「書籍紹介1997」
「ソフィーの世界」 NHK出版(1997/02/05号)
        有名な哲学の入門書ですな。でもね、ちょっとでも人生について考えたこと
        がある人なら、すんなり読めるんじゃないかな。確かに面白い。
        (逆に言うなら、自己哲学も持たないやつらには、全く向かない本だ。)
        まだ前半を読んだだけだけど、続きが楽しみ。

       ・・・

        以前紹介した「ソフィーの世界」を読み終わった。

        まあ、一言で言えば、哲学の歴史を分かりやすく紹介した本ですね。
        新しい哲学を開拓したものではないけど、「分かりにくい」と
        思われがちな哲学を、
        その時代背景を含めて分かりやすく教えているのは素晴らしいです。
        学者でない私のような普通の人には、この程度で充分でしょう。
        
        ただ、そういう流れや歴史が有ったということを知るだけでなく、
        人の「人」に対する考え方の変遷を知ることで、今の自分を知り、未来をも
        想像するということに役立ててほしいですね。
        
        みなさんも、「哲学の本」ということで臆せず、一度読んでみて欲しいです。
        面白いですよ。
        (一番最初はちょっと難しそうに思えるけど、第2章まで読むと面白くなって
        きます。)
「大阪府の歴史」 山川出版社
        例の大阪今昔から大阪の歴史にはまって以来、いろいろと読んでますが、
        これもその1冊。これは大阪今昔よりもっと前から後までの歴史書だけど、
        大阪今昔の裏が取れたりして面白い。
「モダン大阪」 NTT出版
        通天閣とその周辺の歴史について書かれた本。
        大阪今昔にも通天閣の章があるので、合わせて読むといいかも。
        (この本の中でも引用されている。)
        詳しくは書いてあるが、著者があえて言葉を難しくして、それをもって
        文章を高度さを示そうとしているのが感じられるのが残念。
        良い本は、簡単な言葉だけで書かれていても良いものなのだが。
        そういう面では、先の「ソフィーの世界」は秀作。
「今なぜ玄米か」 毎日新聞社北海道支社
        玄米食の良さを訴える本。これを読んで以来、うちでは玄米食です。
        ちょっと堅いけど、玄米ってそれだけで味が有っておいしいよ。
        確かにおにぎりとかおかゆとかにはしにくいけど。
        ひょっとすると、一般には売ってない本かも知れない。
        広島の某YHにて購入。
「雨の日のネコはとことん眠い」 PHP文庫
「うちの猫に限って」 PHP文庫
        どちらも猫の生態をとらえた本。なかなかに面白い。
        猫の行動を通して人間の生き方をも考えさせるところもある。
        いや、猫の生態って、うちのもたまに猫が遊びに来るけど、
        見るたびに発見が有って、飽きないね。
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(1997/04/10号)
        「つい誰かに話したくなる雑学の本」

        日本社
        講談社+α文庫
        ¥880

タイトルのとおりの雑学の本である。
なんで散髪屋の看板(?)は赤と青と白のやつなのかとか、
いろいろ、そう言った世の中のちょっとした不思議の種明かしを
たくさん(本当に多い)書いたものである。

残念ながら、ちょっと間違っていることもあるようだが、
読んでいてなかなかにおもしろい。
一日や二日で読み終えられるような量じゃないので、
寝る前にちょこちょこと読むとか、出かける時に少しづつ読むのが良かろう。
(一気に読み上げるような話でもないし。)

なかなか人に聞けないとか、調べようにもどこを調べたらいいかわからないような
ことってけっこうありますよね。そういうことを知るにはいい本です。
実は、同様の本がもう1冊あって、どちらにしようか悩んだ末に
量の多い方を買ったのでした。(札幌出張の前に。)
最近はこういう本がブームかも知れませんな。

そうそう、例のクレーンの話も載ってました。
みなさんからも教えていただきましたが、分解するんだそうですな。
ハイテクを支えるのは、意外なほどのローテクなのでした。
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(1997/04/14号)
        「大阪春秋」
        大阪春秋社
        ¥1000

