茂に行くことは出来ないから
木津出発となり、となると必然的に南下するしかないのだ。
北に上がって京都に出てしまうと一筆書出来る区間が狭くなる。

ところで、まずどうやって木津まで行くかであるが、ここまでは正規料金で
行くしかない。大阪方面からなら学研都市線で京橋から来るのだろう。
京都からなら、まずは近鉄京都線に乗って新祝園(ほうその)まで行き、
ここで直ぐ隣に来るJR学研都市線の祝園駅から乗って木津へ着く。

朝6:58に木津に着くには、祝園6:40→木津6:46という学研都市線
の列車に乗ると良い。京都からなら近鉄で45分位で京都から祝園まで行けるし、
京橋からなら1時間位である。

言い忘れていたが、この時刻は1998年12月の土日ダイヤを元にしている。
列車の時刻は時として大きく変わることがあるので、行く前には最新の時刻表で
再確認が必要である。中には1日数本しかないの区間もあるので要注意である。

        ・・・

以上である。どうだろうか、木津−加茂間は本来は6キロ180円(15分以下)で
あるが、それでこんなにも長い時間&距離を移動出来るのである。
(時間はわかったけど、距離は計算してない。)

私もそのうち行くつもりではあるが、誰かチャレンジゃーの方を
募集したいところである。一緒に行く人いません?
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