WORKING QUADS (「重度四肢まひ者の就労問題研究会」ジャーナル)
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誰でもできる自立生活
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非常勤や委託ヘルパーなら派遣時間数は大幅に増やせる

序章
誰でもできる自立生活

非常勤や委託ヘルパーなら派遣時間数は大幅に増やせる

 現在はホームヘルパーといっても、その雇用形態は様々です。ヘルパー制度の歴史
のところで書いたように、72年に、社協等への事業委託・非常勤ヘルパーが認めら
れ、さらに、82年には、パート・時間給ヘルパーが認められたことで、現在まで、
派遣対象世帯・派遣時間・派遣回数を増やすため、さまざまな形でヘルパーを確保す
る流れが作られてきました。

 平成5年度末現在全国のホームヘルパー設置市町村(3,249市町村)のうち、
2,495市町村が社会福祉協議会等に、ホームヘルプサービス事業の実施を委託し
ており、その委託団体に所属する、ホームヘルパー数は、ホームヘルパー総数の8
4.4%にのぼっています。

 実際に、公務員のヘルパーを増やすことは市町村にとってはたいへんなことです。
職員の1人当たりの人件費は諸経費も含めれば600〜1000万にもなりますが、
厚生省がホームヘルパーの補助金を支出する職員1人当たりの基準額は95年度で3
34万円です。市町村は厚生省からその2分の1の167万円、都道府県から83万
円の計250万円を得るだけなのです。このため福祉部の担当者は国と都道府県から
4分の3の補助が出るといっても、実際にかかる人件費の3分の1程度にしかならな
いと嘆くことになります。

 一方、市町村や委託先の非常勤ヘルパーに関して厚生省の基準額は1時間当たり1
380円で、この部分はそのまま国から2分の1、都道府県から4分の1という補助
が得られるため、市町村の負担は1時間当たり350円で済みます。

 公務員のヘルパーではどうしても、1回2時間、週2回ぐらいしか平均的に全世帯
を回ることは出来ませんが、市町村や委託先の登録者で、もし市町村が1000万円
の予算を負担すれば年間約29000時間も派遣時間が増やせる計算になります。こ
れは、1日3時間×365日×26人分にもなる数字です。

 派遣の時間数に関しても、公務員の場合どうしても朝9時〜夕方5時までという勤
務時間に縛られる形になりますが、非常勤ヘルパーならば、早朝、夜間も含めて時給
1380円で募集すればかなり人材の確保が可能になります。

 しかし現実に多くの市町村はヘルパーの増員に非常に消極的なため、市町村登録や
社協、特別養護老人ホーム、福祉公社等への委託が行われているにもかかわらず、ヘ
ルパーとして確保されている人材はほとんどが40歳以上の主婦層に限られていま
す。そこで、私達はヘルパーを必要としている障害者や高齢者が自分でヘルパーを見
つけてくるという「自薦登録ヘルパー方式」を進めています。

(1998/4/16、電子メール)

(1998/4/25)


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