大阪の歴史と文化と産業にスポットを当てて毎回特集している季刊の雑誌である。
今回の第86号は「心斎橋」の特集である。

大阪の歴史に興味のある人には、なかなかにおもしろいであろう。
私にしても、先日「大阪今昔」を読み終えたところであり、
内容が重複する部分があり、興味深い。

書店で買うには大きな書店でないと手に入らないかも知れないが、
一応定期購読も出来るようだ。
年間4冊¥4000で「賛助会員」ということで定期購読出来る。
投稿も出来るぞ。実は、今回、親戚の人が採用されたので送ってもらったのだ。

さらに、¥30000出せば永久会員になって、ずっと送ってきてもらえるらしい。
ただし注意書きに「本紙発行する限り」とあるのがちょっと恐いが。
¥30000といえば30回分=7年半であるが、それでもすでに86号も
続いているのだから、人類が滅亡せん限り、出しておいて損はないかも知れない。
将来、値段があがるかも知れないし。

ちなみに、次回は「大坂古地図」(<-漢字間違いじゃないぞ)だそうだ。
興味のある方はどうぞ。
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(1997/05/23号)
        「あさきゆめみし」
        大和和紀
        講談社コミック(現在12巻までは存在を確認。以後もある?)

源氏物語を忠実に再現した漫画である。
与謝野晶子全訳の源氏物語と比べてもほとんどそのままである。
(実は同時に読んでいた。)
源氏物語の世界を知るには絶好の書となろう。

与謝野晶子の訳本と比べると、一部異なるところや省略されているところがあるので、
たぶん、元にしているのは与謝野晶子の訳本ではないと思う。
時には省略部分のために前後の話がわかりにくい部分もあるのが残念である。

実は、この本は長く続いているだけあって、最初の頃と中盤以降とでは
絵柄がだいぶ違う。前半はいかにも少女漫画的で見にくいのだが、
後になるにつれて洗練され、きれいな絵になっていき、コマ割りなども
よくなり、源氏物語の世界の美しさというか、平安貴族の生活の
美しさが見えてくるようになる。

女性(紫式部)が書いた本であるから、女性の目で平安の恋愛を描いたものであるが、
それにしては、かなり大胆な部分もあるから、それが日常茶飯事だったのか、
作者の願望だったのか、想像してしまうこともある。

うちの奥さん曰く、「源氏物語は昔のエロ本」であり、確かに前半は
そういう部分もあるが、中盤から後半にかけては恋愛物語としての
完成度も高くなる。特に最後の10編(宇治10帖)は技巧的である。
これがエロ本なら、ハーレクイーンロマンスなど、全部エロ本である。
(「女性なんとか」などという雑誌はド級のエロ本であろう。)

読んだことの無い人に言っておくと、源氏物語は「光源氏」だけの話ではない。
いく人もの男女の恋愛の話である。もちろん、中心は光源氏だが。
(光源氏と薫大将か。)

なんにしても、一度は読んでみることをおすすめしておこう。
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(1997/06/23号)
        「サディスティック19(ナインティーン)」
        白泉社
        作者忘れた

作者の名前(立花晶?)は失念したが、実に奇妙な話の漫画である。
奇妙と言うより、単に変なのかも知れない。
絵が綺麗なのに、話がそれに合っていないところも味噌である。

私の知る限り6巻までは出ているが、その後はあったのだろうか。
たぶん、1巻の方がパワーがある。(1巻が出ることは不定期だったので、
おもしろいものだけあったが、その後定期連載になって、やはり時間の制約からか
少しパワーが落ちたように思えた。)

読んですぐに投げ出す人と、最後まで読み切ってしまう人がハッキリ分かれるで
あろう。

まぁ、古本屋の片隅ででも見つけたらちらっと見て欲しい。
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(1997/07/15号)
        「現代版 福の神入門」
        ひろさちや
        集英社
        ¥470

誰もが聞いたことはある「福の神」、いわゆる「七福神」について述べた本です。

神といえば神道のように思われますが、作者の「ひろさちや」さんは仏教学者なので、
仏教の目から見た「七福神」として解説しています。

それぞれの神の由来、御利益とはどういうものか、
その種類/内容ではなく、御利益を受けるということはどういうことなのか、
そして、その「危険性」について解説されています。

