瀬出井 弘美 さん
Ms.Hiromi Sedei, "WORKING QUADS" guests

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カッコウだけは超一人前のパソコン環境
〜あなたにもできる!私のパソコン奮闘記〜
瀬出井 弘美、神奈川県横須賀市

瀬出井 弘美 さん:『ワーキング・クォーズ』ゲスト:神奈川県横須賀市市
[写真説明:瀬出井 弘美 さん]
[ Photo : Ms. Hiromi Sedei ]



 平成7年に新しくワープロを購入しようと思った時も、パソコンにしようかどうか迷い
ました。

 結局、「ワープロ通信という手もある」と考え、ワープロを新しく買い替えました。
そのうち、同じ横須賀の頚損の女性の友人がパソコンを買いました。ちょっぴり先を越
されたナーという感はありました。

 その後、周囲で「瀬出井さん、パソコン買わないの?」という声が段々大きくなり、
情報を得たりするのに外出に制限のある車いす者にとって、やはりパソコンがあった方
がより便利かなと思い、「よし、来年はパソコンを買おう!」と平成9年の暮れ頃決心
しました。

年が明け、決心したとはいえパソコンのパの字もわからず、機械モノに弱い私は機種
選びからどうしたらいいか悩んでしまいました。
とりあえず、ウインドウズ(この言葉さえ、正直言ってよくわからなかったのですが)
にしようということだけは決め、パソコンショップでも覗きに行こうかなと思っていた
ある日、テレビのホームショッピングを何気なく見ていたところ、IBMの“アプティ
バ”というパソコンが紹介されました。

 横須賀の友人がやはり通販で買ったことを思い出し、家にいる主婦が多く見ている時
間帯ということもあり、付属のプリンターもCD−ROMもある程度付いたオールイン
ワンものなら、私にも何とか扱えるだろうと思い、父の買ってしまえばの一言もあって
買う決心をしました。

でも、実際にパソコンが届いてからが大変でした。思った以上に大きかったからです。
それもそのはずです。ディスクトップの、それもタワー型と呼ばれるパソコンだったか
らです。(こんなことも後になって知りました)

 それから、結局パソコンディスクまで買う羽目になり、これも通販で注文して約2週間…。
カッコウだけは超一人前のパソコン環境が整いました。ここまで来ると後には引けないも
のですね。安いものではありませんし、何とかタダの箱にならないようにがんばろうという
気になります。今、パソコンを買おうかお迷いの方々…!とにかく、思い切って先に買って
しまってから何とかしましょう。

[ Photo : Marubeni Foundation PC system ]

 私の当初の目標は、Eメールができるようになることにありました。車いすの多くの友
人・知人が持っていたからです。パソコンの接続は、一人ではできないので電気関係に強い
友人にやってもらいました。ウインドウズ95のセットアップは簡単でした。

 たくさんあるマニュアルを見ただけでうんざり感がある中、“はじめの一歩”的なマニ
ュアルから読み始めました。でも、パソコンド素人には、これがちっともはじめの一歩で
はないのです。出て来る、英語交じりのカタカナ用語がチンプンカンプン。全くの初心者
になんて不親切なのでしょう。いい加減頭にきました。

 そんな折り、マンガ家のサトウサンペイさんが書かれた、「パソコンのパの字から」と
いうパソコン雑誌の増刊号を買って読みました。これがパソコン超初心者には、本当にお
薦めの一冊なのです。私にもよくわかり、パソコン用語も徐々に覚えてゆくことができま
した。

 わかり始めると、パソコンをいじくっていても楽しくなるものです。私がまず一番最初
にパソコンでしたのは、音楽CDを聴くこと。とにかくパソコンに、わかりそうなところ
から楽しみながら少しづつ取っついてゆくのがいいと思って、これなら簡単にできます。
(それがそうでもなかったのですが…。音が出ない!とあわてたら、結局スピーカーのボ
リュームがゼロだったり、今考えるとスクリーンセーバーなのですが、そんなこと全然わ
かりませんから、曲を聴いていたら画面がいきなり真っ暗になるではありませんか!どう
したらいいかわからず、もうパソコンの電源をバッツンするしかなかったです)

 それから、パソコンからファックスを送ってみました。スクリーンセーバーや壁紙を自
分好みに設定したり、インストールされているゲームや、“ペイント”で絵を描いたりも
してみました。辞書、時刻表の乗り換え案内等は便利です。
プリンタドライバを、インストールできたあたりから少し自信がついてきて、付属の興味
ありそうなCD−ROMをインストールしてみたりし始めました。

 その次の段階として、ワープロソフトを使って文章を作りました。地図を描いて試しに
挿入してみたり。フルカラーで印刷し、仕上がったものを手にした時は、「ヘヘン、私に
だってこのくらいできるのよ」という感じでとてもうれしかったです。

 しつこくて、わからないとわかるまでこだわる性格もよかったかもしれません。マニュ
アルを読むことも、読み始めると私にはそれほど億劫な作業ではありませんでした。同じ
ことを繰り返して、まったく何回パソコンをフリーズ状態にしたでしょうか。パソコンの
方も、きっとヘキエキしているに違いありません。

 さぁ、次はEメールをするためのインターネット接続です。プロバイダーと自分一人で
オンラインサインアップできるか、ドキドキでした。環境設定など面倒臭い手間を省くた
め、既にインストールされているアプリケーションシステムの中から、“一発接続”の文
字に魅せられてジャストネットを選びました。

 でも、すんなりと一発接続はできませんでした。友人に電話でSOS。オンラインサイ
ンアップできるまで、なんだかんだで5時間くらいかかってしまいましたが、その日一日
が無駄にならなくてよかったです。

 今は、当初の目標であったEメールを、情報交換手段として快適に交わせるようになり
ました。手紙のように出しに行く手間が省けるというのは、やはり車いす者にとって大き
なことですね。重度四肢麻痺者のメーリング・リストに最近参加をし、たくさんのメール
が一日に届くようになりました。文章を書くことが好きですので、はがき通信同様図々し
く書込んでいます。

 インターネット接続まで一ケ月ちょっと。パソコンを買って初めてから約二ケ月半あま
り…。皆さん、けっこう上達が早いねとおっしゃって下さいますが、Eメールができるよ
うになって何だかホッとしてしまい、今後の上達が望めないかもしれません。

 パソコンはマルチメディアとして奥が深く、覚えても覚えてもという感じがあります。
できる事も、今後もっと可能性として広がってゆくことでしょう。インターネットも月々
二千円くらいのお金で、アクセスポイントを市内に選べば市内通話の電話料金で、世界中
から発信している「情報画面」をわが家にいながら見られるというのは、考えてみればす
ごい事ですよね。こんな箱の小さな画面から、世界中と簡単につながる事ができるわけで
すから。

 ただ、ホームページにしてもたくさんあり過ぎて、目的なしに乗り出すとwebサーフ
ィンのつもりが、大海に漂う小船状態になってしまいます。あふれる情報の中から、お宝
を発見できるといいですね。

 今後、私のパソコンライフがどうなってゆくかは私自身も??状態ですが、何かの時の
大きな武器として、頼りになる情報源としてパソコンの可能性を信じ、ボチボチと使いこ
なしながら末長くつき合っていけたらと思っています。

平成10年6月1日

☆せでいひろみ☆E-Mail☆

(1998/6/1、電子メール)

(1998/6/2)


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    清家一雄、代表者、重度四肢まひ者の就労問題研究会