伊藤英一さん・"Working Quads"ゲスト
Mr.Eiichi Itoh, "WORKING QUADS" guests
「インターネットの情報」
神奈川県総合リハビリテーションセンター
リハ工学研究室 主任研究員 伊藤英一
e-ito@sfc.keio.ac.jp
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「インターネットの情報」


神奈川県総合リハビリテーションセンター
リハ工学研究室 主任研究員 伊藤英一
e-ito@sfc.keio.ac.jp

伊藤 英一 さん:『ワーキング・クォーズ』ゲスト:神奈川県総合リハビリテーションセンター

[写真説明:伊藤 英一 さん、第12回リハ工学カンファレンス佐世保]
[ Photo : Mr. Eiichi Itoh ]

1.インターネットとは


 インターネット(Internet、語源はInternetworking)の生い立ちは、研究機関の
ネットワーク同志を繋げるという目的により、米国の国防総省高等研究計画局(DARP
A)のARPANETにおいて研究が開始された。そこでインターネットなどを支えているコ
ンピュータネットワーキングの基本的な通信プロトコルTCP/IPが開発された。そして
、全米科学財団(NSF)のTCP/IPネットワークNSFnetが運用を開始し、それが今日のイ
ンターネットの土台となっている。当時は学術研究以外の目的では利用できなかった
が、今日では商用ネットワーク・サービス・プロバイダ(NSP)がサービスを開始した
ことにより、様々な用途や目的に応用され始めた。

 このプロバイダの出現により、インターネットへの接続サービスの種類・価格・用
途等が多様化し、個人的な利用をも促進することになり、現在では多くの個人がイン
ターネットに接続し、ホームページを持っている事も少なくない。


2.インターネットへの接続


 インターネットの用途には、電子化された文書をインターネットに接続している利
用者本人に親展の形で相互に送る事ができる「電子メール」と、パソコン通信の電子
掲示板システムのように不特定多数の人への公開文書を掲示することができる「Ne
tNews」、様々なデータやソフトウエア、マルチメディア情報などを提供するF
TP、Gopher、WWWなどがある。

 また、接続形態にはUUCP接続とIP接続の2種類あるが、現在ではWWWなどの利用が
多いため、プロバイダの多くはIP接続が主流である。利用目的が電子メールとネット
ニュースだけであればUUCP接続だけでも良いが、WWWなどマルチメディア情報の利用
を含む全ての機能を利用するにはIP接続が必要である。

 IP接続にも種類があり、(1)個人で使う、もしくは1台のコンピュータのみで使
う場合には「端末型ダイヤルアップIP接続」、(2)複数台のコンピュータや小規模
LANで使う場合には「LAN型ダイヤルアップIP接続」、(3)情報提供(WWW,FTPなどの
サーバーを設置)を独自に行なう場合には「専用線IP接続」、(4)大容量・高速デ
ータ転送などが必要な事業所などでは「高速専用線IP接続」などである。


3.個人によるWWWの利用


 数年前までWWWによる情報発信を行なう場合、情報を提供する者がWWWサーバー
を設置し、常時外部のユーザーからのアクセスに対応する必要があった。そのために
はインターネットに接続されたサーバーマシンとそのメインテナンスなどの作業が必
要であり、個人が運用できるものではなかった。

 しかし、最近では前項の通り、プロバイダの出現によりWWWの商用利用も進み、
個人によるWWWによる情報発信も増加している。これは、WWWサーバーをプロバイ
ダのLAN側に置くサービスを利用したものであり、これにより利用者の負担を大きく
軽減でき、個人によるマルチマディアを利用した情報発信が増加している。

 WWWによるマルチマディア情報発信、これがいわゆる「ホームページ」である。
そして、障害者やその周囲の人達が福祉関連情報を発信しており、すでに利用されて
いる方も少なくないであろう。それらの多くは「生活の知恵」、「経験の賜物」的な
情報提供であり、放送や出版などマスメディアなどでは扱われることの無かった、僅
かな人達にのみ役立つ情報である。しかし、それを必要としている人も存在するため
、これらの情報発信は「ピア・サポート」のような社会貢献的な活動の糸口になると
思われる。

 実際にWWWを利用するには、(1)商用パソコン通信サービスからの利用と、(
2)ネットワークサービスプロバイダからの利用がある。手軽にホームページを見た
い場合には大手の商用パソコン通信を利用してみるのも良いだろう。全国にアクセス
ポイントを保有し、ユーザーサポートも比較的信頼できる場合が多い。また、快適な
レスポンスが必要で、ある程度パソコンに慣れた方であれば近隣にアクセスポイント
を保有しているプロバイダの利用も良いだろう。

 アクセス先が決ったならば、WWWブラウザを組み込んでみよう。現在、ネットス
ケープナビゲータ(NN)とインターネットエクスプローラ(IE)という2大ブラウザがシ
ェアー拡大のために凌ぎを削っている。どちらでも良いが、キーボードアクセスが可
能なのはIE(Ver.3以上)である。どちらも利用するパソコンに適したものを導入す
る必要がある。