「幸福を求めすぎることは危険である」ということ。
過剰な欲望は破滅をもたらすということがここでも解説されています。

自分が、世の中が、今、過剰な幸せを求めていないか。
この本を呼んで、神頼みをする意味を知り、その礼儀を知って欲しいものです。
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(1997/07/25号)
        「めぞん一刻」(全15巻)
        高橋留美子
        小学館

かつて、多くの高校/大学生をとりこにした(?)「音無響子さん」の話である
・・・っておいおい。

私は10巻の頃から入ったのだが、すぐに前の方を全部集め、
以後最終巻まで揃えてしまった。
(最近は愛蔵本も出ているらしい。)

いや、実は、最近某19chの「朝のおはよう子供漫画劇場」で
再放送されたのを全部見てしまい、久々に漫画も読んだということである。

一時期ルーミックワールドと呼ばれる高橋留美子の作品にはまった時も有ったが、
最近はそうではない。はまった時期でも「うる星やつら」は嫌いだった。
ということで、この作品だけは例外的であったといっても言い。

今読んでも最終巻は感動があるが、これを「永遠の恋愛のバイブル」と書いているの
にはちょいと首を傾げる。
まあ、若気のいたりだろうか。
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(1997/08/29号)
        「俺の考え」
        本田宗一郎

        ISBN4-10-146111-2
        新潮文庫
        ¥400

かの本田技研工業の創始者、本田宗一郎の話したことをまとめた本である。
浜松の1小会社を世界のHONDAに仕立て上げた人だけに、
その言うことも実に筋が通っていてすばらしい。
「さすが」としかいいようがない。

残念ながら、全ての意見に対して共感出来るわけではないが、
しかし、指導者たる者、これ位のことは考えなければならない、そう思う。
いや、これほどのことは言えなくても、たしかにそうだと共感して欲しい。

今のどこぞの会社の課長以上が全員読まなければならない本として
絶対に指定すべきものである。(部長以上なら暗記させるとか。)

HONDAイズムというかその考え方と、今の某社の内情がいかに食い違っているか、
いや、全く正反対である、ということを認識し、
これでは競争に勝って行けないということを早く解るべきである。
馬鹿なアメリカ人どもや"I am King"に媚びを売っている場合ではない。

内容的には手軽なので、ぜひ御一読を。
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(1997/09/04号)
        「禅に学ぶ 人生の知恵」
        
        赤根祥道
        ISBN4-8379-0068-2
        三笠書房 知的生きかた文庫
        ¥495

禅の言葉を50紹介し、日頃の生活の中でどのように生きるべきか、
どのように思っていくと良いのか、ということを紹介する。

良い話が書いてあるのだが、残念ながら、話の前後で言っていることが違うぞ?
など、何か流れがおかしい部分があるので、素直に読み切れない。
そういう意味でちょっと惜しい1冊。

しかし、こういう本でも某社の上層連中にはその意志が理解出来ないのでは、
と思われる。奴らに必要なのは、まずは基本的、精神的根っこであり、
「正義」に基づいた方向付けだと思うのだが。
会社を動かすための方針なんていうものを、自分を生かす方針を持たない人間に
言われたくない。(いや、そういう奴らが言うことなど、あまりに中身がなくて
カスカスで、「何言ってだい」である。)

やはり優れた上司とは、仕事とは直接関係無い基本的な所に
考えをもつ人である。それを考えるために読むべきであろう本である。

日経何とかなんて読んでいる場合じゃ無いぞ。
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(1997/09/05号)
        「悟りへの道をつっ走る 真実の自己を求めて」
        欠野アズ紗
        ISBN4-88481-23-8
        たま出版
        ¥1300

著者の禅体験を綴った本。
先日著者のセミナーに行ってきて、その場で買ったものである。

何をして何をしてというものではなく、
禅を通じて何を悟ったかをくわしく書いたものでもない。
全て、自分の感じたことをそのまま書いた、
一種「詩」を文章にしたような感じである。
文章に勢いがあり、文字が大きく書かれているので、
厚さの割りには一気に読めてしまう。

実は、これだけ読むと少しは無しが漠然としすぎていて解りにくいかも知れない。
これに今までに紹介した「般若心経88講」や「禅に学ぶ人生の知恵」などを
合わせて読むと、その内容が理解出来ると思う。
言いたいことは実に明快であり、私が今までにいろいろと書いてきたこととも通じる。

