「動物の予知能力」(1997/04/22号)
「動物には予知能力がある」と言われるが、それははたして正しいのだろうか。
本当に動物は災害を予知するのだろうか。

よく「なまずが暴れると地震が起こる」というが、
とある研究では、確かにその可能性ある、ということだった。
ただし、なまずには限らないし(他の魚も動きがおかしくなる)、
暴れたとしても地震が起こるとは限らないと言うことである。

その他、地震の前にネズミがいなくなったとか、
いろいろ言われる。
しかしよく考えてみると、あることに気がつく。

「動物は人間よりも地面に近いところに住んでいる」ということである。

地面に近いところ、常に地面に頭をつけるような格好でいるのだから、
地面や地中で起こっている微妙な変化を察知してもおかしくはない。
また、人間の可聴周波数帯はそんなに広くないが、
多くの動物はもっと広い範囲の音を聞くことができる。
音量的にも、小さい音も聞こえる。
そうすると、地面が発する変化による音(たぶん超低周波)を
聞いているのではないかと思う。
水は空気や地面より音を早く遠くまで伝えるから、
魚が敏感なのも当然だ。
そして、それを元に判断し、逃げたり暴れたりするのだ。

人間は、直立歩行することによって頭が地面から遠くなった。
(じゃあ、キリンや象、木の上にいる動物はどうなんだ?という突っ込みは却下。)
服を着ること(靴を履くこと)によって地面や空気との
直接的な接触面が減った。
そのため、この自然の微妙な変化をとらえられずにいるのではないか。
人間にとらえられないものを動物がとらえているとして、
それを「予知能力」だとか、超能力的に言うのは人間の勝手であろう。
(人間の能力からみて「超えた能力」には違いないが。)

人間は余りに自然から離れすぎた。
そのため、本来持っているであろう能力は使われず退化している。
そのため、自然の発する「声」を聞けなくなってしまっている。
「花粉症」だって、ひょっとすると、自然が人間に発している
警告かも知れない。

「動物が予知する」などという前に、人間がそれが出来なくなった原因を考える
必要がある。失われた「もの」を取り戻すのである。
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