 実際にインターネットへ接続するためにはパソコンとモデムの設定が必要である。
それらは接続先によって異なるため、マニュアルなどの指示に従って行なう必要がある。

 実際に接続した場合、まず必要となるのが欲しい情報の在り処(所番地)であるU
RLの入手であろう。それを入力しなければ見たいホームページへたどり着けない。
自分の必要な情報がどこにあるのか?を調べるにはインターネットイエローページな
どの書籍や雑誌から見つけるのも良いし、次に説明する検索システムの利用も手軽で
ある。



伊藤 英一 さん:『ワーキング・クォーズ』ゲスト:神奈川県総合リハビリテーションセンター

[写真説明:伊藤 英一 さん]
[ Photo : Mr. Eiichi Itoh ]

4.WWWにおける情報検索


 WWWには必要な情報をキーワードなどによって検索してくれるサイト(場所)があ
る。まずこれらのサイトにアクセスしてみるのも良いだろう。適当なキーワードを入
力するだけで、該当するURLを教えてくれる。有名なものにYahoo!(ヤフー
)がある。上が日本、下が米国のURLである。

     URL http://www.yahoo.co.jp/
     URL http://www.yahoo.com/

 NTTにも同様の検索サイトがある。
     URL http://navi.ntt.co.jp/home.html


5.役に立つURL(抜粋)


 高位頚髄損傷者に役立つ情報を提供しているURLをいくつか紹介する。

 ○こころWeb
     URL http://www.ibm.co.jp/kokoroweb/

 ○井村氏のページ
     URL http://www.chubu-gu.ac.jp/wic/ir/h-index.html

 ○慶応義塾大学アクセス研究会
     URL http://buri.sfc.keio.ac.jp/~kadota/

 ○サイバースペースはユニバーサルアクセスの世界(拙作)
     URL http://www.sfc.keio.ac.jp/~e-ito/


伊藤 英一 さん:『ワーキング・クォーズ』ゲスト:神奈川県総合リハビリテーションセンター

[写真説明:伊藤 英一 さん]
[ Photo : Mr. Eiichi Itoh ]

6.まとめ


 私個人、以前よりパソコン通信は活用していた。そのためインターネット
経由の電子メールもニフティサーブが相互利用サービスを開始した(1993
年?)頃から頻繁に利用している。

 そして、1994年に入って当時唯一だったプロバイダ「IIJ」のダイヤル
アップIP接続を始めた。コンピュータは年期の入った?MacSE30を利用
していたので問題なく接続できたが、WWWブラウザMosaicの日本語環境が
イマイチだったため、日本語ページを見るのに苦労したことが記憶に新し
い。

 現在もインターネット利用の大半は電子メール。毎日、膨大なメールと
奮闘しているが、EUDRAなどのメール専用ソフトの活用により、快適に
利用できている。自分のホームページ(URL http://www.sfc.keio.ac.jp/
~e-ito/)もあるのだが、ネットサーフィンすることはそれほど多くない
と思う。しかし、最新の情報を情報を得るためには欠かせない道具の一つ
であろう。

 データベースとしてのWWWは提供者の豊富さから有益な情報も多い。そのため、
読者諸氏もホームページを持ち、自分が保有する様々な情報を発信されては如何だろ
うか?

 しかし、情報が多すぎるのも検索が上手くいかないとか、情報の信頼性にも問題が
有るなど欠点もある。また、テキスト(文字)主体のパソコン通信では問題とならな
かった「マルチメディア情報へのアクセス」という重要な課題も出てきた。例えば、
キーボードは操作できるがマウスの操作ができないためブラウザが上手く使えないと
か、画像情報主体のホームページをどのように視覚障害者ユーザーに利用してもらう
か?、音声を含むマルチメディア情報を聴覚障害者に利用してもらうためには?など
である。

 そのため、米国などでは「インターネット・アクセス・ガイドライン」が作り始め
られている。インターネットを日本の情報基盤と位置付けるのであれば、アセスメン
トやガイドライン作りなどを早急に開始する必要がある。


参考資料


障害者のネットワークリソースBook97、日本障害者協議会発行




  • "WORKING QUADS" what's new (時間系列によるトピックスの集合)

  • "WORKING QUADS" links (リンク)

  • "Working Quads" Editors (『ワーキング・クォーズ』編集者)

  • "WORKING QUADS" writers (『ワーキング・クォーズ』執筆者)

  • "WORKING QUADS" guests (『ワーキング・クォーズ』ゲスト)

  • The Marubeni Foundation Database (丸紅基金データベース)

  • "WORKING QUADS" Voice (『ワーキング・クォーズ』声)

  • One Year of the Life in America (『アメリカの一年』)


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