今、本当に人類は危機的状態にあるということ。
それを乗り越えるにはどうしたらいいか。
それがここに書いてある。
はっきりとではないかも知れないが、読み取れる人には理解出来るはずである。

本紹介でいつも書くことだが、某社で一番欠けているのはまさにこれである。
そういう意味で、某社が崩壊(某部の宝壊も同じ)するのは当然と言える。
愁いを感じている人にはぜひ読んでいただきたい。
もし機会があるなら、この人の講演会にも行くといいであろう。
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(1997/10/08〜10/13号)
{本紹介}

        「コンタクト(上下)」

        カール・セーガン
        訳池央耿(いけひろあき)/高見浩
        各¥514
        上ISBN4-10-229401-5
        下ISBN4-10-229402-3

かのCOSMOSの作者、カール・セーガン博士作の小説である。
この「コンタクト」という名前は、COSMOS放送直後から次回作として
聞いていたし、映画化の話もすでにその時からあった。
それが16年経ってようやく現実となった。

以前「博士は今どうしているのか?」と書いたことがあったが、
何と96年12月に亡くなっていたそうである。非常に残念である。
博士のような、先端の科学知識を一般にわかりやすく公開しようと努力する
科学者はしばらくは現れないかも知れない。それほどに偉大であった。
今となれば、5年ほど前だろうか、日本に講演を開きに来られた時に
行けなかったのが非常に残念である(抽選で外れたのだ!!)。

        ・・・

本の内容であるが、基本的にドキュメンタリーであったCOSMOSとは
うってかわって、この本は小説である。コンタクトは将来起こり得るであろう、
とある「事件」を科学的に想像した、いや予測した小説である。

ようするに宇宙人との接触=コンタクトを描いたものではあるが、
今までいろいろあった宇宙人ものとは一線をかくしており、
主題は宇宙人にあるのではなく、それを受ける地球人の側においている。

主人公エリーは宇宙人からのメッセージを探し続ける天文学者。
彼女がメッセージを探しだし、世界的な協力を得て追跡、ついにはそれを解析する。
やがてそれが宇宙船(と言うか空間移動体)の設計図だと解り、
それをまた世界が協力して作成する。
紆余曲折ののち乗務員に選ばれ宇宙へ旅立つ。
そして行った先で出会あったのは・・・

これで終わりかと思ったら大間違いの大ドンデン返しがあり、
意外な結末を迎えるのだが、面白くて引き込まれる。
科学者が書いたということもあって、話は現実的であり、
科学的裏付けがあるためにかなり重たい。
登場人物間の関係や各人物の背景も丁寧に書かれているので長い。
その分、ちょっと冗長と思われるところもあり、
さらに上下に分かれた大作ではあるが、あっという間に読み切ってしまう。

この小説の主題は決して「宇宙人とのコンタクト」という事実を迎えることだけ
にはない。むしろそれは副主題ともいえ、主題になっているのは、
そういう自体になった時の地球人の考え方/意識の変化であり、
「地球人は皆同じ」ということである。

        ・・・

宇宙から見れば地球人の社会的、生物学的、哲学的違いなどまったくない。
そうした本来違いがないものが、いがみあい一触即発で自己破壊の瀬戸際にある
ということ自体が愚かなことである。そういうことをこの本は訴えている。

さらに科学と宗教のかかわりについても述べられている。
それは相対するものではなくて、実は真実を違う側面から見ているに過ぎない。
詭弁的宗教は別として、正しいものを見極めようとする立場は、
科学であろうと宗教であろうと同じなのである。

また、各宗教の立場の違いや敵対関係などがどうして生まれたかも示し、
それすら愚かなことであると言っている。
中世ヨーロッパのような迷信による宗教と科学の関係ではなく、
現代にマッチした宗教と科学のあり方についても啓示しているといえよう。
この小説の書くに際して宗教家とも話をしたという。
だから、この話も科学者から見た見方だけでなく、中立な立場で書かれていると思う。
いろいろなものの見方があるということを、ちゃんと認めて書いてあるのだ。

結局、この本は宇宙人との接触という話のようで、
実は地球人の考え方について書かれた本なのである。
(実際、「宇宙人!」というものは一度も出てこない。)
だから、SFではなく、きわめて現実味のある話なのである。

