「口紅の秘密」(2000/03/17号)
とあるところから、随分と前に書いた物を見つけたので掲載
(オラクラでは初掲載。若干追記)。
内容がいささか古いのことには御勘弁を。
・・・
最近の口紅には「食べても、キスしてもとれない」というタイプのものがある。
これは一体どういうふうになっているのか。
最初「生体染色」ではないかと思ったのだが、そうではないそうである。
(生体染色というのは、生物の組織:細胞などに色を付ける方法で、
これは細胞そのものに色が付いてしまうので、その細胞がなくならない限り
色が落ちない。まあ、この方法では細かい色の変化は出せないし、
いったん付いたら落ちないので、ある意味で危険なのだが。)
普通の口紅の色の移り方というのがどの程度かは知らないが、
このタイプの口紅も実際に手に付けて他にくっ付けてみると移ったりするので、
そんなむちゃくちゃ取れないわけではないようではある。
リムーバーを使わんと絶対に取れないような物だと逆に恐い感じもするが。
この、ある程度の移りにくさを作り出すのがきっとみそなのだろう。
普通の口紅ではワックス(のようなもの)の中に顔料を混ぜている。
だからべたべたした感じと、それによって色がくっついている。
この落ちないタイプでは揮発性のシリコンがあってこれに色が付いていて、
塗った直後に溶剤が揮発して色だけが残るらしい。
科学的に考えてシリコンが揮発性なはずないから、揮発性油脂の中に
シリコン粉末でも混ぜてあり、これが色成分の上を覆うことだと思うが。
違う?
「揮発」というポイントだけでみると、マジックやエナメルコート
(マニュキュアとかペディキュアですな)と同じわけです。
その後少し見聞きした範囲では、シリコンの換わりに海藻成分(なんだ?)とか
いろいろとあるようではある。
・・・で、なぜこんなことを知ったかと言うと、私が使った・・・訳ではなく、
なかなかに複雑な話のつながりがあるのだが、
プリンターインクが手に付いた
→ なかなかとれない
→ 落ちないと言えば最近そういう口紅があるそうで
→ 私、以前化粧品の研究室にいたの
ということで、知っている人から教えてもらったのであった。
これでまた1つ賢くなってしまったぜ。
その人曰く、「そういうところにいると、高い化粧品買う気がなくなる」だそうだ。
まあ、そういうものなのかね。