「夏ばて注意」(2000/07/31号)
夏ばてに対する考察である。

夏の過ごし方にもいろいろあるけど「ばてる」という意味で考えると、
一番良いのは体温の変化を減らすことと=汗をかかなくすることだと
思われる。

夏は体がだるくなることがあるが、この「だるい」という現象が何に原因するかと
よくよく考えると、やはりこれは「疲れ」ではないかと思われる。
しかし、対して運動もしていずとも「疲れる」のはなぜだろうか。
これが発汗によるものだと考えるのである。

汗をかくということの本質的目的は、体の内部温度を下げるためにある。
人間の(他の動物もそうだけど)体内温度が数度上げるだけで人間は
動作不能になってしまう。36度の体温が40度になれば命の危険性もある位だ。
従って、発汗は命を守るためにも重要なのだが、
そのためには大量の水分と同時にそれを行わせるためにエネルギーが
消費されるのである。
だから、暑すぎて汗をかき続ける状態では疲れるなのである。

しかし、夏場にもっといけないのは体温を「上昇させる」ための
エネルギーを使うことである。

先の話と相反するようであるが、クーラーや扇風機で強制的に体温を下げた場合、
それが適度でなく過剰になると体内では逆に体温を上げるためにエネルギーを
消費するようになる。
体温を下げるのと上げるのでどちらがより大量のエネルギーを消費するかは
データはないが、実体験から考えると、上げる方がエネルギーを必要とするのでは、
と思う。
人の体は寝てしまうと体温が勝手に下がる。また外気も朝方には下がる。
だから、寝る前の温度でクーラーを設定し、扇風機の風良を設定すると
寝ている間もしくは朝方には冷え過剰になってしまうので、
そのときには「体温上昇」のためにエネルギーを使ってしまい、
場合によっては風邪を引くことになる。

以上から考えると、次のように言える。

・良くクーラーのあたり過ぎがいけないというが、これはクーラーのきいた部屋に
 居続けること自体が悪いのではなく、体温を下げるに必要十分以上に効いている
 部屋にいるから、体温上昇にエネルギーを使うのがいけない。
 従って、適度の温度の冷房の下に居続けることは体力の温存でいえば
 正しいといえる。

・就寝中もしくは朝方は体温気温共に下がるので、夜中はクーラー・扇風機を
 切った方が良い。

・同様に、余り詰めたい飲物などを体に入れるとかえって体温上昇にエネルギーを
 使ってしまい、後で疲れが出る。
 そう考えると、暑気払いに熱いお茶を飲むのは理にかなっているのかもしれない。
 本当は外気温と同じくらいの物を飲むのが一番なんだろうけど。

たしかに夏場、冷たい・涼しいのは気持ちいいけど、
それが過ぎると夏ばてになってしまうので注意が必要である。
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