思い出してみれば、実は博士はCOSMOSの中でも同じようなことを述べていた。
「コンタクト」は、COSMOSで一部語られたこの命題を、
主題に据えて書かれたものであるといってよい。
そういう意味では、COSMOSとあわせて読むといいであろう。

これは、ちんけな人間ものでもなく、安っぽいSFでもなく、
SFの力を借りた「全地球的意識改革」を訴える一作である。

        ・・・

ところで、原作は実は1985年頃に書かれたそうなので、
時代背景がその当時のままである。ソ連があったり、東西ドイツであったり。
通信網もFAX+電話となっている。
いま初めて読んだ人には古さを感じるかもしれないが、まあそこはそこ、である。

日本が結構大きく出てくるが、これはカール・セーガン博士が
日本に少し通じているせいであろう。そういえばCOSMOSでも
ヘイケガニの話で日本が出てきた。

しかし、どうしてこの本の最初の発売に気がつかなかったかなぁ。
大学受験の時だったからかなぁ。おしいことをした。

映画も公開されているので、早速見に行くこととしよう。
「もののけ姫」と違って、こちらはそうは混むことはあるまい(失礼?)。

何にしても、我が青春の1ページに大きな影響を与え、
今また新たなる感動を与えてくれた、博士の冥福を祈って止まない。
合掌。

        お勧め度        100%
ちょっと難しいけど、読むべし。
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(1997/11/19号)
        「どこへいくカッパくん」

        アランジ・アロンゾ
        ベネッセ
        ¥1200(+税)
        ISBN4-8288-1822-7

女子高校生を中心に人気がある(らしい)、
アランジ・アロンゾ(心斎橋にお店がある)の作った写真による
「絵本」である。

絵本と言うが、子供向けではなく、ちょっとシュールなところがある
大人の絵本である。(某夜中にやっていたHなものではないぞ。)

カッコマンのカッパの一日から始まり、親友の魚(うお)くんとのみ、
さらに海を見に行くという話であるが、なかなかに良く出来ている。
縫いぐるみ、じゃないか、フェルトのマスコットの写真によるものとは
思えない部分がある。

この写真を取ったのは実はプロではない。
アランジ・アロンゾの2名(2名で「ユニット」というそうだ。)が自分達で、
しかも普通のカメラで撮ったものである。
相当な枚数撮った中から良いものを選んだらしい。
その割りには切れの良い写真が多い。ちょっと光りの当たりが弱くて暗いものも
あるが、それはそれで良い効果を出している。

アランジ・アロンゾの既刊本には「パンダまんが」「うさぎのちいさいともだち」
もある。(パンダ・・・はまんがで、うさぎ・・・は手芸の本である。)

        お勧め度        75%

興味の有る方はどうぞ。悪くはないよ。
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(1997/12/22号)
        「超感覚ANALマン 壱」
        安永航一郎
        ¥550
        ISBN4-07-307543-8

題名からして怪しいが、内容は輪をかけて怪しいものである。
帯に「アナルとつくものにろくなもんはない」と書いてあるが、
まったくその通りである。

内容は確かにおもしろい。思わず笑ってしまった。
が、しかし、だけど、良い子は絶対に読んではいけない本である。
(表紙はまともだが、騙されてはいけない。)
人としての道をはずしかねない問題作である。
私も1回だけ読んで古本屋に売ってしまった(550円で買って150円で
売れたから、元はとったな。)

同作者は今までにもかなり切れた作品を発表している。今までの作品はまだ
「変」の一言で済ませられたが、これだけは駄目。絶対に封印されなければならない。
こんなもん、連載させている出版社も出版社である。
発売元の主婦の友社ってけっこう大きくないか?(発行はメディアワークス)

作者の頭の中はすでに腐っているのではないだろうか。
出版社の理性を疑う、まさに世紀末の作品である。

そう言えば、この本の中に「デカチュー」なるものが出てくる。
先日は「ピカチュー光撃事件」があって、それは肉体的な問題を起こした事件だが、
こちらの「デカチュー」は精神面を突いてくるので要注意だ。

くれぐれも、好奇心を出して読まないように。
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