「田舎の啓蟄」(1999/04/03号)
それは会社の帰り道のこと。

帰り道は途中田圃のど真ん中を通るのだが、今日はやけに蛙が鳴いている。

        「はっ、そういえば・・・」

そう言えば、―寸前まではここを通っても蛙の鳴き声を聞くことはなかった。
これはどういうことか。

この田舎にも啓蟄がやっと来たのか。一応桜ももう散っている。
京都市内より少し遅かったけど。

そういえば、田圃に水が張られているぞ。
たぶんこっちのせいだろう。
んがしかし、そうだとしたら、冬眠から覚めて今まで蛙はどこにいたのだ?

鳴き声から判断するに、蛙の数は少なくない。
これだけの蛙を今までほとんど見なかった(まったくではない)のだから、
どこに隠れていたのやら。

そもそもこの蛙たちはどこで冬眠していたのだ?
田圃の土手だろうか。そんなに広くも思えないが、ほとんど隣り合ってか?
そうすると、冬場に土手を掘るとわんさと蛙が掘れたりして。

冬場の田圃は水がなくて畑同然だが、その下で冬眠?
でも、そうだとすると、水を張る前に掘り返す田圃が多いから、危ないよな?

まあなんにしても、変な車の音や人の声を聞いて帰るより、
蛙の合唱を聞いて帰る方が気持ちは落ち着くよな。
特にストレスがたまった後だったら。

良くも悪くもここは田舎。
あぁ、麗しき日本の田舎。
(ここはそんなに綺麗じゃ無いけど。^_^;)
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