「趣味の電気講座」
(2000/04/28、05/01、06/09、07/03、08/04)
なぜかしら今私の目の前に「電気工学通論(オーム社)」がある。
(別に、電気系の会社にいるから「勉強のため」と言うことではない。)
そこで気紛れに電気工学、今回は直流の勉強などをしてしまうのである。
私なりの解釈が入っているので、本に書いてある内容とは違うので御注意を。
1、オームの法則
抵抗Rに電流Iが流れた時、その抵抗の両端に発生する電圧の差Eは次のようになる。
R
−−〜〜〜−−
→ I
E = I * R
E:電圧(V/ボルト)
I:電流(A/アンペア)
R:抵抗(Ω/オーム)
覚え方
E
−−−−−
I | R
E=I*R
I=E/R
R=E/I
2、抵抗の接続時における抵抗値の計算方法(結合則)
(抵抗が何本増えても同じ)
直列
R1 R2 R3
−〜〜〜−−〜〜〜−−〜〜〜− R(全体)=R1+R2+R3
並列
R1
+−〜〜〜−+
| R2 |
−+−〜〜〜−+− 1/R=1/R1+1/R2+1/R3
| R3 |
+−〜〜〜−+
直流電気の全てはこのオームの法則が基本なんよ。
3、キルヒホッフの第1法則
1点における入って来る電流の和と出て行く電流の和は等しい。
I1 I3
>−−−\ /−−−> I1+I2=I3+I4
×
>−−−/ \−−−>
I2 I4
なんのことはない、まあ、一種のエネルギー保存則やね。
4、キルヒホッフの第2法則
回路中の任意の閉路中の各抵抗にかかる電圧の総和と電池の電圧は等しい。
R1
+−〜〜〜−+
| I1→ | R1I1+R2I2=E
|+ |
電池 〜〜〜R2
E|- |I2
| |↓
+−−−−−+
まあ、こんなもんでんがな。
これだけは暗記せにゃいけませんわ。
これは以下のような回路でも適応出来るので、
R1 a R2
+−[==]−+−[==]−+
| I1→ | ←I2 |
|+ | +|
電池 [==]R3 電池
E1|- |I3 -|E2
| |↓ |
+−−−−−+−−−−−+
第1法則より、a地点において
I1+I2=I3
第2法則より
R1I1+R3I3=E1
R2I2+R3I3=E2
となる。
・・・
忘れた頃にやってくる(ネタがない時と言う噂もある)趣味の電気講座の続きである。
「練習問題」
次のように3角形に同じ抵抗値rの配置して閉回路を作る。
そこに100Vの電圧をかけると5Aの電流が流れた。
このとき抵抗rは何Ωであるか。
_______
/\ ←5A
r/ \r 100V
/ r \____
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「解答」
3抵抗閉回路の見かけの抵抗値をRとすると、オームの法則より、
R=E/I
=100/5=20(Ω)
ここで、この回路を見直すと、
r r
+-[==]--[==]-+
--+ +--
+----[==]----+
r
と見直せるから、結合則より、
1/R=1/(r+r)+1/r
従って、
1/R=1/2r+1/r
=1/2r+2/2r
=3/2r
3R=2r
r=3R/2
だから、
r=3*20/2=30Ω
まあ、この場合、配置の書き方に惑わされないようにすることが
ポイントやね。
・・・
趣味の電気講座の時間である。
今回もさらに、練習問題をやってしまうのである。
今度のはちょっと難しいぞ。
「練習問題」
+ -
+−−−−−E−−−−−+
| |
| R1 a R2 |
+−[==]−+−[==]−+
| |
| |i
+e−[==]+
+ - r
このような回路において、
E =4.2V
e =1V
R1=2Ω
R2=19Ω
r =15Ω
のとき、抵抗rに流れる電流はいくらか。
「解答」
まず、この回路全体の中から閉回路を見つけ、それに対してキルヒホッフの
法則を適応していく。第2法則より、
E=R1i1+R2i2 ・・・(1)
但し、i1、i2はそれぞれ抵抗R2、R2を流れる電流値
e=ri+R1i1 ・・・(2)
また、a地点において第1法則より、
i1=i+i2 ・・・(3)
(電流の流れる向きを考えること。電流は+から−に流れる。)
各式に数値を代入すると、
(1)式より
4.2=2*i1+19*i2 ・・・(4)
(4)、(3)式より
i2=i1−1
4.2=2*i1+19*(i1−i)
=i1(2+19)−19i ・・・(5)
また(2)式より、
1=15*i+2*i1 ・・・(6)
従って、(5)、(6)式より、
19i=i1(2+19)−4.2
=21*i1−4.2
15i=1−2*i1
i=0.0357A=35.7mA
i1=0.232A=232mA
さらに(3)式より
i2=196mA
が導ける。
まあ、a地点における電流の向きが判ればなんとかなるであろう。
その地点に入るのが+、出て行くのが−になるわけですな。
判ってもらえただろうか。
まあ、これは大学レベルの電気なんだけだが。でもこうやってみると
高校生レベルでも十分理解できるはず。
こうやっていくと、あのわけの判らん電気も少しは判るというもん。
私もあの時は判らんかったが、今こうしてやってみると判るから不思議。
教え方が悪いということか、頭脳が進化したということか。
悪い教え方によって嫌いな人が増えるって言うのは困ったちゃん。
また気紛れに他の教科もするかもしんない。
でも、これに関してはリクエストしないように。
それにしても久々に勉強したって感じ。
たまにはいいよね。
参考文献:電気工学通論 オーム社